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33マルセル・オルテュース
しおりを挟む今、何時だろう?
ふと目を覚ますとエタンがまだ私を抱いている。
「…ちっ、やりすぎたかぁ…?」
私の中に何度目かわからないくらい吐き出して、満足したのか服を着ていく。
いやと抵抗する気力もなくなった私に飽きてくれたんだろう。
髪を掴んで顔を向かせて、頬をベロリと舐められ。
「おい、レーナ。わかってんなぁ?これで終わりじゃねぇからなぁ?俺様が求めたら壊れるまで抱かせろよぉ?また来っからなぁ。そん時もお前を孕ませてやる。…俺様との子供が楽しみだなぁ?」
ピアスを片方取られて、その場で自分の片耳に付ける。
ははは!と高笑いして去っていくエタンの後ろ姿を、睨むことしか出来なかった。
お腹空いた?
ううん、もう起きる気力もない。
あんな奴に助けを求めた私がバカだった。
でもあの時はああするしかなかった。
みんなを助ける為ならこの身体を差し出す他なかったから。
あぁ、疲れたなぁ。早くみんなの所に戻らないと。
心配させてしまう。わかっているけど身体が、思う様に動かなかった。
身体が熱い。ずっと裸だったから熱が出ているのかもしれない。
「…あぁ、女神様…!目を覚ましましたか…?」
目を覚ますと、私を覗き込んで涙を流しているマルセルが側にいた。
「…ど…して…?」
声が掠れて出てこない。
「…カサト様から連絡がありました。こちらに来ているかもしれないからと…。ハルト様が転移したがっていましたが…大勢で押しかけてはいらぬ気苦労をかけてしまうからと…自重されて…」
痛々しいものを見るような目が、私の目にも涙を溜める。
「あぁ、お辛いですよね…女神様…。でも貴方のお陰で救われた命もあります…どうか笑顔を…このマルセルにお見せください…」
震える手が私の頬に触れる。恐る恐る撫でてくれる手はとても冷たく感じた。
額に置いてある布を取り、水につけてまた額を濡らす。
風邪を引いてしまったみたいに身体がダルくて熱い。
「…マルセル…ありがとう…」
「レーナ様…」
笑顔を向けて、マルセルの手を握る。
「…お願い…があるの…」
「はい!僕で良ければ何なりと!」
「…キスして…ほしい…少しでも…忘れたい…」
「…っ!」
マルセルの顔が真っ赤になっていく。
喉がゴクリと鳴って、一瞬迷った目に熱が籠もる。
「…僕で…よろしいのですか…?」
「…マルセルがいい…お願い…」
マルセルの弱みにつけこむ。私のお願いを断るわけないとわかっているから。
「…で、では…っ!」
意を決したマルセルの顔が近づいてくる。
かちゃっとメガネが顔に当たるのもお構いなしに唇を受け入れる。
切れた唇に温かい唇が当たって少し痛い。
「…っ」
「あぁ…大丈夫ですか…?切れて…血が…」
「ん…だいじょぶ…」
切れた唇を舌で舐めると、マルセルの喉がまた鳴る。
「…舐める?」
「ふぇっ!?な、舐め、え、え?」
「ごめん…嫌だったか…」
「ぃぃいえ!嫌じゃありません!むしろレーナ様が嫌では…?」
「…痛いのは嫌…でもマルセルは、優しくしてくれるでしょ…?」
ごくん。また唾を飲み込んで。
マルセルの舌が私の切れた唇をなぞっていく。
私の事を心配しながらだから、本当に優しくなぞってくれて。堪らず舌を出して絡めた。
「ふぁ…っレーナ…さま…っ」
拙く優しい舌遣いに何も考えられなくなる。
マルセルは私の癒やしだな。
「…ごめん…マルセル…このまま…もう一度寝かせて…?」
「んっ、ふぁい…レーナ様…愛しています……」
「ん…私も…」
私が眠るまで何度もキスしてくれた。
煽るだけ煽って、マルセルには申し訳ない事をしたけど。手を出してこない所を見ると私を気遣ってくれているのだとわかって安心できた。
*********
レーナ様がまた眠りに落ちた。
先程より健やかな表情で寝ているレーナ様に安堵する。
唇を許されただけの僕ではレーナ様を本当の意味で癒やして差し上げられない。
それが出来るのはカサト様ぐらいだろう。
ベッドに血だらけで倒れていた時は本当に驚いた。
藍雷がいなくるまで待っていたけど、あんなに続くと思っていなかった。
僕がレーナ様を満足させてあげられる日は来るのだろうか?
そう思いながら、横で寝ているレーナ様を想いながら自慰してしまう。
「…は…っレーナ…さま…っ」
レーナ様と繋がった自分の唇に触れながら、達してしまう僕をお許しください。
「…レーナ様…愛しています…」
寝ているレーナ様に口付けをした。
口が裂けても誰にも言えない。
血だらけのレーナ様。
何かの液体に塗れたレーナ様。
歯型だらけのレーナ様。
女性のあそこから、白濁した何かがとぷとぷと出てきて。指で掻き出して掃除した事。
赤く熟れたそこをまじまじと見てしまった事。
レーナ様の全てに興奮して何度も精を吐き出してしまった事。
貴方が誰に抱かれたとしても、僕が綺麗に戻してさしあげます。
僕の女神様。
誰に何をされても、僕は貴方を愛しています。
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