変人奇人喜んで!!貴族転生〜面倒な貴族にはなりたくない!〜

赤井水

文字の大きさ
61 / 296
学園編

60話

sideハビス

  私はローブを被り人知れず路地裏に転移をしてきましたが

「この国は変わりませんねぇ。綺麗な部分を他国に見せ、汚い部分を裏に隠すのはお手の物ですか……」

  私は路地裏で欲望のまま暴れているヤンチャな獣を後ろから項を短剣で刺した。
  この国の至る所でこんな事が起きているのは知ってましたがこれ程有事になれば酷くなるとは思いもしませんでした。

  既に光無く虚ろな目で涙を流す者を見てその瞳には絶望しか無く自ら舌を噛みきったのが分かる苦痛な表情を見て私の心は荒む。

  瞼を閉じ、マジックボックスに入れ。

「お坊ちゃまには申し訳ないですが少し……掃除をして行きましょう」

  この国の地理は昔訪れた時から変わってない。
綺麗な建物を大通りに毎年莫大な費用を掛けて修繕し裏通りや奥まった建物は木製だったり酷くボロボロな石製だったりする。

  屋根の上に転移して走り抜き、隣の裏路地付近に転移してそれの繰り返し。
  数度の凶行を目の当たりにして短剣をその度に振るう。

   助けた子供達を集め、マジックボックスからお金を取り出し配る。

「ここで私に助けられた事は秘密ですよ?帝国のクロス領までこの騒動が終わったら来なさい。
皇国にも一応、冒険者ギルドの出張所がある筈です。
クロス領に行きたいと依頼を出しなさい。

そうですね……1ヶ月連絡が無ければこちらから迎えに行きましょう。
来たくなければそのままそのお金は使えばよろしいでしょう
ではこの後は厄介な予定がございますので失礼致します」

  子供達は真剣な表情をしてこちらの話を聞いて頷いていました。
ふふふ可愛い者ですね。実は私はケビン様に秘密にしている事がございます。

  昔はクロス家の諜報部隊に居た為に、実は常に魔法や魔道具で変装をしています。
  最近ではそろそろ変装に歳や見た目が追い付きそうですけどね。

  ご当主様、いやアレクサンダー様が私を苦手にしている理由はアレクサンダー様が成人なさる前からこの姿だからです。

  あれから既に25年位経ちました。
よく『化け物爺さん』や『怪物、妖怪』と言われ折檻しておりましたからね。

  たまにそんな同じ様な表情を浮かべるケビン様が私は可愛くてしょうがありません。
カレーの為ではございませんよ?

  人生も味も刺激的な方が好きですけどね?
そんな思い出を思い出しつつも行動しなければなりませんので

  子供達へ一礼し、上空に転移し滞空するとすぐにお客様は現れました。

「それではお初にお目にかかります。クロス伯爵家筆頭執事ハビス参ります」

  私は一礼来客者に告げるとお客様はそのまま突撃来てきました。
  黒い人型の者はすぐに戦闘態勢に入り、人の嫌悪感や忌避感を感じるヘドロの様な物を私に打ち出して来ました。

「ふむふむ?これは汚れそうですね?」

  私は転移で相手の背後を取り攻撃を避けた上で短剣を項に刺しこもうとするも弾かれてしまいます。

「随分とお硬いですね?ならこれでどうでしょうか?『ライトニングボルト』」

  雷の上級魔法を使用するも多少のダメージを受けるだけですか……
  私の得意分野は針でチクッと刺して感電死が得意なんですけどねぇ。

  色々な方向から紫の閃光やら炎が見え始めました。
黒い人型悪魔はそれに気付きそちらに先程までとは比べ物にならないヘドロの弾を放出します。

「おやおや?貴方の御相手は私ですよ?『空間遮断』」

  私は悪魔の魔法?の目の前に不可視の壁を作りそれが目の前で弾ける。
  この魔法は出来れば使いたくなかったのですが……

『空間遮断』はが当時の暗部に教え、帝国の適性のある諜報部隊は全員教えこまれる物です。

 守るべき主に対しての攻撃を後ろに絶対的魔法です。

「グギャアアアア!?」

  悪魔はまさかと言った声を出していてとても滑稽でした。

「おやおや?貴方も自分の攻撃が効くのですか?
これは私が与えた傷より効いてますね?お恥ずかしい」

  私は転移を繰り返し悪魔を包囲しつつ円球状に攻撃を浴びせます。

  そんな中、紫色の閃光と一筋の光が結界にぶつかり、皇国の外側に位置する結界が激しい明滅を繰り返します。

「あの方角はハンナ嬢ですか……あの方は剣を使い切ってしまうとは修行が足りませんね」

  私も早く決着を着けなければと魔力を纏わせると勝手に武器に紫の炎が付与され
  その炎は悪魔に効いてる様子でした。

「これは盲点でしたね。これを最初から使って居れば簡単に事が済みましたね」

  そう思い悪魔の目の前に姿を現すとバカの1つ覚えのようにヘドロを打ち出して来ました。

「知性なき獣の誘導は簡単過ぎて笑えませんね?
殺気と嫌悪感だけでは人は強欲なのです。
止まりませんよ?それでは安らかにお眠りなさい『断裂』」

  無詠唱で転移をして、この技は普段使わず更には強力過ぎて確殺になってしまい尚且つ制御が甘いので詠唱をします。

  悪魔は最後まで単純思考で楽な討伐になりました。
塵になり始めているので他の人の所まで向かおうとすると

『殺してくれてありがとう……これでようやく皆に会える』

「ッ!!?」

  私は驚いて後ろを振り向くと可憐な少女、それもエルフ族でした。

  私もキチッと背筋を伸ばし一礼し

「そうですか。貴方様が必死に抑え込んでいたおかげでこちらは楽が出来ました。
皆様に会えるとよろしいですね?
行ってらっしゃいませ」

  そう伝えると少女はニッコリ笑って消えて行った。

「加担していたのか捕らえられたのかは分かりませんが来世では末永く天寿をまっとう出来る事をお祈り申し上げます。

本当に人の欲は深いですな」

その瞬間に轟音が鳴り響く

「これはアレクサンダー様ですな?全く羽目を外し過ぎですよ?」

  心の中でどんな説教をしてやろうか?とほくそ笑み胸ポケットからモノクルを取り出し掛け。


「さて迎えに行きましょうか」


そう転移するのであった。

感想 74

あなたにおすすめの小説

英雄将軍の隠し子は、軍学校で『普通』に暮らしたい。~でも前世の戦術知識がチートすぎて、気付けば帝国の影の支配者になっていました~

ヒミヤデリュージョン
ファンタジー
帝国辺境でただ静かに生き延びたいだけの少年・ヴァン。 彼に正義感はない。あるのは、母が遺したノートに記された、物理法則を応用した「高圧魔力」の理論と、徹底した費用対効果至上主義だけだ。 敵国三千の精鋭が灰燼城に迫る絶望的状況。ヴァンは剣を振るわず、心理戦と補給線攪乱だけで、たった三日で敵軍を撤退させる。 この効率的すぎる勝利は帝国の中枢に届き、彼は最高峰の帝国軍事学院への招待状を手に入れる。 「英雄になりたいわけじゃない。ただ、母の死の真相と父の秘密を知るため、生き残らなきゃならないだけだ」 無口最強の仮面メイド・シンカク、命を取引に差し出した狼耳少女・アイリ。彼は常にコスパの高い道を選び、母の遺したノートの謎、そして生まれて一度も会ったことのない父・帝国大元帥のいる帝都の闇へと踏み込んでいく。 正義も英雄も、損をするなら意味がない。合理主義が英雄譚を侵食していく、反英雄ミリタリー学園ファンタジー。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします

雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました! (書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です) 壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。

悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます

竹桜
ファンタジー
 ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。  そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。  そして、ヒロインは4人いる。  ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。  エンドのルートしては六種類ある。  バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。  残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。  大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。  そして、主人公は不幸にも死んでしまった。    次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。  だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。  主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。  そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。  

アーティファクトコレクター -異世界と転生とお宝と-

一星
ファンタジー
至って普通のサラリーマン、松平善は車に跳ねられ死んでしまう。気が付くとそこはダンジョンの中。しかも体は子供になっている!? スキル? ステータス? なんだそれ。ゲームの様な仕組みがある異世界で生き返ったは良いが、こんな状況むごいよ神様。 ダンジョン攻略をしたり、ゴブリンたちを支配したり、戦争に参加したり、鳩を愛でたりする物語です。 基本ゆったり進行で話が進みます。 四章後半ごろから主人公無双が多くなり、その後は人間では最強になります。

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~

ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。 コイツは何かがおかしい。 本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。 目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。