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【SS】叶わなかった、夢の続きを②
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彼の運転する車の助手席に座ってのドライブも、当たり前になった。
以前は信号待ちの度、卑猥なイタズラを仕掛けて来ていたが、そういう真似を続けるなら今後は後ろに座らせて貰うと言ってぶちギレたら、ようやく止めてくれた。
とはいえ油断すると相変わらず、夜の暗闇に紛れて、時折キスをされたりはするけれど。
でもそれは嫌じゃないし、ちょっとだけ嬉しかったりもするから許しているというのが現状だ。
「今日はさ、前に約束してた、江ノ島に行こうと思うんだ。
ほら、暖かくなったら生のしらす丼を食べたいって、大晴も言ってただろ?」
それが嬉しくて、自然と頬の筋肉が緩んだ。
「……覚えててくれたんだ」
「当然。っていうか俺自身、またお前と行きたいなって思ってたしな」
くしゃりと笑うその表情は、いつもよりも少しだけ幼く見える。
そしてそういう子供みたいな顔を見せるのは僕の前でだけだというのを、先日こっそり彼のお兄さんの大河さんが教えてくれた。
以前来た時と同じように鎌倉市内の駐車場に車を停めて、江ノ島駅まで電車で移動すると、そこからは歩いて市内を散策した。
「この前は友達として来たけど、今回はデートコースな」
ニッと笑って長身を軽く折り曲げるようにして顔を覗き込まれ、ドキリとさせられたけれど、何事もなかったふりをしてこくんと小さく頷いた。
すると一瞬の隙をつき、軽く唇にキスをされた。
「ちょ……遼河くん!妙な真似、しないでよ。
誰が見てるか、分かんないのに……」
激しく動揺しながらも、慌ててキョロキョロと周囲を確認する。
羞恥に震える僕を見下ろしたまま彼はべぇと舌を出し、しれっと言い放った。
「油断した、大晴が悪い。
隙あらば妙な真似したいし、さっき以上の真似もしたいと思ってるけど?」
以前は信号待ちの度、卑猥なイタズラを仕掛けて来ていたが、そういう真似を続けるなら今後は後ろに座らせて貰うと言ってぶちギレたら、ようやく止めてくれた。
とはいえ油断すると相変わらず、夜の暗闇に紛れて、時折キスをされたりはするけれど。
でもそれは嫌じゃないし、ちょっとだけ嬉しかったりもするから許しているというのが現状だ。
「今日はさ、前に約束してた、江ノ島に行こうと思うんだ。
ほら、暖かくなったら生のしらす丼を食べたいって、大晴も言ってただろ?」
それが嬉しくて、自然と頬の筋肉が緩んだ。
「……覚えててくれたんだ」
「当然。っていうか俺自身、またお前と行きたいなって思ってたしな」
くしゃりと笑うその表情は、いつもよりも少しだけ幼く見える。
そしてそういう子供みたいな顔を見せるのは僕の前でだけだというのを、先日こっそり彼のお兄さんの大河さんが教えてくれた。
以前来た時と同じように鎌倉市内の駐車場に車を停めて、江ノ島駅まで電車で移動すると、そこからは歩いて市内を散策した。
「この前は友達として来たけど、今回はデートコースな」
ニッと笑って長身を軽く折り曲げるようにして顔を覗き込まれ、ドキリとさせられたけれど、何事もなかったふりをしてこくんと小さく頷いた。
すると一瞬の隙をつき、軽く唇にキスをされた。
「ちょ……遼河くん!妙な真似、しないでよ。
誰が見てるか、分かんないのに……」
激しく動揺しながらも、慌ててキョロキョロと周囲を確認する。
羞恥に震える僕を見下ろしたまま彼はべぇと舌を出し、しれっと言い放った。
「油断した、大晴が悪い。
隙あらば妙な真似したいし、さっき以上の真似もしたいと思ってるけど?」
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