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5.モルバーン学園(一年生編)
5-8.闘技場にて
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アレグサンダーは私を街に連れ出した。
今日は退屈な一日になりうだと口にしそうになるのを飲み込んでいると、闘技場のVIP席に案内された。
どうやら、そこで俺達は優雅に人が戦うのを見学するという事になるそうだ。
黙って試合を見ていると大きな歓声が沸き上がる。
本日のメインイベントである、ハイオーク3体VS奴隷剣士チャンピオンの戦いらしいが、奴隷を戦わせると言うのが趣味が悪すぎる。ついでに気分も悪い。
「いやぁ、間に合って良かったよ」
「そうだな、あの奴隷剣士強いのか?」
「まぁ、ここのチャンピオンだからね、強いだろう」
「じゃあ賭けにならないんじゃないか?」
「そうだな、だが、あくまでチャンピオンを引き立てるイベントだから良いだろう、賭け事の本番はこの後の対人戦だよ」
ハイオークの体格は奴隷剣士の2倍を超えている。
それが3体というのは、厳しい戦いになりそうだと思っていた。
だが、それは奴隷が剣技を取得していなければの話だ。
「さぁ、試合が始まるぞ!」
その言葉と同時に観客の歓声はさらに音量を増した。
どうせなら自分で戦った方が楽しいのだが、これだけの観客の前でこの格好で戦う程、常識を捨ててはいない。
剣士の方はと言えば、ハイオークの一撃が地面を叩くと破片が飛んで剣士の頭に当たった。
それで軽い出血をしていたが、剣士はそれを受けて不敵な笑みを浮かべた。
「なんだか、バトルジャンキーみたいなやつだな」
「ああ、だからこそ強いんだ、そろそろ一匹目を倒すぞ」
「ほう」
攻撃の余波でダメージが入るのなら、単純に攻撃を避けるだけというのは悪手となる。
どうするのかと思えば、相手の股下を潜り抜けると同時に急所を切り裂いた。
それがどれだけエグイのかは、男性ならわかるのだろう。
元男だっただけに、俺にも分かる。
魔物だとしてもあれは相当痛いはずだ。
「エグイ攻撃するな」
「あれで一匹目は戦闘不能だ、次のはどっちのを倒すんだろうな」
その後は、あれよあれよと流れ作業かってくらいな勢いで終わった。
会場こそ盛り上がっているが、俺は全然盛り上がれていない。
一方的な試合ってのはまぁ、さほど面白いモノではないのだ。
だが、剣士もVIP席へのアピールを忘れず手を振って来る。
それに対し手を振り返すのがVIP席の義務で、それがない場合、つまらない試合だったとされ、奴隷は処分される。
めんどくせえ上に酷い話だ。
「どうだ、面白かっただろ?この席は事前に予約しないと取れないんだぞ」
「そうなのか、それは苦労をかけたな」
「それに、そろそろ持って来てくれるはずだ」
「何を───」
確認しようとした所でノックの音が鳴り、入って来たのは使用人と、恐らくは支配人だ。
使用人が大きなホールのチョコケーキを運んでくるのをじっと見守った。
どうして闘技場のVIP席でケーキなのだ?と、疑問に思いながらも何の祝い事なのかと過去の記憶を掘り起こすが全く心当たりがない。
「誕生日が近いはずだろ?そのお祝いさ。聞けば人に作ってばっかりで、スイーツを貰う事は無いって言うじゃないか、たまには受ける側に立つのも良いだろうと思ってね、まぁ俺は作れないから、王宮の料理人に作らせたよ。なんでもルグランジの方で特別な時に作られた門外不出のスイーツらしいが、それを見よう見まねで作ったらしい」
ルグランジの方で出したのは俺だ。
年が変わったお祝いに作って、一部を客にも振舞ったのだが、手間とコストが釣り合わず気が向いた時にしか作っていない。
それにこの国では年が変わったからと言って祝う風習はない、あるのは嫁の生まれた国の話だ。
「もうそんな頃合いか。どこかの国では誕生日を祝うらしいね。それを真似たのかな」
「そんな国があるんだ、俺は知らなかったよ」
「なんでもケーキを食べてた後にすき焼きを食べるらしい、あれ?逆だったかな」
「・・・ケーキ?すき焼き?ってなんだ?それはどんなものなんだ?」
不思議な事を言う、ケーキを持って来ておいてケーキを知らないと言うのだ。
そこで気づいた。
俺はチョコケーキだと思い込んでいた物はチョコケーキではないと言う事に。
「じゃあ・・・これは何というスイーツなのだ?」
「いや、俺も良く知らん」
*
「もぐもぐもぐもぐ・・・」
「どうだ?うまいか?うまいか?どうなんだ!」
「・・・・いや、美味しいよ」
「そうだろうそうだろう、ああ、よかった。ちょっと焦ったぞ」
「(だが、これ、一体何だろう。本当に何なんだコレ!)」
今日は退屈な一日になりうだと口にしそうになるのを飲み込んでいると、闘技場のVIP席に案内された。
どうやら、そこで俺達は優雅に人が戦うのを見学するという事になるそうだ。
黙って試合を見ていると大きな歓声が沸き上がる。
本日のメインイベントである、ハイオーク3体VS奴隷剣士チャンピオンの戦いらしいが、奴隷を戦わせると言うのが趣味が悪すぎる。ついでに気分も悪い。
「いやぁ、間に合って良かったよ」
「そうだな、あの奴隷剣士強いのか?」
「まぁ、ここのチャンピオンだからね、強いだろう」
「じゃあ賭けにならないんじゃないか?」
「そうだな、だが、あくまでチャンピオンを引き立てるイベントだから良いだろう、賭け事の本番はこの後の対人戦だよ」
ハイオークの体格は奴隷剣士の2倍を超えている。
それが3体というのは、厳しい戦いになりそうだと思っていた。
だが、それは奴隷が剣技を取得していなければの話だ。
「さぁ、試合が始まるぞ!」
その言葉と同時に観客の歓声はさらに音量を増した。
どうせなら自分で戦った方が楽しいのだが、これだけの観客の前でこの格好で戦う程、常識を捨ててはいない。
剣士の方はと言えば、ハイオークの一撃が地面を叩くと破片が飛んで剣士の頭に当たった。
それで軽い出血をしていたが、剣士はそれを受けて不敵な笑みを浮かべた。
「なんだか、バトルジャンキーみたいなやつだな」
「ああ、だからこそ強いんだ、そろそろ一匹目を倒すぞ」
「ほう」
攻撃の余波でダメージが入るのなら、単純に攻撃を避けるだけというのは悪手となる。
どうするのかと思えば、相手の股下を潜り抜けると同時に急所を切り裂いた。
それがどれだけエグイのかは、男性ならわかるのだろう。
元男だっただけに、俺にも分かる。
魔物だとしてもあれは相当痛いはずだ。
「エグイ攻撃するな」
「あれで一匹目は戦闘不能だ、次のはどっちのを倒すんだろうな」
その後は、あれよあれよと流れ作業かってくらいな勢いで終わった。
会場こそ盛り上がっているが、俺は全然盛り上がれていない。
一方的な試合ってのはまぁ、さほど面白いモノではないのだ。
だが、剣士もVIP席へのアピールを忘れず手を振って来る。
それに対し手を振り返すのがVIP席の義務で、それがない場合、つまらない試合だったとされ、奴隷は処分される。
めんどくせえ上に酷い話だ。
「どうだ、面白かっただろ?この席は事前に予約しないと取れないんだぞ」
「そうなのか、それは苦労をかけたな」
「それに、そろそろ持って来てくれるはずだ」
「何を───」
確認しようとした所でノックの音が鳴り、入って来たのは使用人と、恐らくは支配人だ。
使用人が大きなホールのチョコケーキを運んでくるのをじっと見守った。
どうして闘技場のVIP席でケーキなのだ?と、疑問に思いながらも何の祝い事なのかと過去の記憶を掘り起こすが全く心当たりがない。
「誕生日が近いはずだろ?そのお祝いさ。聞けば人に作ってばっかりで、スイーツを貰う事は無いって言うじゃないか、たまには受ける側に立つのも良いだろうと思ってね、まぁ俺は作れないから、王宮の料理人に作らせたよ。なんでもルグランジの方で特別な時に作られた門外不出のスイーツらしいが、それを見よう見まねで作ったらしい」
ルグランジの方で出したのは俺だ。
年が変わったお祝いに作って、一部を客にも振舞ったのだが、手間とコストが釣り合わず気が向いた時にしか作っていない。
それにこの国では年が変わったからと言って祝う風習はない、あるのは嫁の生まれた国の話だ。
「もうそんな頃合いか。どこかの国では誕生日を祝うらしいね。それを真似たのかな」
「そんな国があるんだ、俺は知らなかったよ」
「なんでもケーキを食べてた後にすき焼きを食べるらしい、あれ?逆だったかな」
「・・・ケーキ?すき焼き?ってなんだ?それはどんなものなんだ?」
不思議な事を言う、ケーキを持って来ておいてケーキを知らないと言うのだ。
そこで気づいた。
俺はチョコケーキだと思い込んでいた物はチョコケーキではないと言う事に。
「じゃあ・・・これは何というスイーツなのだ?」
「いや、俺も良く知らん」
*
「もぐもぐもぐもぐ・・・」
「どうだ?うまいか?うまいか?どうなんだ!」
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