ドラゴニック・ブラッド ~竜騎士だった俺の転生先は死んだ公爵令嬢だった。令嬢なんて面倒くせえ!勝手気ままに生きてやる!~

なのの

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6.モルバーン学園(二年生編)

6-1.

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 私は王位を継いだつもりは無いのだが、何やら周りがそのつもりでいる。
 いくらこれは預かり物だと言った所で前王妃様ですら合併したっていいと言い出した。
 私としてはウィリアムが適齢になれば返すつもりだと説明しても笑ってごまかすのだ。
 そもそも私は再来年にこの国を出るのだから、その時にどうするかは決めねばならない。

 第二王子のウィリアムは今年13歳。
 1年早いが学園に早期入学してもらった。
 身体的には娘に鍛えられているらしく、一年の中では太刀打ちできる奴は居ないだろう。
 尚、娘のフランチェスカは現在10歳で、私と同じく3年早い来年に早期入学する予定となっている。

 私は確認せねばならない。
 ウィリアムに娘を委ねてよいのかという問題をだ。
 それを見極めるために、ウィリアムの早期入学を前王妃様の許可を得たのだ。
 言わば、これは娘の結婚相手に対する見極めであり、(元)父としての義務である。
 まぁ、それは追々確認する事にしよう。

 私が王位に就く事について当然ながら反対する者もいる。
 その代りとして父に一時的に王位を譲りたいのだが、父は受け取ろうとしない。
 父は私が在学中については代行を受けてくれると言うが、卒業後についてはまだ決めかねているようだ。
 それで、反対する者は私の他に誰が王位に就けば納得するのかという話をすると途端に口を閉ざしやがる。
 中には前王弟のウエスター侯爵を推す声もあったが、それは二人しかいなかった。
 ただ、公爵位を持つ者に反対する者が居ない事から説得は可能だと言われた。

 ここ最近の問題は大きく4つある。
 一つ目は宰相のトモンドモン侯爵の処遇だ。
 恩赦を求める声が一定数あるのと同時に、私の王位を認める代わりにと言い出す者がいた。
 オルドリッジには甘いと言われたが、その取引に応じる事にした。
 トモンドモン侯爵の宰相としての手腕の評判は悪くないのだ。
 結果、ある種の反乱の元凶を残してしまったという事になった。

 二つ目は前王弟のウエスター侯爵の処遇だ。
 彼らの計画を聞いてしまったのだが、それを裏付ける証拠がないし、咎める罪状が見当たらない。
 彼は結局の所、何もしていなかったのだ。
 宰相の口車には乗って行動を起こしていたが、誰一人として傷つけていない。
 つまるところお飾りなのだから、干渉しない事にしたのは些か甘い判断であっただろう。
 これも反乱の火種になりかねない訳だ。

 三つ目は陛下を守れなかった近衛隊と宰相の部下にあたる聖騎士団、その代りとする部隊についてだ。
 精鋭の筈の近衛隊はほぼ壊滅し、十人程が生き残ったが自信喪失により引退。
 聖騎士団に至っては半数が自害、残り半数は失踪と言う酷い有様だ。
 そもそも彼らは何処から現れたかと言う話になると、娘に殺されたカードウェリア子爵が連れてきたという。
 カードウェリア子爵の執事も行方不明である今、家宅捜索をして探して入るが情報が見つかっていない。
 そしてその代りとなる、王を守る騎士をどうするかとなると、これまた問題で適任が居ないのだ。
 結果、父の部隊から数名を護衛として配置するにとどまっている。
 恐らくは騎士団の中から選抜する事になるだろうという話だが、聖騎士の配下に居た奴らだけに信頼が低く反対する者も多い。

 最後に敵か味方か分からん奴らが私の周りに現れた事だ。
 流石に放っておいてくれないという事だろう。
 私が亡き者になれば王家の血を引く誰かが引き継ぐ可能性が高い。
 ラミレス王国と比べて歴史が古い分、どこかで王族と血が繋がっているという者はわりと多いのだ。
 親密になるなり、手篭めにするなりして、引き込もうと考える輩も居る。
 そんな有象無象が跋扈する中、学園生活の二年目がスタートしたのだ。

 *

「兄・・・生徒会長」
「なんだね、カロリー・・・副会長」
「慣れないな、その呼び方」
「今まで通りでいいだろう、面倒だ」
「まったくだ」
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