ドラゴニック・ブラッド ~竜騎士だった俺の転生先は死んだ公爵令嬢だった。令嬢なんて面倒くせえ!勝手気ままに生きてやる!~

なのの

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1.アバークロンビー家

1-4.

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 ヤバい、ヤバすぎる。なにがヤバいって、弟のジェイクが全く近寄って来ない。
 父親とはそれなりに話すようにはなったのだが、弟は近寄って来ないのだからどうもならんのだ。

 ジェイクは8歳だからきっと反抗期なんだろう。
 グレッグ爺やによると以前は随分甘えんぼだったらしい。
 恐らくは姉が死んだのに生き返ったのが怖いんだろう。
 その気持ちはよ~く分かる。
 俺だったら逃げ出すね、あれはゾンビだぞって。

 だが、家族の仲が悪くなるのは申し訳ない。
 ならば俺が一肌脱いでやろうと思ったのは結構前だ。
 結局近寄ってくれないんじゃ、どうしようもないんだ。

 そこで、今の今まで連戦連敗、何をやっても近寄って来ないんだ。
 だが、こちらを観察はしているんだ。
 興味が全くない訳ではない事に、希望があると信じたい。

「爺や、ナイフとキリを貸してくれないか、ナタもあれば嬉しい」
「は、こちらに」
「じゃあ、確か竹林があったな、ちょっと拾ってくるか」
「何をなさるおつもりで?」
「簡単な遊びだよ」

 竹林に行こうとしたら庭師のノーマンが竹の切れ端をくれた。
 手間が省けたと喜んでいると、グレッグが渋い顔をする。
 何をするかさっぱり想像がつかないのだろう。

 俺は細い竹と少し太い竹を用意して、太い竹を加工し始めた。
 少し太い竹を削って羽根にして……、まぁ要するに竹とんぼを作る訳だ。
 お貴族様は知らんだろうと思ったんだよな。
 んで、細い棒を差し込んで見た目は出来上がりな訳だが、ここでポイントが一個ある。
 バランスチェックだ。
 それを怠ると上手く飛ばない。

 そうやって完成したのをくるくるっと回して飛ばす。
 そんな風に遊んでる姿をアピールしていると、ジェイクがこちらを覗いて目を輝かせている。
 フフフ、もう一歩踏み込んで来いよ。

 俺はジェイクの方に飛ぶように、竹とんぼを強く回転させた。
 竹とんぼは面白い様にジェイクの足元に届いたのだ。
 これで第一段階は成功。

 次に、それを拾い上げるまで、別の事をするフリをする。
 俺が見てない事に安心したのか、ジェイクは竹とんぼを拾って遊び始めた。
 これで第二段階は成功だな。

 さて、そこからどう近寄るか。

「お嬢様!ジェイク坊ちゃまが!」

 何事かと思い振り返ると、足元に竹とんぼが転がっている。
 どうやら、飛ばすのに失敗して俺の方に飛ばしてしまった。
 俺はそれを飛ばしてジェイクの元に返した。
 それが面白かったのか、満面の笑みで竹とんぼを俺の方に飛ばし返してきた。
 それがまぁ、十何回?いや二十回は超えた回数をやり取りして、いい加減飽きて来た頃、それは起こった。

 父親の参戦である。
 父親はそれを俺から受け取ると全力で回しやがった。
 手加減もなしに回すもんだから、中心の棒が外れてしまったのだ!
 それを見て、ジェイクが大号泣。

「パパの馬鹿ぁ~~~」

 それには父親も動揺して俺に目線で助けを求める。
 俺はジェイクの頭を撫でながら、目線を合わせた。

「待ってな、すぐに直してやるよ」

 俺は棒をもう一本削りだした。
 その様子を二人がマジマジと見つめるのがこそばゆい。
 だって、それを繋ぎ合わせて再度完成で、至って簡単すぎるのだからだ。
 それを渡すと、ジェイクは潤んだ目でこういった。

「お姉様、ありがと~」

 かわいい!
 思わず抱き締めた!子供というのは男女問わず可愛いのだ。
 それから、ブランコを作ったりやじろべえを作ったりして遊ぶと、かなり懐いてくれた。
 逆に父離れを始めそうな感じで父親は少し焦り出していた。

 *

「あのね、前のお姉様も好きだけど、今のお姉様も好きッ!」
「そうか、嬉しいな、俺もジェイクの事が好きだぞ」
「ふふふ、相思相愛だねっ、大きくなったらお姉様をお嫁さんにしてあげる!」
「ああ、嬉しいな、期待しているぞ。って難しい言葉を知ってるんだな」
「計画通り。キリッ!」
「ははは、こやつう」

 この事を手紙で王子様に教えるとラブレターの間隔が短くなった。怖えよ。
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