大量チートスキルをイマイチ使いこなせない勇者〜それは召喚に巻き込まれた私でした〜

MIILU

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38嫉妬

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話を一段落させ、夕食を用意してる途中で国王に呼ばれた緋色とブルードラゴンのメンバーが帰ってきた。

国王直々に感謝の言葉と報酬があったけれど、その報酬を街の再建に使ってくださいと断ってきた、と。

モンデセントには城があるので王家御用達の宿はなく、みんなでここに泊まるのはぎゅうぎゅうだったけど、仕方ない。城でおもてなしがあったそうだけど、それも断ってきたらしい。

テーブルと椅子を人数分用意し、布団は下にひこうという事で落ち着いた。

緋色たちにディグの事を紹介すると、ドラコが「そうか、君が」と納得していた。

緋色の肘攻撃に何とか耐え、ハルトとベルがエルフ語で何かを話していたり、ネージュは私の料理を手伝ってくれたりとわいわいしていたけれど、カサトは苦い顔で武器の手入れをしていた。

大丈夫だよ。

そんな顔しないで。

私が、惨めになってしまう。



「…玲奈?」

「ん?なぁに?」

「ううん、なんでもない」



緋色は私の異変に少し気づいている。努めて明るく振る舞う事で何も言わせないようにした。

誰も彼もが何を思わなくてもいいように。

今日の夕食はハンバーグとソーセージ、エビフライにポテトサラダのワンプレートお子様ランチ。コンソメスープ。希望者には目玉焼きを、と思っていたらみんな食べたいって。

私と緋色、カサトとネージュはお米。

あとのみんなはパン派。パンもいいけどやっぱりお米だよね。と話たらみんなお米に興味を持ってくれた。

食べると目が輝いて、おかわりを催促される。日本人として嬉しい。

ご飯後にデザートとして桃に似た果物、ペスラを剥く。

3日後にまたエタンに会う事を伝えると、空気が一瞬で通夜になってしまった。

大丈夫だよ。大丈夫だからと自分に言い聞かせる様にみんなにも言った。

何が大丈夫なんだろう?

そんな言葉は漠然としていて、みんな大丈夫だとは絶対に思っていない。

でもそう言わないとみんな納得してくれないでしょう?

私が、明るく、普通に、していないと。



「…みんな悪いけど、今日はレーナを俺にくれ」



ずっと黙っていたカサトが立ち上がって、私の手を取った。

眉間にシワを寄せて私を見下ろす。滲み出ている表情は、憐れみ?悔しさ?それとも絶望か、劣情か。

ニコリと笑ってカサトと共にアンブシュアの家に、私の部屋に飛んだ。





カサトを抱きしめるのはいつぶりだろうか。

カサトに抱きしめられるのはいつぶりだろうか。

靴を脱ぐ事も忘れ、ベッドへ押し倒される。

暗い室内では、月の光のみが頼り。

触れるだけの口づけは、開いた口の中を蹂躪する舌によって荒々しくなっていく。

貪られる口内は甘く、吐息も甘くなっていく。



「レーナ…レーナ…」



虚ろに呟きながら、丁寧に服を脱がせてくれる。

カサトの瞳には涙が流れていた。

仕方ない。仕方ないと自分に言い聞かせているのがひしひしと伝わってくる。

自分が弱いから。レーナの足を引っ張ってしまうからと自分を責めて。



「…カサト…愛してる…」

「レーナ…ッ…っ!」



私の頬が、首筋が、胸元がカサトの涙で濡れていく。

大丈夫、大丈夫だよ。カサトの気持ちは痛いほどわかるから。

頭を撫でてあげ、甘い痺れに声をあげる。

首筋を吸い上げられて痛みを感じても、それさえも気持ち良くなってしまう。

カサトは普段、キスマークを付けない。

胸の頂きを舐められ、噛まれ、吸われて、秘部から愛蜜が溢れてくる。

おへそ辺りを舐められ、また吸い上げられる。



「…痩せたな…」



くびれを撫であげ、下腹部に舌を這わせる。

茂みから突起まで舌が這う。

シーツを掴んで強い愛撫に何とか耐え、割れ目に舌を這わされて突起に指が触れると我慢出来ずにイってしまった。

太ももの付け根も吸い上げ、そのままつま先まで舌を這わせられた。



「…ぜ、全身舐められたぁ…っ」



息も絶え絶えに弛緩しているとカサトが身体を起こして私を見下ろした。

顔は逆光で見えない。



「全部俺のやからなぁ…?仕方ないやん…」

「…ふふっ、あんなにネージュに言ってたのに…?」



手を伸ばしてカサトを抱きしめる。

肩に埋まる、カサトの髪を撫でる。

お腹の辺りに固いモノがあたってる。



「…俺は、いいねん…俺は…。なぁ…このまま…二人で」

「だめ。カサトも大事だよ。だけど、みんなも同じくらい大事なの…だから…」



ぐっ、と短い悲鳴が聞こえた。



「私にみんなを守らせてほしい。お願い」

「…レーナのお願い…を、聞かへんわけに…いかんやろ…」



身体を起こし、私の両脚を広げて自身をあてがう。

まだ中は慣れていなかったけど、カサトのモノをゆっくりと受け入れた。

ずちゅっという卑猥な音と、カサトの息遣い。私の矯声が部屋中溢れる。

私を気遣っているのか、ゆっくりと挿入を繰り返す行為に段々と物足りなくなってきた。



「カサト…もっと…もっときてぇ…!」



もっとなんて初めて言った。

その言葉にタガが外れたのか、カサトは強く腰を打ち付け始めた。

乱暴にしてほしかったわけじゃないけれど、誰と身体を重ねても、すぐにカサトを思い出せるようにしてほしかった。



「気持ちいい…っいいよ…っカサトォ」

「レーナっレーナっ!」



奥を穿って熱を放つ。

短い悲鳴と共に身体が覆いかぶさってきて、私はカサトを抱きしめる。

私の背中にも腕が回って、カサトは眉を寄せながら唇を合わせてくれた。

お腹の中が温かい。カサトの愛を感じる。

みんなが私を愛してくれるから、私は頑張れるよ。



「レーナ…俺の子を一番に産んでくれ」

「…うん…ありがとう…」



感謝を述べると、カサトはやっと笑ってくれた。

私を一番愛してくれる人が、カサトで本当に良かった。





朝目覚めると、素っ裸のカサトに抱きしめられていた。

久しぶりの朝だ。

腕から逃れると、いつも気づく筈のカサトは寝入っていた。珍しい。

明るい日差しの元、自分の身体を見ると赤い点々が身体中に散らばっている。

嘘、こんなにつけてたの?

慌てて服を着て顔を洗い、階下に降りて朝食作りに勤しむ。

何かしていた方が何も考えなくて済むし。

えーと。自分も入れて13人分かな?

和食と洋食と。

あと何日か分の食事を作ってた方がいいよね。

無心で料理していると、玄関の扉が叩かれた。

手を洗って扉へ向かう。



「はーい?」

「あ!おはようございます!レーナ様♡」

「おはようございます!レーナお姉さま♡」



そこにはマルセルとエマがいた。

煙突からあがる煙と匂いに導かれてやって来たらしい。

せっかくなので朝食を勧めたら、嬉々として中に入ってきてくれた。

匂いに釣られたカサトが半裸で降りてきて、エマが悲鳴をあげる。

私は怒りながら服を造って纏わせた。

その間、抱きしめられ。額やこめかみ、頬に口づけて。最後は唇に口づけると二人も見ているのにと照れ隠しでカサトの顔を押す。



「続けてくださって構いませんわよ」



オホホと不自然な声を溢しながら、目の前の目玉焼きにナイフを滑らせた。



「向こうも起きてるかなー?」

「流石に起きてるやろ。こっちとあっちで分けて朝ごはん…は無理やろなぁ…。みんなレーナのとこ来たがるやろから」



果たして。

カサトの言った通りになってしまった。

テーブルと椅子は10人分しかないから、何人かはソファ側で食べる事になった。

ワイワイガヤガヤと騒がしくて、何だか心が救われる。

案の定ネージュは私を離してくれず、久々にあーんして食べさせなければならない事になった。

転移魔法に驚いていたディグが、仕事があるから宿に送ってほしいと言われたので私が送って行くことにした。

泊まっていた宿の大部屋へ飛ぶ。



「レーナお姉さん、やっぱり凄い人だったんだね!僕も、お姉さんの役に立てるように頑張るから!」

「うん…。私を強くしてくれるのは、みんなの想いだから。だから私も頑張るよ!」



向かい合い両手を握って上下に振ると、名残惜しそうに離れた手を振り笑顔で大部屋を出て行った。

口にして自覚した。

みんなの想いが私を強くしてくれる。

だから私は頑張れる!



「遅かったやん」



カサトの嫉妬だって、難なく受け入れられるよ。



「ありがと、カサト」



人目も憚らず抱きしめると、後ろからネージュに抱きしめられる。



「カサトばっかり、ずるい!」

「そうですね。私も少々妬けてきました」

「おい、皆見ているぞ」

「あわわわ…女神さまぁ」



こんな穏やかな日常が続けばいいのに。

そんな私のささやかな願いは、いつになったら叶えられるのだろうか。

そう遠くない未来にやってくるとは、この時の私は思ってもみなかった。
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