【完結】冷徹執事は、つれない侍女を溺愛し続ける。

たまこ

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番外編:1-2

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「はぁ……。」


「あら、ソフィア。働き者の貴女が溜息なんて珍しいわね。」


 隣にいた侍女仲間が「新婚で一番楽しい時期なのにね。」と揶揄うように言った。


「少し疲れただけです。」

 ソフィアは苦笑いで誤魔化した。侍女仲間は「ほんと、毎日忙しくて嫌になっちゃうわねぇ。」と笑った。彼女と会話しながらも、ソフィアは困惑しているハロルドを思い出して、心の中でもう一度溜息を吐いた。



◇◇◇◇


 事の起こりは、一週間前。ソフィアの親友ドロシーが王都へ来ることになり、ソフィアは久しぶりにドロシーとお茶に出掛けた。学生時代よく通っていたカフェで、ドロシーはチョコレートケーキ、ソフィアは勿論ミルフィーユを注文し、甘いスイーツと共にお喋りに勤しんだ。

籍を入れ、ハロルドとの暮らしも始まりソフィアはドロシーへ新生活の報告をしていた。ソフィアの報告が終わると、ドロシーは可笑しそうにくすくすと笑った。

「どうかしたの?」


「ソフィア、貴女の顔……デレデレになってるわよ?」


「へ?」


「新婚生活、とっても楽しいみたいね。」


「それは、まぁ……。」

 ドロシーは「貴女が幸せそうで嬉しい。」と自分のことのように幸せそうに微笑んだが、ソフィアは全く別のことを考えていた。


 ハロルドから求愛を受けて五年の間、ソフィアは終始ハロルドへ素っ気ない態度を取っていた。つまり、ハロルドはつれないソフィアを好きになったということだ。だが、籍を入れる前後から自分が彼に対して、優しく―――ドロシー曰くデレデレ、になっていたという自覚はある。ソフィアの急な変化を、ハロルドはどう受け止めているのだろうか。


「……あんまりデレデレしていると愛想つかされるかしら。」


「ん?何か言った?」

 心配顔のドロシーに顔を覗き込まれ、ソフィアは慌てて首を振り会話を再開した。それからもドロシーとのお茶会は続いたが、ソフィアは心ここに在らずだった。その日からソフィアはハロルドへどう接していいか分からないままギクシャクした日が続いた。


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