前世から続く底辺転生者の這い上がり〜転生してもハズレスキルでまた底辺に〜

赤井水

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青年期

3章2話

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俺達は朝イチからとある、真新しい建物に来ていた。

教官室へと向かい。
担当官と挨拶をする。

「おはよう。Bランクパーティー《黒銀の殲滅者》のアロウだ」
「リール」「ヤミです!」

「おぉ、初めまして。Cランク冒険者だった教官のダストだ。よろしく」

そう挨拶を交わした。

「最初は普段どんな勉強をしているか見させてもらってから動くよ」

「それじゃあ頼む」

俺達は時間になるまで待機した後教室へと向かいこれから1週間教官をする事になった事を生徒達に説明する。
かなりザワついていた。
そりゃこれから冒険者を目指す連中にはBランクは雲の上の存在だからな。

それで午前の授業がそのまま始まったので。
俺達は教室の後ろで見学をするが愕然とした。

それは識字率の低さ故か読み聞かせだから全く集中出来ておらず寝ている奴まで居る。

こりゃダメだと思う。

俺は2人に合図を送り。
3人で殺気を放つ。

すると、何故かいの一番に教官のダストが顔を真っ青にして狼狽えている。

寝てた奴らも全員起きたらしい。
ビクついてる。

「あのう、アロウさん。何か問題でも?」

「教官、今貴方が聞かせている事は冒険者になったら必要な事か?」

俺は唐突にダストに尋ねた。

「そりゃ知らなきゃ死にますよ」

意図は分からずともはっきりとダストは答えた。

「と、言うわけで今寝てた奴は、理解できてない奴は死んだ訳だ」

そう今ダストが話していたのは魔物の特徴だった。
しかも最低限のマナー含みで

その後はビクビクしながらも教官も生徒も授業を受けていた。

昼の時間になり教官室へと向かうとダストが質問をしてくる。

「自分の授業はどうでした?」

俺は素直に感想を言った。
「んー、話している事は俺らみたいな知ってる人からすればわかりやすいけど。
知らない子達からすると想像するのが難しいかも。
自分の体験を混ぜながら教える方が上手く行くと思う」

ダストは教官に抜擢されるだけあって真面目な奴の様だ。
メモをしっかり取っている。

「なるほど、午後からはどうしますか?
私は武術で魔術の教官は今日は居なくてどうしようかと思っていたんです」

俺はヤミを見て
「初級は全部使えるよな?」

「もちろんだよ!私に任せて!」

「ヤミが見るよ俺はどちらも行き来する事にする。
リールはダストと共に武器系統を教えてあげて」

「わかった」


「え?アロウさんがしてくれるんじゃないですか?」
ダストは驚いているがこれが適任だ。

「剣の実力じゃ俺なんかより数段上だぞ?リールはギルドマスターに、天才と言わしめた冒険者だ」

そう聞くと俺とリールを何度も見た後

「そ、そうなんですね失礼しました」

そう言うのが精一杯だった様だ。

「くるしゅうない。フンスっ」
とリールが張り切っていた。

空回りしなきゃ良いなぁなんて思っていた。

俺達3人も昼休みを食べ、午後の授業に備えるのであった。

午後の授業の最初はヤミと、共に魔術の方に来ていた。

俺は『魔力感知』を使い。
目の前にいる生徒の魔力量を探る。

うーんかなりバラツキがあるな。

魔力を上手く扱えて無い奴も、居るようだ。
魔力には扱いやすい方向がある人間で言う利き手と同じだ。
普通は感覚で分かるのだがたまに魔力のゴリ押しで魔力を扱ってる奴が居るのだ。

俺はヤミにとりあえず魔術の基本の身体強化を、全員にかけて貰った。
そこで向きが逆の奴をアドバイスしていく。

するとかなりやりやすい様で生徒からは感謝された。

魔力の向きを、全員理解した所で。
初級魔術を使って貰う。

ここは慣れと、鍛錬の差がモロにでる。
初級魔術自体は、術式も簡単で組む事さえ出来れば簡単に発動出来るからだ。

俺は術式を、上手く扱えない生徒は集めて各自それぞれ扱えない魔術の属性を聞いて術式を紙に書いて。
指でなぞらせた。

5分もすると覚えたのだろう術式のイメージが固まった事により先程よりしっかり魔術が扱えているので。
後は鍛錬のみだ。

俺はその場を、ヤミに任せて武術の方へと来た。
リールは模擬戦形式にした様だ。
斬りかかってくる生徒に対してカウンターで剣を弾きアドバイスをしている。

ダストは槍使いに対して握り方等を教えている。

「教官すみません」
俺に話しかけてくる男の子が居た。

「ん?どうした」
「いつも僕は教えて貰える教官が居ないのでどうしたら良いかと思って」

それを聞いて俺は天を見上げた。

「リール、ダスト集合」
俺は2人に集合をかけた。
「アロウ君どうした?」
「ん?何?」

「いや、この子達全員に教えてないのか?」
俺は質問する。

「俺達には専門武器があるから他の武器職は教えるって言っても無理があるよ」
とダストが言うので。

「生徒達に剣志望と槍志望、盾志望各自武器別に別れてくれ」
と俺は武器別に別れた生徒達にを1人ずつ選び班分けした。

「ダストとリールと俺で班1つ相手にする。実践形式で模擬戦をする。
それが終わったら班ごとに話して動きを確認するこれを繰り返すぞ」

そう伝えて模擬戦を始める。
最初はオドオドしていた生徒達だったがだんだん動きが良くなっていくのが分かる。

「盾は教官の攻撃を受け流して隙を作って!」
等話をしながら攻撃を仕掛けてくる生徒達。

俺はスピードで翻弄しながら生徒達と模擬戦をする。
リールは近接でゴリ押し
ダストは槍で中長距離からの変則攻撃
3者3様の相手への対応を学んでいく生徒達。

班事に相手を変えて動く事によって効率化していく。

2周目の俺の相手は最初よりかなり動きが洗練されていた。

各班を2周を相手にした所で今日の授業は終わりを告げた。
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