年下俺様アイドルの、正しい飼い方

ryon*

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人の恋路を、邪魔するヤツは side奏①

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「おはよう、エレン。
 どうしたんだよ?朝っぱらからしけた顔して」

 千尋さんと結ばれた日の朝、事務所内にある更衣室にて。
 俺に虚ろな目を向ける我がグループのリーダー、エレンに向かい言った。
 すると彼はフンと鼻で笑い、答えた。

「おぅ、おはよ。悪かったな、しけた顔で。
 ......お前は随分と、顔色が良いみたいだけど」

 なんだ?一体。 
 ......今日のコイツ、珍しくスゲェ荒んでるな。

 仕事中はクールな彼だが、オフモードのエレンは陽気でおしゃべりだ。
 なのに今日の彼は、なんて言うか......クールを通り越して、陰鬱とした雰囲気を垂れ流している。

 誰かに言いたくて仕方なかったけれど、千尋さんと付き合う事になった話は、とりあえず今はしない方が良さそうだ。

 そう判断し、あまりにも露骨な負のオーラに軽く引きながらも放ってはおけず、嫌な予感がしたけれど話を促した。

「ホント、どうしたんだよ?
 ......もしかしてれいと、なんかあった?」

 ......ややこしいことに何かがあるとしたら実際は玲じゃなく、彼の双子の姉のりんが正解なワケだが。

「話せば長くなるけど、良い?」

 正直とっとと着替えてライブの振り付け練習に入りたかったが、普通の人間であればとてもじゃないけれどそんな事を言えるような雰囲気では無かっただろうと思う。
 だけど俺は心を鬼にして、言ってやったのだ。

「長くなるのは、まずいだろ。
 手短に、五秒でどうぞ」

 我ながら酷い人間だとは思うものの、仕方あるまい。
 するとエレンは苦虫を噛み潰したような表情で、ボソッと呟いたのだ。

「玲に、フラれた。以上」

 ......は?
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