ミルシィの雑貨屋さんへどうぞ!

銀蝶

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新居に慣れよう

お茶会?

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お昼を買いに、再びお隣のパン屋さんへ。

お。今日は他のパンもありました!

果物を練りこんだパンと、ジャムを挟んだパン! いい香り、とっても美味しそう。

「あ……」

やっぱり昨日の少年が、またしてもお金を落としたけど。

落としたくらいで恥ずかしがって、赤面とか、なんか可愛いー。

「パン、美味しいね!  もしかして、早く来ないと売り切れちゃう?」

「……う、うん。朝のうちに、人気のパンは……あっ、オレはゼッツ」

お名前を教えてもらえたよー!  わあい。

「ゼッツ君ね!  よろしくね。また来るねー」

「あっ、昨日言ってたのは……っ」

他のお客さんも来たから、早々にお邪魔した。

さあ、カーテンカーテン!



薄くてレース生地の白を、まず二階の窓に。

あとは、淡いピンクの厚めの生地に、裾にちょっとだけ刺繍を入れる。星型と三日月形。テンテンと、ちょっと濃いめの紫の糸で端から端までステッチ。

私が縫い物している間、カイツはずっと寝てた。

寝てるのに、ピクピク耳が動くんだよねー。尻尾はパタンパタン。触りたくなるけど、我慢。

おっ、三時になる。

「カイツさん、出かけようー」

実は、朝市で知り合ったおばあさんに、三時のお茶に誘われたのだ。

美味しい喫茶店があるんだって!

楽しみー!



朝市で使ってた横道の入り口で、おばあさんが待っていた。

「お待たせして、すみません!」

「大丈夫、大丈夫。年寄りはヒマだからね。さあ、行こうかい」

ちょっと腰の曲がったグレイおばあさんは、淡いグレーのワンピース姿に、手編み風のショールをかけている。

真っ白な髪を三つ編みにして、くるっと後ろにまとめている。

ふんわりと香水の匂いがして、なんか上品な人だ。

お勧めの喫茶店は、横道のさらに横道の、ちょっと奥。

外にもテーブル席があり、日除けの木やパラソルがさしてあった。

木造の開放感のある建物は、あちこち緑が配置され、店内入り口に注文カウンターがあり、コーヒーのいい香りが……って、コーヒー!?  あるのかこっちの世界にも!

「グレイさん、こっち」

「あら、可愛いお連れさんやね?」

店内奥から華やかな声がして、つられておばあさんに付いて行くと……。

貴婦人と、魔女みたいな女性がテーブル席に座っていたのだった。

おばあさんはさっさと同じ席につき、私を手招きした。

「新しいお友達よ。引っ越してきたばかりのミルシィちゃんと──猫の君はお名前は?」

「あっ、カイツさんです!」

喫茶店だけど、動物大丈夫かな?  店員さん何も言わないから、大丈夫かな?

「こんにちは、お茶に誘われたのでお邪魔してしまいました。ミルシィといいます」

わー、じいっと見られてるよー。お茶仲間がいるなんて言ってたかな……グレイさんが優しいから、ついつい約束しちゃったんだよね。

「ティーナよ。ごきげんようミルシィ」

貴婦人さんはめっちゃ美女!  スタイルいい!  にっこりしてくれたけど目力が凄い。女優さんみたいだ。キラキラしてる。絶対一般人じゃないオーラ。

「……アナよ。湖畔の町にようこそ」

魔女みたいな女性は、なんかミステリアス?  まとう雰囲気が……なんか別世界。大人しそうな上品な人なのに、なんか寒い。

なんて言うかこの二人……。

「ニャー」

みんなの視線がカイツさんに向いた途端、金縛りが解けた感じになった。

店員さんがちゃんとカイツさんにも椅子を引いてくれたのだ。

注文してないのに、次々とケーキが運ばれてきた。

「お飲み物は?」

私だけ訊かれ、チラッとテーブルの注文票を見た。

「カフェオレでお願いします」

「かしこまりました」

三人の女性の前にはすぐに飲み物が運ばれてきた。

「猫の君は?」

「ミルクをお願いします」

ここ、凄い喫茶店だなあ。

テキパキ動く店員さん達が、ほとんど足音も気配もないよ。絨毯が厚いのかな。あっ、ラグとかバスマットも作らなきゃ。

「ごゆっくりどうぞ」

カイツさんにまで頭下げて行ったよ。

……私、場違いじゃあない??


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