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5.モルバーン学園(一年生編)
5-80.バーランド近海にて(ボヒトニー子爵視点)
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我は名門、ボヒトニー子爵だ。
あるとき、甥のブヒトニーがどうしても飼い殺しにしたい奴がいると言い出した。
いつもの我儘だと思ってはいたが、それがまさか公爵家の娘だとは思いもよらなかった。
だが、そこで甥の可能性を感じたのだ。
『こいつは大物になるに違いない』
流石は儂の甥である。
若くして爵位を引き継いだだけはあるというものだ。
公爵家の娘は事もあろうか甥の生徒会入りを妨害するだけでなく、言い寄って来たくせに被害者面で他国の王子に媚びを売るネタに甥を使った。
被害者であるはずの甥は無実の罪で退学処分となった事に日々枕を濡らしていた。
公爵家の娘は他国の王子にうまく取り入り婚約を取り付けたとか。
甥を利用して成り上がった奴を許して良いものだろうか?
『いや、良くない!!』
儂は愛する甥の為、報復を決意した。
宰相に協力を取り付けようとしたところ、丁度クーデターを計画がある事を教えて貰い参加する事にした。
渡りに船とこの事だ、この状況を導いた甥は先見の明があると言わざるを得ない。
クーデターの目的は公爵の傀儡となった王族を排除し、我らがこの国を支配する。
その為にそして儂は単身、海を渡り、アレシフェルン王国の協力を仰いだ。
アレシフェルン王国はそれを歓迎し、クーデター後の本領安堵も約束してくれた。
褒美の前払いとばかりに奴隷を何人か貰ったが、その中に聖女適性がある者が居た。
些か、年が若く夜の相手としては物足りなくはあったが、他の奴隷は壊れて使い物にならなくなってしまった。
遠征に同行する頃になると泣き叫ぶことも抵抗する事も無く相手をするようになった。
そうなると少しばかり物足りない。
多少の体罰を加えながらでないといい声を出さないくなってきたが、死んだような目をしてるくせに嫌がるようになってきた。
そもそも儂の元に来る前から客を取っていたというのに、いまさら儂の相手を嫌がるとか不敬にも程がある。
思い付きで罰を与える事にした。
航海の途中、荒くれどもの中に放り込んでやった。
何人もの男に抱かれぼろぼろのどろどろになって出てきたのは愉快でしかなかった。
それでも、儂の言いなりで防御術を展開する様は滑稽であった。
そしてあの事件が起きたのだ。
敵の旗艦を追い詰めようとしていた時、突如現れた謎の白い物体に奴隷が捕まり、連れ去られてしまった。
新しい兵器だという意見が大半を占め、戦って勝てるとは思えないと思った提督が撤退すると言い出したのだ。
その事に儂は抗議した。
儂の奴隷を奪われて黙ってる何てことはできん。
「何故だ!あれが兵器だという確証なんてどこにもないではないか、現に我々の船に被害がない、撤退する前に止めを刺すべきですぞ!」
「我々は既に十分な損害を被っておる。もしあれが兵器では出ないのであれば、別動隊が挟み撃ちにして撃破するであろう、我々はそれを待つだけだ、戦場となる海域からは離脱し、安全な海域で待機する」
「だったら、聖女はどうなる?あれは儂の物だ、生きたまま返してくれるのであろうな?戦場での有用性も示したではないか」
「確かに見事な防御術であった。だが、守れたのはこの艦の上空だけ、あちらの聖女はすくなくとも三隻はまるまる防御しておった。ならばよりよい聖女を連れてくるのが正しい選択であろう?」
「それなら船の先端に立たせればいいでわないか!一隻だけだがそれで前面も防げる」
「それでは甲板後部が守れないのではないか?それに防御術の境界は通行できなくなるのは問題だ。それであれば使わない方がマシというものである。それに、これを見たまえ」
船の先端に近い部分。
そこは聖女が守り切れなかった部分になにか弧を描いた跡が付いている。
「船というのは多少なりと軋むものだ。聖女の防御術は空間の遮断、その境界は素材が脆くなるのだ。あの聖女の力が弱いから寸断されずに済んだだけで、少なからずこの船にもダメージが蓄積しているのだよ。つまりはどのみち、あの聖女をこれ以上使う訳にはいかなかったのだ。もっと小型の船で活躍させる事だな」
腹が立つが言われた事は正論であった。
だが、だから諦めろと言われて諦めきれたものではない。
あれは儂の奴隷だ、誰にも渡してなるものか。
だが、提督は抗議したところで聞く耳を持たなかった。
この後に控える王都への凱旋もあるというのに、アレシフェルン王国に戻るというのは酷い屈辱であった。
唯一の望みは現地に残された別動隊が戦果を上げる事だ。
そして、日も暮れてきた頃、激しい雨の中、儂は甲板で佇んでいた。
その時、上空に白く大きな物が見えた。
そう思った瞬間には轟音と共に甲板を突き破り船に大きな穴が開いた。
唖然としてしまい、見ているしかなかった。
こんな事が信じられるだろうか。
船の下層部まで突き抜け、浸水が発生しているとの声が甲板まで聞こえた。
「悪魔の兵器だ・・・」
そう呟いた時、その巨大な白い物体が海面から現れ、空中で静止した。
よく目を凝らせば、裸の髪の長い少女がその物体に乗っているように見えた。
いや、あれは幼女と言った方がいいくらい幼さがあった。
それは明らかにニヤリと口角を上げ、儂を見ていたのだ。
幻覚だったかもしれない。
だが、それを美しいと思ってしまった。
その瞬間、視えない刃かなにかで腕が切り落とされた。
無情にも転がる片腕、そして視えない何かが赤く染まっている。
それは糸のようであり、その少女から伸びている様にも見えた。
その後、全ての艦のマストが折られ、3隻を残し沈没した。
旗艦まで失い、人で溢れた船上で、儂の腕の接合を行う。
魔法兵に治療できる者が居て助かったと言いたいところだが、儂の腕が動く事は無かった。
そして、長い漂流生活が始まったのだ。
当然、水を始め、食料なんぞあっという間になくなった。
意識が朦朧とする中、思い返すのはあの少女の事ばかりだ。
だが、あれはカートレット公爵令嬢だったのではないかと思い当たった。
面識こそないが、背丈といい、髪の長さ、見た事は無いが体形だって想像していた裸体と近かった。
そう考えだすと、無性に抱きたくなった。
あの幼い体を抱いた時、どのような声を奏でるのかと、想像するだけで興奮してしまう。
だが現実は厳しい。
飢えに苦しんだ末、儂は意識を失いそうになっていた。
*
「提督、生きておられるか」
「提督・・・先に逝かれたか・・・」
「提督、儂は抱きたい女が出来た」
「提督・・・もう一度、バーランドの土を踏ませてくれんかの」
「提督・・・提督ぅうううう」
「五月蠅いわい、黙って体力を温存せんか、馬鹿者が」
あるとき、甥のブヒトニーがどうしても飼い殺しにしたい奴がいると言い出した。
いつもの我儘だと思ってはいたが、それがまさか公爵家の娘だとは思いもよらなかった。
だが、そこで甥の可能性を感じたのだ。
『こいつは大物になるに違いない』
流石は儂の甥である。
若くして爵位を引き継いだだけはあるというものだ。
公爵家の娘は事もあろうか甥の生徒会入りを妨害するだけでなく、言い寄って来たくせに被害者面で他国の王子に媚びを売るネタに甥を使った。
被害者であるはずの甥は無実の罪で退学処分となった事に日々枕を濡らしていた。
公爵家の娘は他国の王子にうまく取り入り婚約を取り付けたとか。
甥を利用して成り上がった奴を許して良いものだろうか?
『いや、良くない!!』
儂は愛する甥の為、報復を決意した。
宰相に協力を取り付けようとしたところ、丁度クーデターを計画がある事を教えて貰い参加する事にした。
渡りに船とこの事だ、この状況を導いた甥は先見の明があると言わざるを得ない。
クーデターの目的は公爵の傀儡となった王族を排除し、我らがこの国を支配する。
その為にそして儂は単身、海を渡り、アレシフェルン王国の協力を仰いだ。
アレシフェルン王国はそれを歓迎し、クーデター後の本領安堵も約束してくれた。
褒美の前払いとばかりに奴隷を何人か貰ったが、その中に聖女適性がある者が居た。
些か、年が若く夜の相手としては物足りなくはあったが、他の奴隷は壊れて使い物にならなくなってしまった。
遠征に同行する頃になると泣き叫ぶことも抵抗する事も無く相手をするようになった。
そうなると少しばかり物足りない。
多少の体罰を加えながらでないといい声を出さないくなってきたが、死んだような目をしてるくせに嫌がるようになってきた。
そもそも儂の元に来る前から客を取っていたというのに、いまさら儂の相手を嫌がるとか不敬にも程がある。
思い付きで罰を与える事にした。
航海の途中、荒くれどもの中に放り込んでやった。
何人もの男に抱かれぼろぼろのどろどろになって出てきたのは愉快でしかなかった。
それでも、儂の言いなりで防御術を展開する様は滑稽であった。
そしてあの事件が起きたのだ。
敵の旗艦を追い詰めようとしていた時、突如現れた謎の白い物体に奴隷が捕まり、連れ去られてしまった。
新しい兵器だという意見が大半を占め、戦って勝てるとは思えないと思った提督が撤退すると言い出したのだ。
その事に儂は抗議した。
儂の奴隷を奪われて黙ってる何てことはできん。
「何故だ!あれが兵器だという確証なんてどこにもないではないか、現に我々の船に被害がない、撤退する前に止めを刺すべきですぞ!」
「我々は既に十分な損害を被っておる。もしあれが兵器では出ないのであれば、別動隊が挟み撃ちにして撃破するであろう、我々はそれを待つだけだ、戦場となる海域からは離脱し、安全な海域で待機する」
「だったら、聖女はどうなる?あれは儂の物だ、生きたまま返してくれるのであろうな?戦場での有用性も示したではないか」
「確かに見事な防御術であった。だが、守れたのはこの艦の上空だけ、あちらの聖女はすくなくとも三隻はまるまる防御しておった。ならばよりよい聖女を連れてくるのが正しい選択であろう?」
「それなら船の先端に立たせればいいでわないか!一隻だけだがそれで前面も防げる」
「それでは甲板後部が守れないのではないか?それに防御術の境界は通行できなくなるのは問題だ。それであれば使わない方がマシというものである。それに、これを見たまえ」
船の先端に近い部分。
そこは聖女が守り切れなかった部分になにか弧を描いた跡が付いている。
「船というのは多少なりと軋むものだ。聖女の防御術は空間の遮断、その境界は素材が脆くなるのだ。あの聖女の力が弱いから寸断されずに済んだだけで、少なからずこの船にもダメージが蓄積しているのだよ。つまりはどのみち、あの聖女をこれ以上使う訳にはいかなかったのだ。もっと小型の船で活躍させる事だな」
腹が立つが言われた事は正論であった。
だが、だから諦めろと言われて諦めきれたものではない。
あれは儂の奴隷だ、誰にも渡してなるものか。
だが、提督は抗議したところで聞く耳を持たなかった。
この後に控える王都への凱旋もあるというのに、アレシフェルン王国に戻るというのは酷い屈辱であった。
唯一の望みは現地に残された別動隊が戦果を上げる事だ。
そして、日も暮れてきた頃、激しい雨の中、儂は甲板で佇んでいた。
その時、上空に白く大きな物が見えた。
そう思った瞬間には轟音と共に甲板を突き破り船に大きな穴が開いた。
唖然としてしまい、見ているしかなかった。
こんな事が信じられるだろうか。
船の下層部まで突き抜け、浸水が発生しているとの声が甲板まで聞こえた。
「悪魔の兵器だ・・・」
そう呟いた時、その巨大な白い物体が海面から現れ、空中で静止した。
よく目を凝らせば、裸の髪の長い少女がその物体に乗っているように見えた。
いや、あれは幼女と言った方がいいくらい幼さがあった。
それは明らかにニヤリと口角を上げ、儂を見ていたのだ。
幻覚だったかもしれない。
だが、それを美しいと思ってしまった。
その瞬間、視えない刃かなにかで腕が切り落とされた。
無情にも転がる片腕、そして視えない何かが赤く染まっている。
それは糸のようであり、その少女から伸びている様にも見えた。
その後、全ての艦のマストが折られ、3隻を残し沈没した。
旗艦まで失い、人で溢れた船上で、儂の腕の接合を行う。
魔法兵に治療できる者が居て助かったと言いたいところだが、儂の腕が動く事は無かった。
そして、長い漂流生活が始まったのだ。
当然、水を始め、食料なんぞあっという間になくなった。
意識が朦朧とする中、思い返すのはあの少女の事ばかりだ。
だが、あれはカートレット公爵令嬢だったのではないかと思い当たった。
面識こそないが、背丈といい、髪の長さ、見た事は無いが体形だって想像していた裸体と近かった。
そう考えだすと、無性に抱きたくなった。
あの幼い体を抱いた時、どのような声を奏でるのかと、想像するだけで興奮してしまう。
だが現実は厳しい。
飢えに苦しんだ末、儂は意識を失いそうになっていた。
*
「提督、生きておられるか」
「提督・・・先に逝かれたか・・・」
「提督、儂は抱きたい女が出来た」
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