やさしい異世界転移

みなと

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第6章 沈没都市 グラナドザンラ

【235話】 神眼の覚醒

 神眼には伝承がある。
 
 神の瞳を宿す者、万事を見通す力を持ちこの世全ての善悪を見抜き全ての人民を導く。
 神の瞳を宿すに真にふさわしき者、一度は瞳の光が閉ざされるも再びその瞳に光を宿す時、神の瞳の真髄を知る。

 しかし、ユウトは[一度光を閉ざされる]この必須とも呼ぶべきプロセスをすっ飛ばしブェイオンとの戦いで覚醒へと至っていた。

 覚醒に至るために光を閉ざされる……という部分が必須ではないのか、はたまた彼自身に要因があるのかはわからない。
 彼自身も己の神眼の覚醒を理解しないままブェイオンとの戦闘は続けていた。

 体に異変は感じていた、魔力量が増え身体能力も向上しておりそして何より……
 相対するブェイオンの少し先……未来の動きを見切れていた。

 時間にして訳1秒ほど……平時ではさほど機能はしない時間だが1秒、一瞬で戦況が変わっていく今においては破格の性能を誇る。
 
 しかし彼自身はそれを神眼の覚醒とは認識していない、強者との戦闘で研ぎ澄まされていく戦闘技術……それの延長線上としか認識していない。

 ブェイオン、ユウト、それぞれ2者は拳と剣を使い戦闘を進めていく。
 戦闘スタイルとしては同じようであるがブェイオンは膨大な魔力量、そして堅牢たる身体でゴリ押すタイプ。
 ユウトは相手の動きを見極めその隙をついて攻めていくタイプ……真逆である。

 ブェイオンの拳がユウトへと振り下ろされユウトはそれを神眼をもっての短い動きで腹部を掠める程度での回避からのカウンターをくらわせ息を整えるために距離を置く。

 それでもブェイオンは体を再生させて追撃の拳をユウト目掛けて放つ。

「……スッーー」

 ブェイオンの拳に対してユウトは息を吐き出し集中力を高め刀の鋒を向けて貫く。

「──散斬風[サザンカ]!!」

 その刀の鋒より風の魔力が突き出てはそのまま前へ広がり、その範囲全てを斬り裂く魔法。
 それによりブェイオンの体前身が斬られる。

 体の硬さでそこまでのダメージはなくすぐに傷は治されるとしても攻撃を蓄積させれ続けて限界を迎えさせようとしていた。

 戦いの中で成長していくユウト、だが成長してるのも彼だけではない。
 ブェイオンは初めて人型へと転身した影響で人型の動き方、戦い方を知らない。
 ゆえに学んでいく、ユウトという手本を見ながら人型としての戦闘を学習して自分に取り込んでいく。

「ふんっ!!」

「速っ……」

 剣による牽制をした後にブェイオンの拳がユウトへと直撃させられる。

 ブェイオンの攻撃の動きが上がっていく、先を見ているのにも関わらず、見てもなお体が追いつかないまでの速さに……

 覚醒を果たすも人も身であり体力が消耗していき限界へと向かっていくユウトに対して疲れ知らずでひたすらにギアが上がっていき動きも速くなっていくブェイオン。

 それでも現在の戦況は互角、しかしこれがいつまで続くのかわからない……
 ユウトの残り少ない体力が削られればその分戦況が悪くなっていく。


 ユウト1人では勝てない……
 1人では……だ
感想 2

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