42 / 50
妥協案②
しおりを挟む
口内に捩じ込まれた、彼の熱い舌先。
でもさっきみたいに乱暴じゃなく、優しく、僕のペースに合わせてくれているのを感じる。
執拗なまでの、長く甘い口付け。
息が乱れてはいるが、聡哉に教えられた通り鼻で呼吸をしているから、ちょっぴり苦しかったけれど夢中でそのキスに応えた。
セックスとは違い、唇と唇が触れ合うだけの行為。
……なのになんでこんなにも、気持ちいいんだろう?
なのにしばらくすると聡哉は、僕の唇を解放した。
だけどそれが寂しくて、ねだるみたいに伸ばした腕は、苦笑して避けられてしまった。
まだ頭がちょっとボーッとしていたから、言葉は出てこない。
でももっとして欲しい、なんでやめちゃうのと、恨みがましい視線を向けた。
すると聡哉は困ったように笑い、くしゃりと僕の髪に触れた。
「これ以上続けると、こっちがヤバいから。
とりま風呂、入るだろ?
もう沸いてるから、先にどうぞ」
言われた言葉の意味が分かったから、途端にまた恥ずかしくなってしまった。
こくこくと無言のまま何度も頷き、着替えの入ったリュックを手に取って。
一目散に浴室に向かい、駆け出した。
***
「はぁ……聡哉め、エロ過ぎるんだけど」
湯船にザブンと浸かりながら、つい零れ出た愚痴のような発言。
……でも、嫌じゃないんだよなぁ。
そりゃあ今からヤりますよって言われたら、ビビる。
正直、めちゃくちゃ怖い。
でもキスはもっとしたいし、ぎゅって抱き締めても欲しいと思ってしまうのは、僕のワガママなんだろうか?
でもさっきみたいに乱暴じゃなく、優しく、僕のペースに合わせてくれているのを感じる。
執拗なまでの、長く甘い口付け。
息が乱れてはいるが、聡哉に教えられた通り鼻で呼吸をしているから、ちょっぴり苦しかったけれど夢中でそのキスに応えた。
セックスとは違い、唇と唇が触れ合うだけの行為。
……なのになんでこんなにも、気持ちいいんだろう?
なのにしばらくすると聡哉は、僕の唇を解放した。
だけどそれが寂しくて、ねだるみたいに伸ばした腕は、苦笑して避けられてしまった。
まだ頭がちょっとボーッとしていたから、言葉は出てこない。
でももっとして欲しい、なんでやめちゃうのと、恨みがましい視線を向けた。
すると聡哉は困ったように笑い、くしゃりと僕の髪に触れた。
「これ以上続けると、こっちがヤバいから。
とりま風呂、入るだろ?
もう沸いてるから、先にどうぞ」
言われた言葉の意味が分かったから、途端にまた恥ずかしくなってしまった。
こくこくと無言のまま何度も頷き、着替えの入ったリュックを手に取って。
一目散に浴室に向かい、駆け出した。
***
「はぁ……聡哉め、エロ過ぎるんだけど」
湯船にザブンと浸かりながら、つい零れ出た愚痴のような発言。
……でも、嫌じゃないんだよなぁ。
そりゃあ今からヤりますよって言われたら、ビビる。
正直、めちゃくちゃ怖い。
でもキスはもっとしたいし、ぎゅって抱き締めても欲しいと思ってしまうのは、僕のワガママなんだろうか?
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
26
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる