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学園編
36話
俺が教室に入ると皆、俺を幽霊を見たみたいに驚き始めた。
「ケ!ケビン!大丈夫なの? 死なないよね? まだ教わってないこと沢山あるんだよ」
と肩を掴みガンガン振るのはコレットだ。
「コレッーーット、ま、ーー待った」
周りを見るも気の毒そうに誰も止めてくれない。
そんな時、緑の髪色の女の子がコレットを止めてくれた。
「コレットちゃん!ケビン君話せないよ?」
「は!? ごめんねケビン!」
「た、助かったありがとう。君は?」
ニッコリ笑う緑色の彼女は
「私はねサイネ・マルロイドよ!よろしくね?」
「よろしくなサイネ!ん? マルロイド?」
ニッコリ笑い握手をするサイネが
「うん!マルロイド商会は私の実家だよ!」
マルロイド商会は帝都五指と呼ばれる程の大商会だ。
という事は彼女は頭脳タイプの可能性もあるな。
「へぇ、将来の夢は?」
「商人何だけどねぇ割り込めなくて困ってるんだよね。
このまま行くとパパ達と戦えないから他の都市に移るか行商人になるかだね」
「ふーんそうなんだ。まぁ行商人は辛いからオススメはしないなぁ。
まぁ最初の投資金が多いから大変だし借金背負ってたら商店主が女の場合何が何でも返せないようにされるのが落ちだからな」
コレットが凄く睨んでる。
「ケビン? ま、まさか!」
ニヤリと笑い
「さーて皆聞いてくれ。俺は今まで理不尽に責められ公爵家令嬢から話しかけられるだけなのに差別されてきた」
ザワザワしてたのが一気にシーンと静まり返った。
「そしてここに居る皆には謝らないといけない事がある」
そんな時、コレットが俺の袖を掴む。
「ホントに伝えるの?」
俺は無言で頷いた。
「俺は貴族になりたくなくて特殊試験者という制度を使って貴族枠を平民枠に特別に塗り替えて入学した。
小さい頃から貴族になりたくないし兄が当主になる事が決まっていたから
どの道、貴族として扱われる意味が無いからパーティーにも出てなかった。
この学園のほとんどの貴族子息令嬢達が俺を知らない。俺はクロス伯爵家の次男だ」
ポカーンと口を開けて皆すげーいい表情をする。
「この間の事件で俺は冤罪を被った。俺はこの国の選民思想が気に入らない。
初代皇帝は民あっての貴族との言葉を丸無視して喧嘩を売っているアイツらにだ!」
誰かが息を飲む音がハッキリと聞こえた。
「先程、伯爵家当主アレクサンダー・クロスに宣言してきた。
貴族にはならないし俺はこれから自重しない。
俺が持つ知識は膨大だが……自分ではする気が無い」
「「「「「は?」」」」」
クラスの一体感が素晴らしい。
「俺が好きなのはあくまで知識と魔法の探求のみで膨大な量の知識を持ってても宝の持ち腐れだ。
俺にできる事は知識を使って君達が望む答えを出すだけだ。
もし知りたい奴が居るなら俺に何でも聞け!」
そこでサイネが手を挙げた。
「はいはーい!新しい商人としての道が知りたいです!」
「ん? 良いぞ? でもここでは言えない」
「え? どーして?」
サイネは口に指を当てて首を傾げてる。
サイネはあざといなー、なんて思いつつも答えてやる。
「じゃあ聞くぞ? 商人にとって情報とは?」
「そりゃ宝よ!利益を最大に、損失を最小にする為のあ、」
俺はニヤリと笑い
「そうだ、ここで話したら儲け話が噂話になって前に進めなくなるぞ?
サイネ達商人志望には有力な情報を前渡ししとこうか。俺は既に商業ギルドで"契約"してる」
目を見開く何人か、契約と言えば保証契約の事だ。
知ってるのは商人かはたまた生産職の特殊技術を持つ人だけだ。
「の、乗った!1番乗り!予約だからね!絶対離さないからねサイネが1番だよ!」
「おおう!?」
興奮して飛びついて来て俺を離さない様にがっちりとホールドしてくるサイネ。
うちの子達とはまた違った圧力があるなサイネは。
「そう言えば。何で皆算術で計算機使わないんだ?」
「高くて買えねーよ……商人の次男や三男は死に物狂いでここに入って
いい所に就職する為に学園に来るんだ」
苦々しい表情で1人の男子生徒が答えてくれた。
「うーんこういう言い方は好きじゃないんだが銀貨1枚ってそんなに高いか?」
「貴族の坊ちゃんに何が「いや1度買ったらずっと使えるのに高いか?」え? どうやって計算すれば?」
「いや、簡単だろうさ。一月は何日だ?」
「30日」
「それじゃ1年は何月だ?」
「12」
皆、わかることだとハッキリと答えるんだーね。すばらです!
「12×30=360日が1年だそれを銀貨1枚は1万カルだから27カル位かな?」
俺は年間の日付の計算は出来ても1万カルを割るのは無理だったので机の中にあった紙で適当に計算する。
「それで、1年なら27カル2年なら?割り切れないから便宜上14カルにしておこうか」
小数点の概念ないしな。
「この学園で使うなら4年だ。4年なら1日7カルで計算機は使えるとも言える。高いか?」
皆ブンブン首を振ってる。
これはちょっと教える事も面白いかもしれない。
俺はクラスの人数を数える。
28人か……あれ? 2人居なくね?
あ、自分含めて29人か。
「なぁ? コレットいつの間にか1人クラスメイト居なくなってない?」
コレットはヘラヘラしだした。どーしたよ?
「うん……あの子はちょっとね」
サイネが皆の顔を見てハッキリと答えた。
「貴族子息様に売り込みかけて卒業してちゃった!」
「はぁ? 同い年の?」
「ううん。確か4つ上の人だったかな?」
「へーそれはおめでとうと言っていいのか、終わったなって良いのか判断つかないな?
まぁ、残念だけど仕方ないか。ここでクラスメイトには宣言するぞ!」
皆しっかりと俺の顔を見てるな。
「俺は身分を気にしない。
気にする奴が居るならギルド登録して上のランクになれ。
そして教えることはするが、厳しくもする。
正直才能が無いならダメともハッキリと言うだろう。
でもそれでも悔しいしやりたいなら言えば諦めさせる事はしない。
でもそれで伸びなくても文句は言わせないからな?」
皆ウンウンと頷く。
「そういえばそれでどうやって知識の受け渡しするの?」
「あ!それはな。部活作ろうかな? ってダメならクランを作る」
「は? ひょえ?」
良い顔するぜサイネ!
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