たとえこれが、恋じゃなくても

ryon*

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熱①

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「へぇ。……すっげぇ、大胆。
 それで、次はぁ?」

 クスクスと笑いながら、僕を見上げる聡哉。
 でもその瞳はさっきと同じように、雄特有の熱を帯びているように思えた。
 ……駄々漏れる、色気がヤバい。

「お前はもう、黙ってろ!」

 羞恥心を煽られながらも、ここまでして引き下がるワケにはいかない。
 僕には出来ないと思われている感じなのも、癪に障る。

 剥き出しになった、彼のモノ。
 それは既に力を蓄え、上を向いて反り返っていた。
 それを見て自然と、ごくりと喉が鳴る。

 いつも自分にしているのを思い出し、そっと手のひらで優しく包み込んだ。
 でもそれは僕のよりも、ずっと太くて。……堅くて。
 これは自分のモノじゃなく、聡哉のモノなんだと改めて感じさせられた。

 実は少しだけ、不安だったのだ。
 男の僕にされて、萎えたらどうしようかなって。

 だけど僕に触れられた瞬間、彼は熱い吐息を漏らした。
 だからそれに気を良くして、ゆっくり上下にしごいてみた。
 僕の、手のひらの中。
 彼のモノがどくどくと脈打ち、さらに力を蓄えていくのを感じる。
 だから僕も興奮して、夢中で手を動かし続けた。

 僕が気持ちいいのは、カリのところを刺激するやり方だけど、彼も同じだろうか?
 ちょっぴり握る力を強くして、そこを擦ると、彼はニヤリと口元を歪めた。

「へぇ……晴は、そうやってするのが好きなんだ?」

 息を乱しながらからかわれ、カッと体が熱く火照る。
 でもそうだと答えるのは恥ずかしかったから、そんな生意気な事ばかり言う唇はキスで塞いでやった。
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