聖女は記憶の残滓に恋焦がれる ~男体化してしまった聖女の妹が私を汚そうとするんですが誰か助けてください~

なのの

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5.妹との関係

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 今や面影すらない妹こと、ウィルバートはふてくされていた。
 客間で枕を濡らしているのかと思えば、珍しく書物を読み漁っている。

「ウィルバートさん、何調べてるの?」
「お、お姉様!?」
「家なら良いけど外ではエリアナと呼びなさよ、そんな大きな男の弟を持った覚えはないわ」
「そうですわね」

 本家の人間に対してさんづけと言うのもどうかと思ったけど、まぁいいでしょう。
 それで妹が読んでいた本のタイトルをみて、何を知りたいのか薄々分かった。

「あなた、男性器は見た事なかったのね。そういえばウィリアムのおむつ替えなんてないものね」
「いくら姉弟とは言え、貴族の令嬢はそんな事しませんわ」
「それで困ってるのだから笑える話よね。まぁ悲観してないならいいわ」

 まぁ、てっきり殿下とそこまで進展しているのかと心配したけど、一線は超えてないようで安心かな。

「ところで、今夜、クリストン男爵のお屋敷で舞踏会があるのですが、お姉様、踊れるんですよね?」
「人並みにはできるわよ」

 知識レベルでは。

「それと、明後日、休息日は毎週恒例の大聖堂でお祈りする日ですから忘れなく。力が出なくても体調が悪いと言えば誤魔化せるでしょ、でも、いつまでも真の聖女の私が不在だと教会も困る事になるでしょうから折を見て状況を説明すれば教会も協力するに違いありません。せいぜいお姉様がクズである事を立証してきてくださいな」

 妹は優秀で、姉は無能。
 それが世間一般でのサザーランド公爵家の評価。
 慣れてるけどね。
 でも、妹から直接言われると少々腹が立つ。
 やりたくて成り代わりをしているんじゃないんですよ。

「それとも、お姉様に私の代わりが務まるとでも思ってらっしゃるの?そんな無駄な足掻きをする前に、呪いを解く事ね!」

「その呪いに関わるなってお父様から言われた所ですよ」

「なっ・・・」

 ギリッという歯ぎしりの音が舌かと思えば私を睨む。

「出て行ってよ!」

「はいはい、いい加減、女口調止めた方がいいわよ」


 それにしても今日は舞踏会かぁ、面倒だなぁ、休みたいなぁ・・・。
 でも、呪った本人からすれば成果がでているか確認したいところで、私が休めば男体化の噂を一気に広めるでしょう。
 つまり、今日の舞踏会で本人がその手先が現れる可能性が非常に高い。

 呪いについて調べて分かった事があった。
 今回みたいな高レベルの呪いは魔女にとっても負担が大きいらしく、魔女一人につき10年に1回という制限があるらしい。
 更に1人が受けれる呪いは1つのみで、例えば今の妹の状態であれば、今の呪いが他の呪いを全て跳ねのけてしまう。
 ただ、強い方の呪いが勝っちゃうって事だから、上書きされる可能性はある。
 どのみち、呪いって名前を指定した上で姿をイメージする必要があるからアリアナとして表舞台に出る私には利かないのよね。

 と言う訳で、面倒だけど舞踏会の準備しますか。
 ただねぇ、エスコート役はジェイミー殿下ですからね。
 また会わないといけないって言うのがちょっとね・・・。
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