ドラゴニック・ブラッド ~竜騎士だった俺の転生先は死んだ公爵令嬢だった。令嬢なんて面倒くせえ!勝手気ままに生きてやる!~

なのの

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4.迷宮都市ルグランジ(再び)

4-15.(ディーナ視点)

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 その日、食堂の制服の直しが終わったと連絡がった。
 衣服店に行くと、店員の若いお姉さんが受付けてくれて、試着してみてと言われる。
 サイズが合って無ければ、この場でささっと調整してくれるらしい。

 胸がすっぽり収まり、苦しくなく、はみ出る事も無い、凄く良い感じに仕上がっていた。

「丁度良い様だね、続けて私服を試着してみてくれないかい?」
「私服ですか?」
「ああ、カロリーナ様から、3着程見繕ってやってくれって言われてるのさ。ちなみに、代金は貰ってしまってるからね」
「そうなのですね、嬉しいな」

 制服と同じサイズで調整したと言うだけあって、丁度良いサイズで、可愛い物ばかりでした。
 特に最後に着た服はフリルが沢山ついて私には可愛すぎるくらいでした。

「うん、その3着目が一番可愛いじゃないか、猫の刺繍もあって丁度いいんじゃない?」
「はい、ありがとうございましたっ」
「そのまま着て帰るだろ?カロリーナ様に見てもらいなよ、きっと喜ばれるよ」
「そうします、ありがとう~」

 他の服は全て袋に詰めてもらい、それを大事に抱きしめて私は店に戻ろうとした。
 途中で、美味しそうな屋台があり、たまには買い食いをしろって言うリーナちゃんの言いつけに従い、私も食べてみた。
 ですが、少し油がキツくて、リーナちゃんが作ってくれるお菓子の方が美味しいと思っちゃいました。
 そもそも、リーナちゃんの作るお菓子は何処の店にも売っていない特別な物なのに、どうしてそれで商売をしないのかって、皆は疑問に思っている様です。
 噂じゃ、王妃様から王都に出店しないかって言われたとか言う程。
 そんな折、壁に貼っていた最近のニュースを目にしてしまいました。

『アレグサンダー第一王子とカロリーナ・アバークロンビー・カートレット公爵令嬢が婚約決定!』

 その事は私にとって、喜ばしい話なのです。
 リーナちゃん・・・いえ、もう、カロリーナ様と呼ぶべきですね。
 カロリーナ様がこの国の王妃様になれば、きっとこれまで以上に良い国になるに違いありません。
 ちょっと妬いちゃいますけどね。

 私はそのニュースペーパーを買ってお店の子にも見せて教えてあげた。
 それを聞きつけたカロリーナ様がやってきて、ニュースペーパーを睨んでいました。
 それはもう、今にも破り捨ててしまいそうな感じです。

「あの、余計な事をして、ごめんなさい」
「問題ないよ、事実だし。しかし、結婚とかしたくないんだよな」
「式は3年半後になるって書いていましたね・・・」
「そうだな、半年も経ったら、ここにはあまり来れなくなる。それまでに出来る事をやるまでさ」
「それは・・・寂しいです」
「まぁ、機会がある毎に顔をだすから、心配するな」
「はい」

 私はカロリーナ様が好きだ。
 撫でてくれるのが好き、抱きしめられるのが好き、一緒に寝てくれるのも好き。
 暖かくて、力強くて、行動力がある、男性だったらどれだけ良かったかなって思うくらい。
 どんなピンチでも救い出してくれると思ってた。
 でも、そんな好きは、言えないよね。
 我儘になっちゃうし。

 次の日、休みを貰えて、食材の買い出しに行く事にした。
 食堂で使う物だったけど、手が空いてるしやる事ないからって引き受けた。

 買ったはいいけど4つの袋は少し多すぎたみたいで、溢してしまわないか心配になりながら帰ってる途中、トリスタンさんに遭遇した。
 彼は荷物を持ってやると言って、2袋をひょいっと引き受けてくれた。
 同じ種族だからか、やたら私に構ってくる。
 今も、少しイヤラシイ視線を私の胸に投げかけて来ていた。

「なぁ、ディーナは彼氏とか居るの?」
「──いませんけど」
「じゃあ好きな人は?」
「──いませんけど」

 そう答えると、トリスタンさんは私を路地に押し込んだ。
 買った荷物を地面に落とし、私が逃げられないように壁に手を付いた。

「じゃあさ、俺と付き合わない?同じ種族だしさ、俺、君みたいな子、好きなんだ」
「ごめんなさい、私、誰とも付き合う気は無いので」

 身長差、1.5倍程。
 明らかに親子みたいな年齢差。
 同種族だから、付き合うとかそう言うのは全く考えたくもないです。

「逃げるなよ」
「叫びますよ」
「俺、カロリーナ様の所有物だぜ?俺が捕まれば、カロリーナ様が困るだろうなぁ」

 そう言いながら、私の頬をペロリと舐めた。
 ゾクゾクとした気持ち悪さが全身に伝わり、尻尾の毛が全て立ってしまう。

「怒りますよ」
「暴力振るうの?カロリーナ様の所有物に?」
「・・・・」

 股の間に膝を入れられ、スカートが壁に当たる。
 これで簡単に逃げられないと思た時、トリスタンさんがにやあとイヤラシイ笑みを浮かべた。

「やだ」
「やだじゃないんだよ、子作りしようぜ、同種族なんだからさ」
「やだぁ・・・」

 さらに頬を舐め回し、私は絶望に涙目になった時、その人は現れた。

「テメェ、俺の娘に何しやがるんだ!」

 トリスタンさんは横顔を殴られ、吹き飛んだ。

「何するんだよ!俺はカロリーナ様の所有物だぞ!」
「そんなの関係ねーんだよ!娘に手を出す奴は俺が許さねえ!相手が誰であろうともだ!」
「お父さん・・・お父さんだ・・・」
「ディーナ、待たせたな。迷宮の奥で怪我をして中々出てこれなかったんだ」
「そうだったんだ、良かった、生きてて良かったよおおお」
「ちぃ、覚えてろよ!」

 そう言ってトリスタンさんは逃げて行った。
 私は、わんわんと泣いてお父さんに抱き着いていたから、よく見てなかったけど逆恨みでもしそうな予感がした。
 私が落ち着いた頃に、お父さんとゆっくりと話をした。

「その、カロリーナって奴はどんな奴なんだ?このまま逃げたほうがいいかな?」
「カロリーナ様はとても優しい方です、それに強くて、私を助けてくれたんですよ」
「じゃああの奴隷が言ってた事は?」
「奴隷は殆どいないから、カロリーナ様がどう言うのか、ちょっと分かんない」
「だが、まぁ、いい暮らしは出来ている様だな」
「うん、全部、カロリーナ様のお陰なの」
「では、お礼と、さっきの奴隷の事は謝らないとだな」
「私も一緒に謝る!」

 そうして、食堂に戻るとカロリーナ様はトリスタンさんを踏みつけていた。

「お、ディーナ、お帰り、その後ろの方はもしや」
「はい、お父さんです」
「そうか、生きてたんだな、良かった」
「娘が世話になっていた様で」
「そうだ、ディーナ、こっちに来てくれ」
「はい」
「ちょっとチクっとするぞ」

 そう言って私の指先を少し切って血が出て来た。
 それをトリスタンさんの腕輪に垂らした。

「はい、これでトリスタンはお前の奴隷だ、好きに使ってやってくれ」
「なんでそんなクソガキの奴隷にならなきゃいけないんだよ!」
「いや、ディーナの方が年上なんだが?おい、ディーナ、早速命令しろ、食器洗いを完璧にこなせ、とな」
「うん!トリスタンさん、食器洗いを完璧にこなしてください!今すぐに!駆け足で!」
「ちくしょー!」

 そう言って、走って食器洗いに向かって行った。
 それを見て、私達は全員で大笑いしてた。

 *

「それで、えーと」
「私はディランです」
「じゃあ、ディラン、良かったら、娘と共にここで働かないか?もし、迷宮に潜りたいならその時は長期で休んで構わない、業種は色々だ、養子縁組や託児所の受付けから食堂の各スタッフ、温泉や小売り店や宿屋の受付、あと教会の手伝いや学校の教師なんて募集してるぞ」
「はは、色々い有りますね、その中なら教師がいいかもしれません」
「おお、それは助かる、是非頼むよ」
「こちらこそ、世話になります」

 ガシッと握手を組み交わす二人に、私は嬉しさのあまりに二人に抱き着いてしまいました。
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