ミルシィの雑貨屋さんへどうぞ!

銀蝶

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新居に慣れよう

作ろう!

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ぺち。

ぺちぺち。

やわらかい何かに顔を叩かれいてる。

「うー……?」

あたたかい太陽の光が、まぶしい。

「朝市に、行くんじゃなかったか?」

あっ!

宝石みたいな、きれいな二対の瞳が私を覗き込んでいた。

青灰色の毛並みの、美麗な子猫。

「カイツさん……おはよう……!」

可愛いなあと、つい、にっこりしてしまう。

「おはよう、レディ」

ベッドで起き上がると、窓からきれいな街並みが見えた。

お庭があって、オシャレな建物で、どのお家も優雅な別荘風。まるでおとぎ話の世界のよう。

小鳥のさえずりと、風に揺れる街路樹がキラキラして見える。

いい景色で、いつまでも眺めてられる。

トン、とベッドから床に降りて、カイツさんがするりとドアから出て行く。

私は慌ててベッドから降りて、着替えた。

朝市が町の中心通りの横道にあるらしく、昨日、見に行きたいなって話してたのだ。

昨日買っておいたパン屋さんの惣菜パンを朝ごはんに、急いで向かう。

ポシェットを肩にかけながら、ドキドキわくわくして、人が集まっている横道にたどり着いた。

まず道の脇に、制服姿の兵士さんが。あれ、昨日の門にいた人かな?

ドキドキしながら通る時、にっこり笑いかけてくれた。

「おはようございます」

「お、おはようございますっ」

ひとり、ひとりの顔を見て挨拶している。

お仕事かな?  朝から大変だなぁ。

道の左右は、露店が等間隔に並んでいた。

野菜や果物。お肉に穀物類。豆やお茶の葉。

生物は採れたてなのか、とってもみずみずしい、ピカピカしてるの。

つい、葉物野菜や果物を購入。

「おや?  見ない顔だねお嬢ちゃん」

「あっ、はい!  昨日引っ越してきました!  ミルシィといいます」

「そうかい、私はね……」

人懐っこいおじいさん、おばあさん達に親しげに声をかけられた。

ちょっと緊張したけど、みんな優しくていい人達だった。ちょこちょこお土産をいただいてしまった。

ありがたやー!

むむむ……これは、何かお礼を考えないと。

雑貨屋さんは、まだ商品がないんだよね……気長に考えよう。

キョロキョロあちこち見て、お買い物して、満足いたしました。

ランプ屋さんとか、魔道具屋さんとか、洋服屋さんにアクセサリー屋さん……たくさん見たいお店もあるんだけど、先にお家を整えよう。

あっ、パン屋さんにご挨拶行かなきゃ……な、何か作ろう!

「カーテンでしょ、ポプリも作りたいし、あっ、スリッパ欲しいな……瓶とか売ってるかな?  丈夫な紙は……」

雑貨を作るにも、布だけじゃあ限界がある。プラスチック板や糸なんてないよねー。どうしよう?

必要なモノを考えていると、見ていたカイツが助け舟を出してくれた。

「白い布で、形を作ってごらん」

「布で? 」

まずは……スリッパかな?

白い布を大体の大きさに切ってー。形を整えてー。

「どんな材質にしたい?  厚みや色、特性もちゃんと与えて、決めてみるといい」

「うーんと……弾力があって丈夫で軽くて、薄めで……色はベージュかな?」

カイツに言われた通り、考えて口に出す。

するとピカッと布が光った。びくっとした。

「……ふぇえ?」

「希望通りかな?」

布が、なんか膨らんでいる。

恐る恐る突っつくと、柔らかく沈んだ。離すと戻る。

「おおー……スリッパの元!」

これで、作れる!

可愛い小花柄の自分用と、女性用、男性用をとりあえず作った。

気付いたらお昼を過ぎていた。



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