聖女は記憶の残滓に恋焦がれる ~男体化してしまった聖女の妹が私を汚そうとするんですが誰か助けてください~

なのの

文字の大きさ
19 / 51

16.魔女とお友達

しおりを挟む
 仮面舞踏会から無事に屋敷に帰って来た私はとんでもない失態をしでした。
 馬車から降りるときにウィルターが手を差し伸ばしてくれた事に機嫌を良くして馬車から降りたものの、足元がまだ覚束なくてそこから2歩歩いた程度で転んでしまった。
 そこで、スカートがめくれてしまった。
 問題は、侯爵に下着を奪われたままで何も履いてなかった事。
 周りは暗く、恐らく何も見えていないと思うのだけど、ウィルターが動揺していた事から何かは見えたのだと思う。
 そういう訳で、私は嫁に行けないと言って塞ぎ続けてしまっていた。

 ちなみに、父は侯爵から招待状が来た事をウィルバートに教えなかった模様。
 今回は警戒損って感じになってしまった。
 ドジっ子ですか私は・・・。

「そろそろ、やっちゃおうかな」

 半ば自暴自棄になった私がしようとした事。
 それは前に父に強く言われて中断した魔女の追跡。
 対象となる魔女のアクセスコードは一通り持っている。
 ただ、アクセスコード自体の場所は秘匿され、魔女の住む場所を示している訳ではない事。
 先ずはそのアクセスコードに向けて送った手紙がたどり着く場所を知る事。
 それで手紙の中継場所が分かる。

 だたそれだと、中継場所から魔女に手紙が渡り、謎の手紙を受け取った魔女は警戒を始める。
 そうならない為にも魔女に手紙を渡らないようにしないといけない。
 そこで使えるのが、ロストインキ。
 一定時間で消えるので、中継場所に届いた時点で宛先の無い手紙に代わっていれば、廃棄される。

 次に中継場所の特定方法は簡単で、差出人を記載しておくこと。
 すると、宛先の無い手紙は破棄されず、差出人に戻って来る。
 もちろん、こちらの住所を馬鹿正直に書くのは避けてアクセスコードを記載する。
 その戻って来た手紙の一部を切り抜いて、地図上に乗せて追跡魔法にかけると、何処を移動したかが明確になる。
 巨大な地図があればさらに良しって感じですね。

 魔女年鑑に記載のあった魔女の居場所情報は領地名までで、ここまでやってようやく魔女の居る村、又は最寄りの村が特定できる感じ。

 問題はその後、魔女の選別の方法。
 呪いその物と魔女は見えない糸で繋がっている。
 その糸を辿る事はできないけれど、波長の観測は可能になっている。
 妹から発する呪いの波長と、魔女自身から発せられる波長が一致すれば、犯人が確定する。
 ただ、問題は波長を感知する為にそれなりに接近する必要があると言う事。
 それがどういう事か、わかっている。

 そこまでする時間はない。お手上げだ。

 魔女が呪いを発動していれば波長を観測できる。
 発動していなければ、一般人みたいにしか認識できない。
 大昔にそんな魔道具を作った。
 ただ、誤動作が酷くて私にも反応する。
 魔女でもないし呪われてもないのにね。

 騎士団の市井に分散してる方々にはその魔道具を持たせ、観測してもらっている。
 誤動作しすぎて信頼性は薄いとは言ってあるけどね。
 実際に魔女自身を感知した事がないし、会った事も無いから、ちゃんと動作する補償は元からない。
 結局は机上の空論の産物って事。

「魔女の知り合いほし~~~」

 と、独り言の様に唸ってしまう訳だ。

「魔女の知り合いですか?いますよ?」
「え?あ、ダリア、居たのね・・・って居るの!!!?」
「はい、なりたての新人ですけど、紹介しましょうか?」
「いいの?やった、うれしい!」

 旅費からなにからこっち持ちで、魔導具への協力を取り付けた。
 今から待ち遠しいです。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです

白崎りか
恋愛
もうすぐ赤ちゃんが生まれる。 ドレスの上から、ふくらんだお腹をなでる。 「はやく出ておいで。私の赤ちゃん」 ある日、アリシアは見てしまう。 夫が、ベッドの上で、メイドと口づけをしているのを! 「どうして、メイドのお腹にも、赤ちゃんがいるの?!」 「赤ちゃんが生まれたら、私は殺されるの?」 夫とメイドは、アリシアの殺害を計画していた。 自分たちの子供を跡継ぎにして、辺境伯家を乗っ取ろうとしているのだ。 ドラゴンの力で、前世の記憶を取り戻したアリシアは、自由を手に入れるために裁判で戦う。 ※1話と2話は短編版と内容は同じですが、設定を少し変えています。

妹に傷物と言いふらされ、父に勘当された伯爵令嬢は男子寮の寮母となる~そしたら上位貴族のイケメンに囲まれた!?~

サイコちゃん
恋愛
伯爵令嬢ヴィオレットは魔女の剣によって下腹部に傷を受けた。すると妹ルージュが“姉は子供を産めない体になった”と嘘を言いふらす。その所為でヴィオレットは婚約者から婚約破棄され、父からは娼館行きを言い渡される。あまりの仕打ちに父と妹の秘密を暴露すると、彼女は勘当されてしまう。そしてヴィオレットは母から託された古い屋敷へ行くのだが、そこで出会った美貌の双子からここを男子寮とするように頼まれる。寮母となったヴィオレットが上位貴族の令息達と暮らしていると、ルージュが現れてこう言った。「私のために家柄の良い美青年を集めて下さいましたのね、お姉様?」しかし令息達が性悪妹を歓迎するはずがなかった――

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

一夜の過ちで懐妊したら、幼なじみの冷酷皇帝に溺愛されました

由香
恋愛
没落貴族の娘・柳月鈴は、宮廷で医官見習いとして働いていた。 ある夜、皇帝即位の宴で酒に酔い、幼なじみだった皇帝・李景珩と再会する。 遠い存在になったはずの彼。 けれど、その夜をきっかけに月鈴の運命は大きく動き出す。 冷酷と恐れられる皇帝が、なぜか彼女だけには甘すぎて――。

【完結】嫌われ公女が継母になった結果

三矢さくら
恋愛
王国で権勢を誇る大公家の次女アデールは、母である女大公から嫌われて育った。いつか温かい家族を持つことを夢見るアデールに母が命じたのは、悪名高い辺地の子爵家への政略結婚。 わずかな希望を胸に、華やかな王都を後に北の辺境へと向かうアデールを待っていたのは、戦乱と過去の愛憎に囚われ、すれ違いを重ねる冷徹な夫と心を閉ざした継子だった。

老聖女の政略結婚

那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。 六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。 しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。 相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。 子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。 穏やかな余生か、嵐の老後か―― 四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。

君は番じゃ無かったと言われた王宮からの帰り道、本物の番に拾われました

ゆきりん(安室 雪)
恋愛
ココはフラワーテイル王国と言います。確率は少ないけど、番に出会うと匂いで分かると言います。かく言う、私の両親は番だったみたいで、未だに甘い匂いがするって言って、ラブラブです。私もそんな両親みたいになりたいっ!と思っていたのに、私に番宣言した人からは、甘い匂いがしません。しかも、番じゃなかったなんて言い出しました。番婚約破棄?そんなの聞いた事無いわっ!! 打ちひしがれたライムは王宮からの帰り道、本物の番に出会えちゃいます。

【完結】魔力ゼロと捨てられた私を、王子がなぜか離してくれません ――無自覚聖女の王宮生活――

ムラサメ
恋愛
伯爵家で使用人同然に扱われてきた少女、エリナ。 魔力も才能もないとされ、義妹アリシアの影で静かに生きていた。 ある日、王国第一王子カイルの視察で運命が動き出す。 誰も気づかなかった“違和感”に、彼だけが目を留めて――。

処理中です...