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5.モルバーン学園(一年生編)
5-79.バーランド近海にて
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それから海戦は発生する事はなく、拍子抜けの結末となってしまう。
竜騎士団の偵察によると聖女を失った為か、敵本隊は反転、撤退した。
漂流していた14隻は遅れて来たラミレス軍20隻によって拿捕され、バーランド王国に連行する事となった。
そんな状況で日が落ちてしまった。
時を同じくして王宮では事件が起きていた。
聖騎士団が騎士団の大半を引き連れ、王宮を占拠するという事態に陥っていた。
バーランド王国の首都にある軍港も制圧されているという状況、完全にクーデターに嵌まった状況となっていた。
彼らの誤算はアレシフェルンが撤退した事と、ラミレスの援軍が想定より早く来た事、オルドリッジ様を殺害または捕虜に出来なかった事なのだろう。
更に詳しい情報は俺が捕縛した聖騎士に対して優しい質問で聞き出す事となっている。
「はは、今更焦ったところでどうにもなるまい。今や王都は我らの手中、お前たちは帰る場所を失ったのだ!」
「そうかい、そうだとしても、首謀者である宰相のトモンドモン侯爵を捕まえれば俺らの勝ちだろ?」
「宰相が簡単捕まるハズがないだろう!我ら聖騎士団がお守りしているのだからな!はっ、どうして宰相の事を知ってる!?」
「あ、いや、多分そうだろうなって思っただけだ、自白させる手間が省けたぜ」
「騙しやがったな!このクソガキが!!!」
「何とでも言え、騙される方が悪い、はっはっはっは」
「てめぇ、良い気になるのも今の内だ、軍港も制圧する手はずになってるし、竜騎士団だって今頃」
「おい・・・竜騎士団がなんだって?」
「あんな小さな組織、今頃制圧されてるだろうな!いい気味だぜ!」
悪態をつく聖騎士を思わず殴ってしまった。
日の落ちた今となっては力の出ない子供以下のパンチに聖騎士は口角を上げる。
「ガキはガキだな、痛くも痒くもないずうぇえええ、ごはっ」
尻尾で殴るのは問題なく、ダメージが入った。
多少・・・かなり、意識を失う程だったようだが、聞くに堪えないし、まぁ良いだろう。
外に出ると、唐突な大雨が降り出していた。
軍港と連絡を取ろうとしているのだが返信がなく、最悪の場合、陸の大砲の餌食になるので近寄らずに少し離れた位置で停泊、夜が明けるのを待つ事になっている。
その最中、ランが雨の匂いを嗅ぎ付け、裸になって外に出ようとするのを慌てて止めた。
「ちょーい!なにやってるんだ!」
「雨の時は体の汚れを流すものだけど、こっちじゃそうじゃないの?」
「旅の途中ならそれはあるが、これからはそんな必要はない、一日一度ちゃんと風呂に入るからな」
「風呂って何?雨浴と何が違うの?」
「室内で体を洗うところだよ。洗った事がないのか?」
「うん、そう言うのあるんだね、へぇ~~」
このズレた感覚、あっちの奴隷は劣悪な環境に居る事が伺える。
奴隷ではないが以前、孤児の冒険者もそうだった。
孤児や奴隷が使い捨てと言うものにどうにも違和感を感じる。
「ラン・・・少し教えて欲しいのだが、あっちの国の奴隷はどういう人間がなるんだ?」
漠然とした質問。
何が聞きたいのか纏まっておらず、ただ何かしらの不安だけが言葉となって出てきていた。
「私はアレシフェルン王国に征服されたノルト民族の子なの、私達ノルト民族は全員例外なく奴隷、奴隷の子も奴隷、他にもそういう民族がいっぱい居るよ」
「戦争が多いのか?あと、そちらの大陸は統一されているのかな」
「戦争はずっと続いてるよ、アレシフェルン王国は一番大きくて、奴隷が必要なの」
「奴隷を戦争に使ってるのか」
「うん、武器を持たされて特攻させられる。だから、私、生きてるだけで幸運なの」
「そうか・・・」
「あ・・・あの、今日は誰かに奉仕しなくていいのですか?」
「奉仕ってなんだ?」
「体を売って、その、お金を稼いで主様のお役に立つ事・・・です」
「あのな、俺はランの主じゃないし、ランは奴隷じゃない。ランはもう自由なんだよ。体の関係はランの好きな人とだけ・・・、自分を幸せにしてくれると思った相手だけにしておけ、わかったか」
「うん・・・、そっか、奴隷じゃなくなるんだ、この首輪も、取れるのかな・・・」
「特殊な物なのか?」
「奴隷は絶対服従、逆らえば苦痛を伴い、決して自死する事かなわず、決して外れない。そう聞いています」
「そうか・・・じゃあ日が出たら外そう、もっと早く対処すべきだったな」
「できるのですか?」
「たぶんな、その前に急用ができたからちょっと仕事してくる。ベッドでゆっくり休むんだぞ」
俺は急いで娘の居る部屋に向かった。
奴隷の扱い方に腹が立ってどうにかなってしまいそうだ。
そしてあの、まるまる太った奴がブヒトニーに似ていると思い出した。
当人は捕まっているのだから、もしかしたら血縁なんじゃないだろうかと思う程に似ている。
まぁ、誰でもいい。
あの船団を沈めてやる。
その事を娘に話し、俺は眠りにつく。
娘の元に来たのは起きた時に回復術が必要になるからだ。
あっさりと眠りについて精神体となり、尻尾と共に敵の旗艦に向かって飛んだ。
*
「カロリーナ様、まってください~」
「しっ」
「え、もう、寝てるの?そっか、眠かったんだね」
「うん、そう言う事にしておいて」
「・・・あ、フランチェスカはカロリーナ様とどういう関係なの?」
「えっとね、今は姉妹になるの」
「へぇ・・・いいな・・・」
竜騎士団の偵察によると聖女を失った為か、敵本隊は反転、撤退した。
漂流していた14隻は遅れて来たラミレス軍20隻によって拿捕され、バーランド王国に連行する事となった。
そんな状況で日が落ちてしまった。
時を同じくして王宮では事件が起きていた。
聖騎士団が騎士団の大半を引き連れ、王宮を占拠するという事態に陥っていた。
バーランド王国の首都にある軍港も制圧されているという状況、完全にクーデターに嵌まった状況となっていた。
彼らの誤算はアレシフェルンが撤退した事と、ラミレスの援軍が想定より早く来た事、オルドリッジ様を殺害または捕虜に出来なかった事なのだろう。
更に詳しい情報は俺が捕縛した聖騎士に対して優しい質問で聞き出す事となっている。
「はは、今更焦ったところでどうにもなるまい。今や王都は我らの手中、お前たちは帰る場所を失ったのだ!」
「そうかい、そうだとしても、首謀者である宰相のトモンドモン侯爵を捕まえれば俺らの勝ちだろ?」
「宰相が簡単捕まるハズがないだろう!我ら聖騎士団がお守りしているのだからな!はっ、どうして宰相の事を知ってる!?」
「あ、いや、多分そうだろうなって思っただけだ、自白させる手間が省けたぜ」
「騙しやがったな!このクソガキが!!!」
「何とでも言え、騙される方が悪い、はっはっはっは」
「てめぇ、良い気になるのも今の内だ、軍港も制圧する手はずになってるし、竜騎士団だって今頃」
「おい・・・竜騎士団がなんだって?」
「あんな小さな組織、今頃制圧されてるだろうな!いい気味だぜ!」
悪態をつく聖騎士を思わず殴ってしまった。
日の落ちた今となっては力の出ない子供以下のパンチに聖騎士は口角を上げる。
「ガキはガキだな、痛くも痒くもないずうぇえええ、ごはっ」
尻尾で殴るのは問題なく、ダメージが入った。
多少・・・かなり、意識を失う程だったようだが、聞くに堪えないし、まぁ良いだろう。
外に出ると、唐突な大雨が降り出していた。
軍港と連絡を取ろうとしているのだが返信がなく、最悪の場合、陸の大砲の餌食になるので近寄らずに少し離れた位置で停泊、夜が明けるのを待つ事になっている。
その最中、ランが雨の匂いを嗅ぎ付け、裸になって外に出ようとするのを慌てて止めた。
「ちょーい!なにやってるんだ!」
「雨の時は体の汚れを流すものだけど、こっちじゃそうじゃないの?」
「旅の途中ならそれはあるが、これからはそんな必要はない、一日一度ちゃんと風呂に入るからな」
「風呂って何?雨浴と何が違うの?」
「室内で体を洗うところだよ。洗った事がないのか?」
「うん、そう言うのあるんだね、へぇ~~」
このズレた感覚、あっちの奴隷は劣悪な環境に居る事が伺える。
奴隷ではないが以前、孤児の冒険者もそうだった。
孤児や奴隷が使い捨てと言うものにどうにも違和感を感じる。
「ラン・・・少し教えて欲しいのだが、あっちの国の奴隷はどういう人間がなるんだ?」
漠然とした質問。
何が聞きたいのか纏まっておらず、ただ何かしらの不安だけが言葉となって出てきていた。
「私はアレシフェルン王国に征服されたノルト民族の子なの、私達ノルト民族は全員例外なく奴隷、奴隷の子も奴隷、他にもそういう民族がいっぱい居るよ」
「戦争が多いのか?あと、そちらの大陸は統一されているのかな」
「戦争はずっと続いてるよ、アレシフェルン王国は一番大きくて、奴隷が必要なの」
「奴隷を戦争に使ってるのか」
「うん、武器を持たされて特攻させられる。だから、私、生きてるだけで幸運なの」
「そうか・・・」
「あ・・・あの、今日は誰かに奉仕しなくていいのですか?」
「奉仕ってなんだ?」
「体を売って、その、お金を稼いで主様のお役に立つ事・・・です」
「あのな、俺はランの主じゃないし、ランは奴隷じゃない。ランはもう自由なんだよ。体の関係はランの好きな人とだけ・・・、自分を幸せにしてくれると思った相手だけにしておけ、わかったか」
「うん・・・、そっか、奴隷じゃなくなるんだ、この首輪も、取れるのかな・・・」
「特殊な物なのか?」
「奴隷は絶対服従、逆らえば苦痛を伴い、決して自死する事かなわず、決して外れない。そう聞いています」
「そうか・・・じゃあ日が出たら外そう、もっと早く対処すべきだったな」
「できるのですか?」
「たぶんな、その前に急用ができたからちょっと仕事してくる。ベッドでゆっくり休むんだぞ」
俺は急いで娘の居る部屋に向かった。
奴隷の扱い方に腹が立ってどうにかなってしまいそうだ。
そしてあの、まるまる太った奴がブヒトニーに似ていると思い出した。
当人は捕まっているのだから、もしかしたら血縁なんじゃないだろうかと思う程に似ている。
まぁ、誰でもいい。
あの船団を沈めてやる。
その事を娘に話し、俺は眠りにつく。
娘の元に来たのは起きた時に回復術が必要になるからだ。
あっさりと眠りについて精神体となり、尻尾と共に敵の旗艦に向かって飛んだ。
*
「カロリーナ様、まってください~」
「しっ」
「え、もう、寝てるの?そっか、眠かったんだね」
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