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第一部 王立宮廷大学を目指そう!
19. 剣術訓練の始まり
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さっそく翌日から、兄、アレクシオスとの剣術訓練が始まった。
「騎士の実技試験だけど、大きく分けて、攻撃の基本の型、防御の基本の型、対戦実技の3つなんだ。では、そこにある刃引きした剣を取ってもらっていいかな?」
「う、重い!」
「はは、最初はそうかもね。大丈夫、すぐ慣れるよ。まずは剣の握り方から……」
アレクシオスが、剣を握る位置や、力の入れ方を丁寧に教える。
「……こうですね」
「うん。カテリーナは左利きだから、それでいいよ。では、僕の構えを真似してみて」
カテリーナは、隣に並んだ兄と同じように、剣を構えた。
剣先から、兄の上半身の方へ視線を移すと、戦闘用の騎士の装いと、凛々しい佇まいに、思わずカテリーナは見惚れてしまった。
「まずは攻撃の基本の型からだよ」
――はぁ。兄の騎士の姿には、心を奪われてしまう女性が多そう……。イケメンに、騎士の制服姿はヤバいわ
「カテリーナ、集中して」
「あ、はい!」
カテリーナは、気持ちを切り替え、背筋を伸ばした。
「では、カテリーナに質問。この剣で、敵を切れる部分は、どこだと思う?」
「上から下まで、刃がついている部分だと思います」
「普通はそう思ってしまうよね。だが、実は違うんだ」
「えっ?」
「ほとんどの場合、この切っ先の部分で切っているんだよ。もちろん、剣で受けたときや、敵と密着してしまったときは違うけどね」
カテリーナが興味深く剣を見ていると、アレクシオスは長い紐と短い紐を、石に結びつけたものを取り出した。
「紐を持ったまま、これらの石を振って当てたとき、長い方と短い方、どちらのほ方が威力が大きいと思う?」
「長い方です」
「なんで、そう思ったのかな?」
「重い部分を大きく振り回した方が、当てたときに力が強いからです」
「ではそれを、剣に当てはめてみると、どうなるかな?」
「……あっ! そうか!」
剣の動きを横から見たときに、弧を描く動きになる。
剣先の動きは早くて大きくなるが、剣の根元の動きは遅くて小さくなる。
カテリーナは、兄の質問の意味を理解した。
「そうなんだ。この剣を振り下ろしたとき、切っ先部分と根本部分で比べれば、どちらの方の力が伝わるか、つまり、どちらの方がよく切れるか、これで分かっただろう?」
兄アレクシオスの教えは、分かりやすい上に、考えさせて、本人に気付かせる内容になっているものだった。
カテリーナは、兄が若くして神聖騎士団の副団長になれたのも、家柄や本人の強さだけではなく、教えることが上手かったことも、理由の一つなのかもしれないと思った。
「その前提の上で、剣を振り下ろしたときに、もし、躱されて当たらなかった場合は、大きな隙ができてしまうんだ」
カテリーナはうんうんと頷く。
「そこで、剣技の型の基本動作として、振り下ろした剣が相手に当たらなかった場合を想定して、隙を少なくするため、すぐさま剣を切り返し、少し振り上げる動作を行うんだ」
アレクシオスが剣を振り下ろし、途中まで下ろしたところで、即座に剣を少し振り上げ、相手に隙を見せない構えを見せた。
「ただ、これにはかなりの膂力がいるんだ。一定の重さを持つものを、振り下ろして、即座に跳ね上げているからね」
「うわ、できるかな?」
「まずは振り下ろすだけの、素振りをしてみようか」
「はい」
「カテリーナは左利きだから、僕と逆で、右手の動きが重要だよ。振り下ろしたときに、若干右手も引くように意識して、ゆっくりでいいから振ってみて」
「そうそう……そこで、右手を引く」
「うわっ」
「はは、少しバランスを崩してしまったね」
「今の素振りを続けてみて。ただし、足には当てないようにね」
練習用の剣ではあったが、重さは正規の剣と同じため、あまり筋力の無いカテリーナにとって、かなりの負担だった。
「……お、お兄さま、腕が痛いです」
「腕が痛いのは、力がついてきた証しだよ。いいね、続けて」
――ひぃぃぃ、お兄さまの笑顔が、悪魔に見えるわ!
兄に言われた通り、必死に素振りを繰り返したカテリーナだったが、つい腕を上げることすらできない限界が訪れてしまった。
「お、お兄さま、もう、もう、力が入りません……」
「……うん、腕の筋力が限界みたいだね。よく頑張ったね、カテリーナ」
「ありがとうございます……」
――腕が痛い……。でも、これで、今日の実技は終わりよね。
兄の顔を見ると、何やら呪文を詠唱しているのが分かった。
――!!!?
「女神さまの癒しの力をお借りし、この者の腱と筋肉の損傷が回復されますように……」
カテリーナの腕が白く輝き始め、神聖魔法の効果が現れ始める。
「うん、これでよし! さあ、同じことを続けるよ」
――ヒィィィ、神聖騎士団が優秀な理由はきっとコレだわ! 限界がきたら強制的に回復させられて、再び限界を迎えさせるエンドレスループ……。
アレクシオスは曇りのない笑顔でカテリーナを見ていた。
――なんて、なんて恐ろしい訓練なの!?
カテリーナの剣術訓練は、始まったばかりだった。
「騎士の実技試験だけど、大きく分けて、攻撃の基本の型、防御の基本の型、対戦実技の3つなんだ。では、そこにある刃引きした剣を取ってもらっていいかな?」
「う、重い!」
「はは、最初はそうかもね。大丈夫、すぐ慣れるよ。まずは剣の握り方から……」
アレクシオスが、剣を握る位置や、力の入れ方を丁寧に教える。
「……こうですね」
「うん。カテリーナは左利きだから、それでいいよ。では、僕の構えを真似してみて」
カテリーナは、隣に並んだ兄と同じように、剣を構えた。
剣先から、兄の上半身の方へ視線を移すと、戦闘用の騎士の装いと、凛々しい佇まいに、思わずカテリーナは見惚れてしまった。
「まずは攻撃の基本の型からだよ」
――はぁ。兄の騎士の姿には、心を奪われてしまう女性が多そう……。イケメンに、騎士の制服姿はヤバいわ
「カテリーナ、集中して」
「あ、はい!」
カテリーナは、気持ちを切り替え、背筋を伸ばした。
「では、カテリーナに質問。この剣で、敵を切れる部分は、どこだと思う?」
「上から下まで、刃がついている部分だと思います」
「普通はそう思ってしまうよね。だが、実は違うんだ」
「えっ?」
「ほとんどの場合、この切っ先の部分で切っているんだよ。もちろん、剣で受けたときや、敵と密着してしまったときは違うけどね」
カテリーナが興味深く剣を見ていると、アレクシオスは長い紐と短い紐を、石に結びつけたものを取り出した。
「紐を持ったまま、これらの石を振って当てたとき、長い方と短い方、どちらのほ方が威力が大きいと思う?」
「長い方です」
「なんで、そう思ったのかな?」
「重い部分を大きく振り回した方が、当てたときに力が強いからです」
「ではそれを、剣に当てはめてみると、どうなるかな?」
「……あっ! そうか!」
剣の動きを横から見たときに、弧を描く動きになる。
剣先の動きは早くて大きくなるが、剣の根元の動きは遅くて小さくなる。
カテリーナは、兄の質問の意味を理解した。
「そうなんだ。この剣を振り下ろしたとき、切っ先部分と根本部分で比べれば、どちらの方の力が伝わるか、つまり、どちらの方がよく切れるか、これで分かっただろう?」
兄アレクシオスの教えは、分かりやすい上に、考えさせて、本人に気付かせる内容になっているものだった。
カテリーナは、兄が若くして神聖騎士団の副団長になれたのも、家柄や本人の強さだけではなく、教えることが上手かったことも、理由の一つなのかもしれないと思った。
「その前提の上で、剣を振り下ろしたときに、もし、躱されて当たらなかった場合は、大きな隙ができてしまうんだ」
カテリーナはうんうんと頷く。
「そこで、剣技の型の基本動作として、振り下ろした剣が相手に当たらなかった場合を想定して、隙を少なくするため、すぐさま剣を切り返し、少し振り上げる動作を行うんだ」
アレクシオスが剣を振り下ろし、途中まで下ろしたところで、即座に剣を少し振り上げ、相手に隙を見せない構えを見せた。
「ただ、これにはかなりの膂力がいるんだ。一定の重さを持つものを、振り下ろして、即座に跳ね上げているからね」
「うわ、できるかな?」
「まずは振り下ろすだけの、素振りをしてみようか」
「はい」
「カテリーナは左利きだから、僕と逆で、右手の動きが重要だよ。振り下ろしたときに、若干右手も引くように意識して、ゆっくりでいいから振ってみて」
「そうそう……そこで、右手を引く」
「うわっ」
「はは、少しバランスを崩してしまったね」
「今の素振りを続けてみて。ただし、足には当てないようにね」
練習用の剣ではあったが、重さは正規の剣と同じため、あまり筋力の無いカテリーナにとって、かなりの負担だった。
「……お、お兄さま、腕が痛いです」
「腕が痛いのは、力がついてきた証しだよ。いいね、続けて」
――ひぃぃぃ、お兄さまの笑顔が、悪魔に見えるわ!
兄に言われた通り、必死に素振りを繰り返したカテリーナだったが、つい腕を上げることすらできない限界が訪れてしまった。
「お、お兄さま、もう、もう、力が入りません……」
「……うん、腕の筋力が限界みたいだね。よく頑張ったね、カテリーナ」
「ありがとうございます……」
――腕が痛い……。でも、これで、今日の実技は終わりよね。
兄の顔を見ると、何やら呪文を詠唱しているのが分かった。
――!!!?
「女神さまの癒しの力をお借りし、この者の腱と筋肉の損傷が回復されますように……」
カテリーナの腕が白く輝き始め、神聖魔法の効果が現れ始める。
「うん、これでよし! さあ、同じことを続けるよ」
――ヒィィィ、神聖騎士団が優秀な理由はきっとコレだわ! 限界がきたら強制的に回復させられて、再び限界を迎えさせるエンドレスループ……。
アレクシオスは曇りのない笑顔でカテリーナを見ていた。
――なんて、なんて恐ろしい訓練なの!?
カテリーナの剣術訓練は、始まったばかりだった。
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