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7.天国と地獄からの軽率にハッピーエンド
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中盤から肌色の内容になります。
背後ご注意くださいませ。
.........
深い眠りに落ちる前に、アレックスが額に口づけを落とし出て行く気配を感じたが、睡魔には勝てず見送ることが出来なかった。
その後、だいぶ日が昇ってから目を覚ましたエスミは夜の間に起こった出来事を思い出し、ひとりニヤニヤする。
さてそろそろ起きてブランチをいただこうかと起き出すと、ティーテーブルの上に見慣れぬ手紙が置いてあるのに気づく。
キレイに封蝋されている手紙を開けてみると、男らしい筆跡で、明らかにアレックスが書いたと思われる文字が綴ってあった。
『急な仕事ができて戻らなければいけなくなった。また会おう。A』
急な仕事か。
今日も会えると思っていたエスミは正直すごくがっかりしたことは言うまでもない。でも仕事であればしょうがないとも思う。ゴールデンドラゴンで何かあったのだろうか?
それよりも・・・ひとつ気がかりなことを思い浮かべる。
また会おうとは?
ただの逢瀬のことを意味しているのか、はたまたきちんとしたものなのか、この短い文章からはアレックスの本音は分かり兼ねた。
……...
数日後、都へ戻りまたいつも通りのエスミの退屈な日々がやってきた。
平日は貸本屋で仕事に励み、週に一度の休みの日は孤児院へ出かけて子どもたちにステキな物語を聞かせる。
なお、オールドリッジ公爵家から拝借してきた児童書は子どもたちに大人気で、特に古い本の方が人気があった。きっとアレックスが小さい頃に読んでいたのだろうと思うと、エスミの気持ちは少しだけ慰められた。
結局、一週間が経ってもアレックスからの音沙汰は無かった。
ちなみに侍女のマリーはあれから程無くしてオールドリッジ公爵家の御者と恋仲になり仲良くしているという。サリーは良い嫁のもらい先だと、気が早い話をしては喜んでいた。
二週間経っても相変わらずアレックスからの連絡は無く、かと言って女性であるエスミの方から手紙などを送るのはもっての他だったので、どうすることもできずにいた。本当に貴族社会は面倒くさい。
あの言葉はきっとただの社交辞令だったのだろうとため息をつきながらひとり、貸本屋の片隅のカウンターでできたてホヤホヤの新聞を眺めると無く眺める。
2、3ページめくると新しい孤児院ができたというニュースが目に入った。
そう言えば先日、父であるディシュパンダ男爵が町外れののどかな場所に孤児院が作られるようだと言っていたことを思い出す。
アレックスに手紙を書くことは出来ないけれど、孤児院になら書くことができる。そう思ったエスミは新しい孤児院で読み聞かせの仕事ができないか手紙をしたためることにした。
アレックスに会えない気持ちを少しでも紛らわせるために。
三週間が経ったある日、アレックスからの音沙汰は未だに無かったが、一通の手紙がエスミ宛に届いた。
先週、気晴らしを兼ねて手紙を送った新しい孤児院からの手紙だった。
手紙にはとても事務的ではあるけれど、ぜひ話を聞きたいので一度、孤児院にいらしてください。という、エスミにはなんともうれしい内容の知らせだった。
ぜひお話をしたい旨の内容をしたためて孤児院へ返信の手紙を送ることにした。
アレックスからの音沙汰が無いままちょうど1ヵ月が過ぎた。もう諦めた方が良いのか?その方が心が痛まずに済む話ではあるけれど踏ん切りがつかぬままだ。
それに今日は新しい孤児院へ話をしに行く日だから心が暗くなるようなことを思って塞ぎ混んでる場合では無いし。
「エスミお嬢さま、馬車が到着いたしましたよ。」
部屋で沈んでいたエスミにマシューがドア越しに声をかける。
ひとりでいるとどうしても心が沈んでしまう。いけない癖だと思いながら階下へ降りていくと、サリーがバスケットを持ってキッチンから出てくるのが見えた。お腹が空いたら困りますからね、とバスケットを手渡してくれる。
そっと蓋を開けてみると中にはエスミの大好きな料理がこれでもかと入っていた。
いったい何人分用意してくれたんだろう?と笑いながら訊ねれば、食べきれない分は孤児院へどうぞ、とその気遣いにうれしくなる。
「じゃあ、行ってくるわね。」
貸し馬車に乗り込むと、新しい孤児院『レインボーエンジェルスハウス』へ向かった。
………
孤児院へ到着すると、職員らしき年配の女性が現れた。普通のドレスを着ている。
てっきり教会の付随の孤児院だと勘違いしていたエスミは、シスターではない女性が現れて少しまごついた。
聞けば、女性はもと孤児で生きるために良いことも悪いことも全てしてきたと言う。もちろん、人を殺めること以外だ。
「ここはどういった経緯でお仕事を?」
「ここの院長と昔からの知り合いでね。この孤児院が作られる計画ができて直ぐに働かないか?って誘われたんですよ。」
にこやかに笑う女性が院長について少し話をしながら孤児院の中を案内してくれる。
シダーウッドの優しい匂いが院内に漂う。聞けば、癒し効果があるシダーウッドを使って建物を装飾しているとのことだった。
一通り館内を案内してもらうと奥の行き止まりまでやってきた。
女性がドアをノックすると、中からどうぞと声が聞こえる。
「院長はこの中にいらっしゃいます。」
他の仕事があるとのことで女性は一緒に入らず、もと来た道を戻っていった。
ありがとうございますと女性にお礼を言ってエスミはいよいよ院長と話せることにわくわくする。
「失礼します。」
ドアを開けて中に入り顔を上げるとあっと驚く。
「アレックス!?」
驚きすぎて声が上ずるエスミの目の前には今一番会いたくてしょうがないアレックスその人が立っていた。
思わず駆け寄り、淑やかさの欠片もない姿で抱き付く。抱き締められたアレックスの腕の力がうれしい。
自然と重なる唇は暖かく、口内に喜んでアレックスの舌を迎えた。
「エスミ、会いたかった。」
その一言だけで空虚だった1ヶ月が消え去る。私も会いたかった。と伝えたいのに口づけは止まること無く、そのまま背後のソファに寝かされる。
お互いの服をまさぐりあっという間に脱がせると肌と肌を合わせる。肌を合わせた瞬間とても懐かしい場所に還ってこれたような気分に涙が溢れる。流れ出た涙をアレックスの唇がそっと拭う。
アレックスの優しい仕草に更に泣きたくなり、エスミはアレックスをギュッと抱き締める。アレックスの背中の筋肉がエスミを受け入れるようにしなやかに動く。
ああ、私の還る場所はここだ。アレックスのいる場所こそエスミの居場所だと強く思うも声に出せない。せめて今だけでもアレックスの心を自分のことで占領したいと、以前、ニコラに教えてもらった殿方を喜ばせる方法を実戦してみることにした。
アレックスの背中に回していた手をほどき、片手だけ下ろすとそのままエスミとアレックスの間に挟まれてそそり立つ屹立をそっと握りしめる。
ピクリと屹立が動き、アレックスの目と目が合う。目を合わせたまま何度も握りしめた手を上へ下へ動かすと、まるで眩しいかのようにアレックスが目を細める。
「エスミ・・・」
アレックスから一言発せられたのをゴーサインと受け止め、更に強く握りしめ動かすスピードを早くする。
時おり苦しそうに漏らす声や堪えきれずに何度もピクリと動く腰を感じて、たぶんニコラが教えてくれた方法は間違ってないとエスミが自信をつけた時だった。
「エスミ、足を開いて」
アレックスに言われるがままに両足を開いてアレックスの腰の上で交差させる。屹立を掴んでいた手を外されると、先端が密壺の入り口にあてがわれるのを感じる。感じた瞬間、一気に最奥まで貫かれた。
「あぁ、アレックス!!」
懐かしいとも思える感覚に恍惚となりつつも会えなかった辛さからもっと欲しくなって自ら腰を動かす。
「エスミ、慌てないで・・・」
「だって・・・」
あなたを愛してるんだもの!もう何を求めてるのかわからなくなって泣きじゃくりながらも、アレックスのリズムに自分の動きを合わせる。唇を求めアレックスを引き寄せれば激しく吸い付かれ、お返しにアレックスの舌に吸い付く。
しばらく口づけを交わしていたが、ふとアレックスの唇が離れ胸の先端の硬い蕾に口づけが落とされるのを感じた。
蕾を吸われ、何度も繰り返される抽挿がエスミの胎に強い快楽を送り続けると、ついに溢れだした快楽がエスミを飲み込み、昇天に達した。
エスミがイったことに気づいたアレックスは更に抽挿を速め直ぐにエスミの後を追った。
アレックスの屹立がエスミの最奥に収められたまま、エスミの心にはけして口には出来ない思いが溢れんばかりだった。
ああ、アレックス!愛してる。愛してるの!この思いをアレックスに伝えたい。でもこんなこと伝えたらアレックスはきっとすぐさまエスミの前から逃げ出し二度と会うことはないだろう。愛してるのに悲しくて、アレックスの肩に顔を埋めながら涙が溢れてくる。
「エスミ、私も愛している。」
「ふぇっ?(えっ?)」
泣きそうになりながら、驚いて変な声が出てしまったけど、肩に埋めていた顔をはがし、アレックスの顔をひたと見つめる。
どうやらエスミは心で叫んでいたのではなく、実際、声に出して愛を告白していたらしい。
「アレックス・・・私も愛してる!」
今度は泣き笑いになりながらもう一度、愛してることを伝える。
「私たちは、一緒になるべきだ。」
「もう、なってるわ」
繋がったまま、泣きながらエスミはアレックスをもっと強く抱き締める。
「それもそうだけど。もっと、ちゃんと・・・私たちは結婚するべきだと思う。」
クスリと笑いながらアレックスはエスミが一番望んでいたことを告げてくる。あぁ、聞き間違いではないだろうか?
「ええ。ええ!私も結婚するべきだと思うわ!」
その後、この場で二回戦目が行われたかどうかは定かではないが、後日、アレックスはきちんと正装した格好でディシュパンダ男爵家を訪れて、正式にエスミにプロポーズをした。
もちろん、プロポーズはエスミ憧れの片膝をついて花束を掲げた姿で。
その姿を見て一番喜んだのは何を隠そうこの家で長年執事をしているマシューその人で、マシューはアレックスの両手を握りしめ、ずっと"ありがとう。ありがとう。"と念仏のように唱えていた。
マシューの毎朝の日課だったお祈りが天に届いて何よりである。
それからは結婚式に向けての準備が慌ただしく行われた。理由はなぜかと言えば、花嫁がお腹に稚児を授かったからだ。
最初から軽率に身を任せていた結果と言えばそうなのだが、アレックスとエスミの二人がこの結果に喜んだのは言うまでもない。普通であれば最低でも半年はかかる結婚式の準備を三ヶ月を切るスピードで終わらせて、二人は晴れて夫婦となった。
ひとり目の出産を皮切りに、その後、一年ごとに家族が増えて、最終的に五人目を出産後打ち切りとなった。
それでも夫婦生活は円満で、エスミ、ニコラ、ブリアンナの三人娘改め三夫人が揃う場所では今でも閨での経験談をシェアし合い、その日の夜にはそれぞれの夫に話をシェアし、夫婦の営みを楽しんだ。
結果としてエスミの軽率な行動が最愛のパートナーを引き寄せたので、めでたしめでたし。
ただし、最愛の妻との間にもうけた最愛の娘たちが軽率な行動をとらないように、アレックスはそう遠くない未来で目を光らせることになる。父親の苦労は絶えない。
………
最後までご拝読ありがとうございました!
軽率に身を任せて軽率にハッピーエンドを迎えたエスミとアレックスの物語はこれにて完了です。
もしかしたら今後、軽率シリーズとして(酷いネーミング。笑)ネタができれば娘たちの物語を展開するかもしれません。
see you soon again!! (^o^)/
背後ご注意くださいませ。
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深い眠りに落ちる前に、アレックスが額に口づけを落とし出て行く気配を感じたが、睡魔には勝てず見送ることが出来なかった。
その後、だいぶ日が昇ってから目を覚ましたエスミは夜の間に起こった出来事を思い出し、ひとりニヤニヤする。
さてそろそろ起きてブランチをいただこうかと起き出すと、ティーテーブルの上に見慣れぬ手紙が置いてあるのに気づく。
キレイに封蝋されている手紙を開けてみると、男らしい筆跡で、明らかにアレックスが書いたと思われる文字が綴ってあった。
『急な仕事ができて戻らなければいけなくなった。また会おう。A』
急な仕事か。
今日も会えると思っていたエスミは正直すごくがっかりしたことは言うまでもない。でも仕事であればしょうがないとも思う。ゴールデンドラゴンで何かあったのだろうか?
それよりも・・・ひとつ気がかりなことを思い浮かべる。
また会おうとは?
ただの逢瀬のことを意味しているのか、はたまたきちんとしたものなのか、この短い文章からはアレックスの本音は分かり兼ねた。
……...
数日後、都へ戻りまたいつも通りのエスミの退屈な日々がやってきた。
平日は貸本屋で仕事に励み、週に一度の休みの日は孤児院へ出かけて子どもたちにステキな物語を聞かせる。
なお、オールドリッジ公爵家から拝借してきた児童書は子どもたちに大人気で、特に古い本の方が人気があった。きっとアレックスが小さい頃に読んでいたのだろうと思うと、エスミの気持ちは少しだけ慰められた。
結局、一週間が経ってもアレックスからの音沙汰は無かった。
ちなみに侍女のマリーはあれから程無くしてオールドリッジ公爵家の御者と恋仲になり仲良くしているという。サリーは良い嫁のもらい先だと、気が早い話をしては喜んでいた。
二週間経っても相変わらずアレックスからの連絡は無く、かと言って女性であるエスミの方から手紙などを送るのはもっての他だったので、どうすることもできずにいた。本当に貴族社会は面倒くさい。
あの言葉はきっとただの社交辞令だったのだろうとため息をつきながらひとり、貸本屋の片隅のカウンターでできたてホヤホヤの新聞を眺めると無く眺める。
2、3ページめくると新しい孤児院ができたというニュースが目に入った。
そう言えば先日、父であるディシュパンダ男爵が町外れののどかな場所に孤児院が作られるようだと言っていたことを思い出す。
アレックスに手紙を書くことは出来ないけれど、孤児院になら書くことができる。そう思ったエスミは新しい孤児院で読み聞かせの仕事ができないか手紙をしたためることにした。
アレックスに会えない気持ちを少しでも紛らわせるために。
三週間が経ったある日、アレックスからの音沙汰は未だに無かったが、一通の手紙がエスミ宛に届いた。
先週、気晴らしを兼ねて手紙を送った新しい孤児院からの手紙だった。
手紙にはとても事務的ではあるけれど、ぜひ話を聞きたいので一度、孤児院にいらしてください。という、エスミにはなんともうれしい内容の知らせだった。
ぜひお話をしたい旨の内容をしたためて孤児院へ返信の手紙を送ることにした。
アレックスからの音沙汰が無いままちょうど1ヵ月が過ぎた。もう諦めた方が良いのか?その方が心が痛まずに済む話ではあるけれど踏ん切りがつかぬままだ。
それに今日は新しい孤児院へ話をしに行く日だから心が暗くなるようなことを思って塞ぎ混んでる場合では無いし。
「エスミお嬢さま、馬車が到着いたしましたよ。」
部屋で沈んでいたエスミにマシューがドア越しに声をかける。
ひとりでいるとどうしても心が沈んでしまう。いけない癖だと思いながら階下へ降りていくと、サリーがバスケットを持ってキッチンから出てくるのが見えた。お腹が空いたら困りますからね、とバスケットを手渡してくれる。
そっと蓋を開けてみると中にはエスミの大好きな料理がこれでもかと入っていた。
いったい何人分用意してくれたんだろう?と笑いながら訊ねれば、食べきれない分は孤児院へどうぞ、とその気遣いにうれしくなる。
「じゃあ、行ってくるわね。」
貸し馬車に乗り込むと、新しい孤児院『レインボーエンジェルスハウス』へ向かった。
………
孤児院へ到着すると、職員らしき年配の女性が現れた。普通のドレスを着ている。
てっきり教会の付随の孤児院だと勘違いしていたエスミは、シスターではない女性が現れて少しまごついた。
聞けば、女性はもと孤児で生きるために良いことも悪いことも全てしてきたと言う。もちろん、人を殺めること以外だ。
「ここはどういった経緯でお仕事を?」
「ここの院長と昔からの知り合いでね。この孤児院が作られる計画ができて直ぐに働かないか?って誘われたんですよ。」
にこやかに笑う女性が院長について少し話をしながら孤児院の中を案内してくれる。
シダーウッドの優しい匂いが院内に漂う。聞けば、癒し効果があるシダーウッドを使って建物を装飾しているとのことだった。
一通り館内を案内してもらうと奥の行き止まりまでやってきた。
女性がドアをノックすると、中からどうぞと声が聞こえる。
「院長はこの中にいらっしゃいます。」
他の仕事があるとのことで女性は一緒に入らず、もと来た道を戻っていった。
ありがとうございますと女性にお礼を言ってエスミはいよいよ院長と話せることにわくわくする。
「失礼します。」
ドアを開けて中に入り顔を上げるとあっと驚く。
「アレックス!?」
驚きすぎて声が上ずるエスミの目の前には今一番会いたくてしょうがないアレックスその人が立っていた。
思わず駆け寄り、淑やかさの欠片もない姿で抱き付く。抱き締められたアレックスの腕の力がうれしい。
自然と重なる唇は暖かく、口内に喜んでアレックスの舌を迎えた。
「エスミ、会いたかった。」
その一言だけで空虚だった1ヶ月が消え去る。私も会いたかった。と伝えたいのに口づけは止まること無く、そのまま背後のソファに寝かされる。
お互いの服をまさぐりあっという間に脱がせると肌と肌を合わせる。肌を合わせた瞬間とても懐かしい場所に還ってこれたような気分に涙が溢れる。流れ出た涙をアレックスの唇がそっと拭う。
アレックスの優しい仕草に更に泣きたくなり、エスミはアレックスをギュッと抱き締める。アレックスの背中の筋肉がエスミを受け入れるようにしなやかに動く。
ああ、私の還る場所はここだ。アレックスのいる場所こそエスミの居場所だと強く思うも声に出せない。せめて今だけでもアレックスの心を自分のことで占領したいと、以前、ニコラに教えてもらった殿方を喜ばせる方法を実戦してみることにした。
アレックスの背中に回していた手をほどき、片手だけ下ろすとそのままエスミとアレックスの間に挟まれてそそり立つ屹立をそっと握りしめる。
ピクリと屹立が動き、アレックスの目と目が合う。目を合わせたまま何度も握りしめた手を上へ下へ動かすと、まるで眩しいかのようにアレックスが目を細める。
「エスミ・・・」
アレックスから一言発せられたのをゴーサインと受け止め、更に強く握りしめ動かすスピードを早くする。
時おり苦しそうに漏らす声や堪えきれずに何度もピクリと動く腰を感じて、たぶんニコラが教えてくれた方法は間違ってないとエスミが自信をつけた時だった。
「エスミ、足を開いて」
アレックスに言われるがままに両足を開いてアレックスの腰の上で交差させる。屹立を掴んでいた手を外されると、先端が密壺の入り口にあてがわれるのを感じる。感じた瞬間、一気に最奥まで貫かれた。
「あぁ、アレックス!!」
懐かしいとも思える感覚に恍惚となりつつも会えなかった辛さからもっと欲しくなって自ら腰を動かす。
「エスミ、慌てないで・・・」
「だって・・・」
あなたを愛してるんだもの!もう何を求めてるのかわからなくなって泣きじゃくりながらも、アレックスのリズムに自分の動きを合わせる。唇を求めアレックスを引き寄せれば激しく吸い付かれ、お返しにアレックスの舌に吸い付く。
しばらく口づけを交わしていたが、ふとアレックスの唇が離れ胸の先端の硬い蕾に口づけが落とされるのを感じた。
蕾を吸われ、何度も繰り返される抽挿がエスミの胎に強い快楽を送り続けると、ついに溢れだした快楽がエスミを飲み込み、昇天に達した。
エスミがイったことに気づいたアレックスは更に抽挿を速め直ぐにエスミの後を追った。
アレックスの屹立がエスミの最奥に収められたまま、エスミの心にはけして口には出来ない思いが溢れんばかりだった。
ああ、アレックス!愛してる。愛してるの!この思いをアレックスに伝えたい。でもこんなこと伝えたらアレックスはきっとすぐさまエスミの前から逃げ出し二度と会うことはないだろう。愛してるのに悲しくて、アレックスの肩に顔を埋めながら涙が溢れてくる。
「エスミ、私も愛している。」
「ふぇっ?(えっ?)」
泣きそうになりながら、驚いて変な声が出てしまったけど、肩に埋めていた顔をはがし、アレックスの顔をひたと見つめる。
どうやらエスミは心で叫んでいたのではなく、実際、声に出して愛を告白していたらしい。
「アレックス・・・私も愛してる!」
今度は泣き笑いになりながらもう一度、愛してることを伝える。
「私たちは、一緒になるべきだ。」
「もう、なってるわ」
繋がったまま、泣きながらエスミはアレックスをもっと強く抱き締める。
「それもそうだけど。もっと、ちゃんと・・・私たちは結婚するべきだと思う。」
クスリと笑いながらアレックスはエスミが一番望んでいたことを告げてくる。あぁ、聞き間違いではないだろうか?
「ええ。ええ!私も結婚するべきだと思うわ!」
その後、この場で二回戦目が行われたかどうかは定かではないが、後日、アレックスはきちんと正装した格好でディシュパンダ男爵家を訪れて、正式にエスミにプロポーズをした。
もちろん、プロポーズはエスミ憧れの片膝をついて花束を掲げた姿で。
その姿を見て一番喜んだのは何を隠そうこの家で長年執事をしているマシューその人で、マシューはアレックスの両手を握りしめ、ずっと"ありがとう。ありがとう。"と念仏のように唱えていた。
マシューの毎朝の日課だったお祈りが天に届いて何よりである。
それからは結婚式に向けての準備が慌ただしく行われた。理由はなぜかと言えば、花嫁がお腹に稚児を授かったからだ。
最初から軽率に身を任せていた結果と言えばそうなのだが、アレックスとエスミの二人がこの結果に喜んだのは言うまでもない。普通であれば最低でも半年はかかる結婚式の準備を三ヶ月を切るスピードで終わらせて、二人は晴れて夫婦となった。
ひとり目の出産を皮切りに、その後、一年ごとに家族が増えて、最終的に五人目を出産後打ち切りとなった。
それでも夫婦生活は円満で、エスミ、ニコラ、ブリアンナの三人娘改め三夫人が揃う場所では今でも閨での経験談をシェアし合い、その日の夜にはそれぞれの夫に話をシェアし、夫婦の営みを楽しんだ。
結果としてエスミの軽率な行動が最愛のパートナーを引き寄せたので、めでたしめでたし。
ただし、最愛の妻との間にもうけた最愛の娘たちが軽率な行動をとらないように、アレックスはそう遠くない未来で目を光らせることになる。父親の苦労は絶えない。
………
最後までご拝読ありがとうございました!
軽率に身を任せて軽率にハッピーエンドを迎えたエスミとアレックスの物語はこれにて完了です。
もしかしたら今後、軽率シリーズとして(酷いネーミング。笑)ネタができれば娘たちの物語を展開するかもしれません。
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