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5.モルバーン学園(一年生編)
5-72.ファーヴニルの巣にて
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単身、ファーヴニルの巣にやって来た。
何故一人なのかと言うと、突然の事変が発生したからだ。
出発しようとした瞬間、ワイバーン便の兄ちゃん経由で急報を知らされた。
近海にアレシフェルンの軍艦が来ているという。
それも凡そ100隻もの勢力。
グレッグが言っていたのはこういう事かと納得していた。
それでも、同時に戦闘に入れるのは数隻なのだから、連戦にはなるが余程の事が無い限り現戦力の戦列艦で問題ないとオルドリッジ様は断言した。
何かあれば、大聖女の防御術で護ると娘も胸を張っていた。
オルドリッジ様に娘の事を頼んだと言うと、娘も一緒に旗艦に同乗する事となった。
その事はそれ程心配している訳ではない。
恐らくオルドリッジ様はどうにかしてしまうのだろう。
だが、グレッグが忠告した事が本当に大軍だけと言うのだろうかという疑問を持っていた。
その事に少し焦りはしたが、俺は俺に出来る事をするしかない。
どのみち、海戦となれば俺は無力なのだから。
ファーヴニルの目の前に来たというのに、ファーヴニルは眠っている様だった。
鼻先を撫でて声をかけるが起きる気配はないので、殴ったりけったりしてみたがやはり反応がない。
仕舞には激しいクシャミをされ、俺は全身鼻水だらけになってしまった。
「キタネエ・・・」
鼻水の量が半端ないのは当たり前だ。
大人でも入れる程の鼻の穴から出るのだから、物量はとんでもない。
流石にこの状態で居るのは風邪を引きそうだと思ったが、タオルなんてものは持ち合わせて無い上に着替えだって無いのだ。
どうしたものかと悩んでいると、宝物の山の中に布物の何かを見つける。
着るものであれば、そのまま借りてしまおうなんて思って引っ張り出すと、それはバトルドレスだった。
純白のロングスカート、胸当て、肩当、肘当てが縫い込んであり、調整用のベルトも付いている。
ただし大人用なので、俺が着る事はできなさそうだ。
正直、これに一目惚れした。
カッコイイと言わざるを得ない。
着てみたいところだが、俺の身長が1.5倍程伸びるまでお預けだと考えると、少しがっかりだ。
だが、きっとタオル代わりにはなるだろうと借りる事にした。
その時ふと、汚れた手で触っても触ったところが汚れていない事に気が付いた。
試しに、鼻水でべとべとになってる顔を拭いたり、髪の毛に絡みついた鼻水を拭き取ってみる。
そこまでしてもバトルドレスは一切汚れておらず、新品同様だ。
「これスゲぇ!」
思わず感嘆の声を上げてしまう。
これは、強請って貰うしかない。
大きくなったら着るんだ。
そう思ってると、なにやら暖かい空気が入り込む。
その元をだどって行くと、巣から少し出た所に水たまりがあった。
折角なので、鼻水を洗い流そうと近寄ると、それは温泉だった。
丁度良い温度の源泉かけ流し温泉。
「こりゃあ、入るしかねーな」
と言う訳で、聖杯みたいな器を宝の山から拝借して、桶代わりに使って湯を浴びた。
一通り鼻水が流し終わった状態になり、温泉に浸かってファーヴニルが起きるのを待つ事にした。
だがその時、激痛が走る。
娘がかけてくれていた、魔法が解けてしまった。
それが温泉の中だったのは幸運だったかもしれない。
一瞬は湯が赤く染まったが、それは徐々に流れて行った。
座る事も出来ず、湯につかりながら、中腰で我慢する。
まるで用を足すような状態だが、それを気にしてられない程に痛みは酷かった。
尻尾が徐々に大きくなるかと思えば、足と同じくらいの大きさにまで成長した。
最早隠しようがない。
次にオルドリッジ様と会ったら言うしかないのだ。
それで、嫌われたらそれを受け入れるしかない。
別に、絶対に結婚したいと思っているわけではないのだから。
今度は胸の方に軽い痛みが走る。
尻尾のついでに胸がでかくなるのかと期待するが、その変化は訪れなかった。
そして、誰かがゆっくりと歩く足音が聞こえてきた。
やって来たのは筋肉に無駄がない若い男性だった。
さらに、裸なのはこの温泉目当ての客なのだろう。
秘境も秘境という、寒く山奥にあるこんなところまで来る奴がいるだろうか。
「もしかして、ファーヴニルか?」
「正解だ、我が娘よ」
「なぁ、尻尾が生えてしまったんだが、これって本当に抜けるのか?」
「一人じゃ辛いだろうな、抜いてやろう」
尻尾と言えば背骨の延長だと思っていたのだが、どうなのだろうか。
グレッグが抜けるという以上、別物だと思うが勢い余って背骨ごと抜かれたらどうしようなんて不安になった。
だが、餅は餅屋と言うように、この件は任せた方がいいと俺の直感が言っている。
「わかった、頼んだ」
ファーヴニルは湯の中で尻尾を掴むなのだが、その瞬間全身の力が抜けて行った。
踏ん張る事もできずに、ぐったりと、湯船の縁にもたれ掛かった。
直後内臓を引きずり出される様な感覚と共に俺の喘ぎ声が山の中に響きわたった。
まるで性行為をしてるような声を出してしまったが、そういう感覚は一切ない。
終った時には息切れし、まるで事後のようにぐったりとしていた。
まさに腰が抜けたような感じだ。
「これで、尻尾は無くなったのか」
「無くなったというのは語弊があるな」
そっと差し出された、ゴツゴツした尻尾をスッと撫でられると、ゾクゾクした感覚が全身を過ぎる。
その尻尾は体と離れて尚、感覚が繋がっていた。
*
「うああああ・・・これ、どうなってるんだ」
「離れてるように見えて、お前の体の一部だ。その内固まると撫でられてもなんでもなくなるぞ」
「なんだそれ、今はただの弱点じゃねえか」
「今はな、だが便利だぞ。強度は申し分なく硬くなるし、サイズも見た目も自在だ」
「つまり、ぽっけに入れたり、髪の毛の中に隠したり、髪飾りのようにする事も出来るのか」
「そうだな。髪飾りが良いだろう、尻尾とそれ以外の間に物理的な繋がりはないからな、慣れれば遠くの敵をなぎ倒すのに便利だなんだがな」
「ほう、どれくらい遠くても操れるんだ?」
「ざっと、視える範囲ならどこでも、大きさも、人の身の10倍くらいにはできよう」
「ほえええええ」
何故一人なのかと言うと、突然の事変が発生したからだ。
出発しようとした瞬間、ワイバーン便の兄ちゃん経由で急報を知らされた。
近海にアレシフェルンの軍艦が来ているという。
それも凡そ100隻もの勢力。
グレッグが言っていたのはこういう事かと納得していた。
それでも、同時に戦闘に入れるのは数隻なのだから、連戦にはなるが余程の事が無い限り現戦力の戦列艦で問題ないとオルドリッジ様は断言した。
何かあれば、大聖女の防御術で護ると娘も胸を張っていた。
オルドリッジ様に娘の事を頼んだと言うと、娘も一緒に旗艦に同乗する事となった。
その事はそれ程心配している訳ではない。
恐らくオルドリッジ様はどうにかしてしまうのだろう。
だが、グレッグが忠告した事が本当に大軍だけと言うのだろうかという疑問を持っていた。
その事に少し焦りはしたが、俺は俺に出来る事をするしかない。
どのみち、海戦となれば俺は無力なのだから。
ファーヴニルの目の前に来たというのに、ファーヴニルは眠っている様だった。
鼻先を撫でて声をかけるが起きる気配はないので、殴ったりけったりしてみたがやはり反応がない。
仕舞には激しいクシャミをされ、俺は全身鼻水だらけになってしまった。
「キタネエ・・・」
鼻水の量が半端ないのは当たり前だ。
大人でも入れる程の鼻の穴から出るのだから、物量はとんでもない。
流石にこの状態で居るのは風邪を引きそうだと思ったが、タオルなんてものは持ち合わせて無い上に着替えだって無いのだ。
どうしたものかと悩んでいると、宝物の山の中に布物の何かを見つける。
着るものであれば、そのまま借りてしまおうなんて思って引っ張り出すと、それはバトルドレスだった。
純白のロングスカート、胸当て、肩当、肘当てが縫い込んであり、調整用のベルトも付いている。
ただし大人用なので、俺が着る事はできなさそうだ。
正直、これに一目惚れした。
カッコイイと言わざるを得ない。
着てみたいところだが、俺の身長が1.5倍程伸びるまでお預けだと考えると、少しがっかりだ。
だが、きっとタオル代わりにはなるだろうと借りる事にした。
その時ふと、汚れた手で触っても触ったところが汚れていない事に気が付いた。
試しに、鼻水でべとべとになってる顔を拭いたり、髪の毛に絡みついた鼻水を拭き取ってみる。
そこまでしてもバトルドレスは一切汚れておらず、新品同様だ。
「これスゲぇ!」
思わず感嘆の声を上げてしまう。
これは、強請って貰うしかない。
大きくなったら着るんだ。
そう思ってると、なにやら暖かい空気が入り込む。
その元をだどって行くと、巣から少し出た所に水たまりがあった。
折角なので、鼻水を洗い流そうと近寄ると、それは温泉だった。
丁度良い温度の源泉かけ流し温泉。
「こりゃあ、入るしかねーな」
と言う訳で、聖杯みたいな器を宝の山から拝借して、桶代わりに使って湯を浴びた。
一通り鼻水が流し終わった状態になり、温泉に浸かってファーヴニルが起きるのを待つ事にした。
だがその時、激痛が走る。
娘がかけてくれていた、魔法が解けてしまった。
それが温泉の中だったのは幸運だったかもしれない。
一瞬は湯が赤く染まったが、それは徐々に流れて行った。
座る事も出来ず、湯につかりながら、中腰で我慢する。
まるで用を足すような状態だが、それを気にしてられない程に痛みは酷かった。
尻尾が徐々に大きくなるかと思えば、足と同じくらいの大きさにまで成長した。
最早隠しようがない。
次にオルドリッジ様と会ったら言うしかないのだ。
それで、嫌われたらそれを受け入れるしかない。
別に、絶対に結婚したいと思っているわけではないのだから。
今度は胸の方に軽い痛みが走る。
尻尾のついでに胸がでかくなるのかと期待するが、その変化は訪れなかった。
そして、誰かがゆっくりと歩く足音が聞こえてきた。
やって来たのは筋肉に無駄がない若い男性だった。
さらに、裸なのはこの温泉目当ての客なのだろう。
秘境も秘境という、寒く山奥にあるこんなところまで来る奴がいるだろうか。
「もしかして、ファーヴニルか?」
「正解だ、我が娘よ」
「なぁ、尻尾が生えてしまったんだが、これって本当に抜けるのか?」
「一人じゃ辛いだろうな、抜いてやろう」
尻尾と言えば背骨の延長だと思っていたのだが、どうなのだろうか。
グレッグが抜けるという以上、別物だと思うが勢い余って背骨ごと抜かれたらどうしようなんて不安になった。
だが、餅は餅屋と言うように、この件は任せた方がいいと俺の直感が言っている。
「わかった、頼んだ」
ファーヴニルは湯の中で尻尾を掴むなのだが、その瞬間全身の力が抜けて行った。
踏ん張る事もできずに、ぐったりと、湯船の縁にもたれ掛かった。
直後内臓を引きずり出される様な感覚と共に俺の喘ぎ声が山の中に響きわたった。
まるで性行為をしてるような声を出してしまったが、そういう感覚は一切ない。
終った時には息切れし、まるで事後のようにぐったりとしていた。
まさに腰が抜けたような感じだ。
「これで、尻尾は無くなったのか」
「無くなったというのは語弊があるな」
そっと差し出された、ゴツゴツした尻尾をスッと撫でられると、ゾクゾクした感覚が全身を過ぎる。
その尻尾は体と離れて尚、感覚が繋がっていた。
*
「うああああ・・・これ、どうなってるんだ」
「離れてるように見えて、お前の体の一部だ。その内固まると撫でられてもなんでもなくなるぞ」
「なんだそれ、今はただの弱点じゃねえか」
「今はな、だが便利だぞ。強度は申し分なく硬くなるし、サイズも見た目も自在だ」
「つまり、ぽっけに入れたり、髪の毛の中に隠したり、髪飾りのようにする事も出来るのか」
「そうだな。髪飾りが良いだろう、尻尾とそれ以外の間に物理的な繋がりはないからな、慣れれば遠くの敵をなぎ倒すのに便利だなんだがな」
「ほう、どれくらい遠くても操れるんだ?」
「ざっと、視える範囲ならどこでも、大きさも、人の身の10倍くらいにはできよう」
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