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世界樹を救え?
239話
しおりを挟むケビンが冥界の門を開けその中に邪龍賢者を共に消えた瞬間
世界で何かしらの痛みを体や心が訴えた者達が居た。
痛みや違和感には強弱があり、人によってはかなり精神的に揺れ動き騒ぐ者も居た。
それを空高く空中で眺めていた龍神はため息をつく。
『異界渡りの代償は世界に衝撃を与えるのだぞ? 小僧よ。
まぁ、死神が戻すとは思うが神の規定通りなら小僧は戻ってこれるか?』
そんな呟きが聞こえていたのは双子の黒子と琥珀だけだった。
2人は石像にでもなったかのようにケビンが消えた場所に立っていた。
関わりが薄かった者達はケビンのことなど忘れ勝ったことに歓声を上げていた。
その様子を見て困惑しているのは同じ異界渡りをしている理から外れた存在の召喚者達であった。
「え? ケビンさんはどこに行った?」
「なんでエルフ族の人達は水仙国王と他の人達に感謝していてケビンさんを探さないんだ?」
剣聖の多田はあの超絶洗練された剣技を持つ女性が大声を上げて泣いているのを見ていた。
そして1つの都市伝説を思い出していた。
「なぁ? 俺らの世界でも神隠しにあった人の記憶が消えるとか異常に忘れっぽくなるって無かったか?」
「「「あ!!」」」
召喚勇者達の故郷日本では、神隠しに合ってる人が短い感覚で戻って来て初めて自分がその人を忘れていたと気付いたや
関わりが深かった故に忘れずに居て、周りの反応に困惑するということがあったとネット掲示板に独白として書いてあったりして
ピックアップされて色々な人の目に入ることがあったことを思い出していた。
そんな彼らの話を聞いていたのがタビだった。
「申し訳ございません。今の話を中心メンバーを集めますので教えて貰ってもよろしいでしょうか?」
タビは物凄く動揺してる様で視線があちこち動いていた。
そして数分後、今回の戦闘の中心メンバー達が集まりその話をすると全員が納得したようなしてないような微妙な空気になった。
そこに降り立ったのが人型になった龍神だった。
『異界渡りの代償は元々同じ場所に住んでいたり暮らしていた人達への救済なのだ。
召喚勇者達の世界では変質は起きずともこの世界ではどうだ?
世界によって強弱があるのはそれだけ人という種が固まっておらず不安定なためだ。
地球には人間種という知的生命体が1種しか居ないが為に軽いのだ。
魔力が心に直結する力な以上、どうすることも出来ない。
あとは奴が試練を乗り越え戻って来ることを祈れ
む? 全員戦闘配備!!』
龍神が急に空を見上げたと思ったら大声で全員に警戒を促した。
すると空が割れた……何故か双子は楽しそうに笑っていたが。
ふとネロが言葉を漏らす。
「ありゃケビンの魔力だな……あいつまた1人で戦ってんのか?
帰ってきたらここに居る全員で説教しません?」
「「「「「賛成!! 」」」」」
「従者として恥ずかしいですよ……毎回置いてかれるのですからね」
タビがそういい暗い笑みを浮かべて笑う。
「私は婚期も全て置いてかれましたよ!!」
全員がそれはケビンのせいじゃ……とは思ったが黙っていた。
多田が1人『えっ? いい人居ないの!?』と驚き後鳥羽に頭を叩かれていた。
そんな時に『スゴゴゴゴ』と嫌な感覚と轟音が鳴り響く。
『む? 邪龍が目覚めたか? マズイのう?
未だにあんなことを根に持つとは小さいやつだな』
そう言う龍神の呟きに反応したのは近くに居たトアだった。
「龍神様? 邪龍と何か揉め事でも?」
トアを孫娘の様に可愛がり優遇している龍神は目尻を下げニコニコと答える。
『む? 数万年前に我と彼奴同時に仮初の体に魂を入れて悪しき者達を殲滅したんだ。
その時に悪しき者達を集めた原因の果実を食いつくそうと思いたってな?
我達は食べ、それを眷属にも与えたのだ。
最後の1つをさっさと食べたことに激怒しおってな』
「ギルティです!」
その話を聞いたトアの評価は全員一致していた。
いや数万年前の神同士の喧嘩を現代まで引っ張って来るなよ……と。
『そんなことを言ってる暇は無いみたいだぞ?
この隕石の初期破壊は我がやろう、その後の掃除は頼んだぞ!』
そう言うと龍神は跳躍して龍になり空高く飛んで行った。
「ふふふ、ケビンが戻ってきたらしばく同盟でも作ろうか?
最高のカレーの作り方とやらをまだ教えて貰ってないからな!」
そう水仙国王が言うと全員が笑みを浮かべて
「「「「「賛成!締結!」」」」」
そしてカロンが恐ろしいことを1つ言う。
「じゃあこれが終わったら龍神様とやらもまずはお仕置しましょうねぇ」
そこに会話に念話で入ってきた者達が居た。
双子だ。
『やる!』『龍のおじちゃん』
『『ケビンに迷惑ばかりかけてるもの!』』
1人その場で縮こまっていたのはレンカだった。
心の中で冥福をお祈りする。
こんな化け物達に万全の体制で狙われるあいつに帰って来れる奇跡と生き残れる奇跡を願う。
肩に乗る狐達は尻尾を丸め獰猛な笑みを浮かべる猛者達におびえているのであった。
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