ドラゴニック・ブラッド ~竜騎士だった俺の転生先は死んだ公爵令嬢だった。令嬢なんて面倒くせえ!勝手気ままに生きてやる!~

なのの

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6.モルバーン学園(二年生編)

6-12.

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 その日は学園でのんびりする日だったこともあり、少し取り留めのない最近の話を回想していた。

 商業ギルドを中心とした構造的改革を進める中、軍隊の再編も行われていた。
 実質的に船員は私が助けた者以外には残っておらず、船を動かすにも圧倒的に足りない状態だ。
 つまるところ教育しなおしとなった訳だが、当然ながら船もない状態だ
 そこで、オルドリッジ様の好意により、造船技術移転が前倒しで行われる様になった。
 それも時間のかかる話で、アレシフェルン王国に対する攻勢はお預け状態となっている。

 どのみち、アレシフェルン王国へ遠征するとなると陸軍を何割か割かなくてはならない。
 だが、ソルレーンとの対峙しているせいでそれができない状態だ。
 結局、単独では手詰まりな状態で、半年前の反乱から王都も守りを開ける訳にはいかず、国境もまた同様だ。
 誰に乗せられたのかは兎も角、見事に行動を封じられた訳だ。
 一応、ラミレス王国にいる三万の騎士団に頼めばその一角は賄って貰えるだろうが、海外派兵を頼んでは無責任すぎるし、国内の防御を任せれば、それ相応の反発があるのは必須だ。
 だからこそ、今、最優先で対処せねばならないのはソルレーンとプルサウンと言う事になる。

 ラミレス王国に行くとなると、街道はプルサウンを経由しているのが目下の問題だ。
 それを回避するのに、一つの計画があった。
 妻と出会った森が開拓する事ができれば、プルサウンを経由せずにラミレス王国と行き来ができる様になる。
 それを解決するには広大な森と高低差、所有権という問題があったが、どちらも最近、ようやく国有となった。

 その調整にどれほどの時間を費やしたかは、まぁどうでもいい話だ。
 ともあれ、半年前、ファーヴニルに頼んだ事が実を結ぼうとしていたのだ。
 当のファーヴニルとはどれだけ離れていても話してくる。
 私が学園で、しかも授業中にうたた寝していても容赦なくだ。

『そろそろ、開通させるぞ』

『人払いは済んでいる。終わったら教えてくれ。もうちょっと寝てたいんだ』

『つれない事を言うのだな。私ばかりに働かせるとは、なんて親不孝者だ』

『未来の嫁のいう事を聞くのも、夫の甲斐性って奴だろ?』

『ぬかしよる』

 そんな会話がされてるとは誰も想像にもしなかっただろう。
 直後、校舎が少し揺れたが想定した事なのでうたた寝を続行しようとした。
 実際はファーヴニルがやった事で、その振動が王都まで届いているのだ。
 その振動で生徒がざわついたのは当然の事だ。
 地震なんて珍しい現象は誰もが動揺する。
 以前は私だってそうだったと懐かしく思った。

 この世が終わるかもしれないなんて騒ぎ立てる者を横目にファーヴニルと話をする。
 国境当たりが盆地になっていて、その盆地からバーランド側に向けて圧縮魔力弾を撃ち込んだそうだ。
 その圧縮魔力弾が山を貫ききったところでファーヴニルの思念体が上空に弾いた。
 精密な作業なのだが、それを成し遂げるのは流石と言った所だ。
 さらにもう一度、ラミレス側に向けて撃ち込んだみたいだが、その振動はさほどでもなかった。

『後は知らんぞ、かなり大きいが空いた穴は筒状だから足場を作るのは頑張る事だな』

『ああ、助かる、流石未来の旦那だな』

『ふん・・・この程度余裕である。また困ったら言うが良い』

 そもそも、自分の子供と結婚するという近親相姦が普通に行われるとは竜の感性はよくわからん。
 しかし、それを咎める他人ドラゴンが居ないのだから問題にもならない訳だ。
 それだけ、個体数が減っているという事らしいが、いつからそんな状態になってしまったのやらだ。

 ここからは通路を平坦にしたり、支柱を建てたり、照明の埋め込みといった作業と盆地の開拓が待っている。
 盆地の開拓は森を切り開き、小さな町を作る予定だ。
 その開拓はラミレス側が主導で行っていて殆ど口を出してはいない。
 冗談なのかは分からないが、ファーヴニルを崇める神殿を作るとか言ってた。

「あの、カロリーナ様、この振動、何か恐ろしい出来事の前触れでしょうか、私、恐ろしくて」

 クラスメイトの一人の漠然とした質問だった。

「なに、問題ないよ。ちょっとした大がかりな工事の音だからね」

「そうなのですか、予定内の事でしたら安心ですわ」

「安心ついでに、騒いでる奴らにも言って回ってくれないか」

 なにやら、怯える人を集めて予言めいた事を言い出す奴や、この世の終わりだからと抱き合ってるのは男女だけでなく、女同士、男同士でも行われていた。
 貴族がこんな臆病でどうするんだとため息が出る程だ。

 そういえば、卒業していった生徒会の先輩方は皆、優秀な戦闘力を持っていたり、何らかの技能に長けていた上に勇敢であった。
 実は、その実力の根源には学園内にある特殊なダンジョンにあった。
 ほぼ生徒会専用のそのダンジョンはハードな訓練ができるもので、今の三年は卒業した先輩方ほどでないにしろ、十分高い能力を得ていた。
 私はあまり行きたいとは思えないが、二年生同学年は毎日のように通っている。
 そして彼らの会話は歪な物となっていた。
「今日、4回も死んじゃった~」「へへ、私は10回だよ、もう癖になってきたよ」
 こんな気持ち悪い会話が繰り広げられる。
 そう、このダンジョンはドロップがない代わりに死んでも生還できるという特殊性があるのだ。
 その為、廃墟にあるダンジョンは使われなくなって廃れたという話があるらしい。
 私はドロップが欲しいから廃墟の方に行くのは当然の事だ。

 生徒会の副会長と言う立場は忙しくはなかった。
 生徒会長の兄が何もかもしてくれてるからと言うのもあったが、一学期は特に大きなイベントもなく、暇なのだ。
 それでも、生徒会の集まりに顔を出すのは、ウィリアムの成長を確認する為だった。

 *

「兄よ、噂で父の政務の手伝いをしていると聞いたのだが、本当なのか?」
「本当だよ。珍しく心配してくれているのかい?」
「そうか、助かるよ。本来は私がすべき仕事だったのにな」
「いやいや、こんな体験中々できないからね、勉強になるよ」
「そうか、なら差し入れ手に焼き菓子を持ってきたが要らないかな」
「それは必要だ!」
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