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第二章 軍属大学院 入学 編
85.詳細は学校にて-Ⅰ
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「あの、この料理はエフィさんが作ってくださったんですか?」
「はい、そうでございますよ。簡単なものばかりですが、お口の方には合いましたでしょうか?」
自分の質問にエフィさんは柔らかな笑顔で答える。
正直口に合うなどという次元ではないほどに美味しい。
どうにかこの感動とも言えるような気持ちを伝えたいのだが――
「は、はい! その、えっと……凄く美味しかったです!」
相変わらずどうにも"美味しい"以外の感想が出てこない。
キュウも同じ様な気持ちなのか、隣でいつもの様にキュウキュウと鳴いているが、内容はおおよそ『おいしかった』と言っているだけだ。
あまりの美味しさに言葉が出ないといった様な状態なのだとは思うのだが、ここまで自分の意思に行動が反してしまうというのが納得できない。
「はぁ……おいエフィ、いったい何割くらいで作ったんだ? 何も知らねぇもんだからボウズが困惑してんじゃねぇか!」
自分が悩んでいる様子を見てか、ティストさんがそんな事を言い出した。
「何割? 何の事ですか?」
「うふふ。今回はちょっと張り切って八割程で作ってみましたの。満足していただけたようで良かったですわ」
「なっ!? 八割って……。ボウズお前……よく『美味しい』だけでも言えたな……」
自分の疑問も余所に話だけが勝手に進み、エフィさんは笑みを浮かべたままだがティストさんはまるで化け物でも見るかの様な目で自分の事を見てくる。
何が何やらさっぱりだ。
「えっと……どういう事ですか?」
埒が明かないので聞いてみると、ティストさんは少し困った顔で頭を掻きながら答える。
「何て言ったもんか……。まあエフィが本気で料理作ると美味すぎて誰も彼もが言葉を失っちまうっていうかなぁ……。エフィはそういうシエラを持ってんだよ」
「うふふ。分類的には"効率"のシエラと言いましてね。素材の味を引き出しているのですわ」
「な、なるほど……。そんなシエラもあるんですね……。というよりこの美味しさで八割って、もし本気の本気ならどれだけ美味しいんですかね……?」
そんな自分の素朴な疑問に対して返ってきたティストさんの答えは、なかなか衝撃的なもので――
「最悪寝たきりになるな。たぶん」
「えっ……!? 寝たきりですか……?」
「確かに昔そんな事もありましたねぇ。すぐに本気で気付け薬を作って無理矢理飲ませてどうにかなりましてけどね」
「美味に対する感動から感謝を述べたいのにも関わらず、美味しすぎるが故に言葉が出てこないもので、巷では『賛辞殺し』などと呼ばれておりましたなぁ」
エフィさんとハヴァリーさんはやたらほのぼのとした様子でそんな事を言っているが、それはもう一種の兵器なのではないだろうか。
つまり絶賛"賛辞殺し"を受けている自分の様子を見て、ティストさんはエフィさんが来ている事を察したわけだ。
(何だろう……。これからもこんな美味しい物が食べられるっていうのに、素直に喜べない……)
美味しいものが食べられるのはとても嬉しい事なのだが、流石に寝たきりになる可能性があると思うと喜んで良いものかどうか怪しくなってくる。
寝たきりになったというのは恐らく『幸せ過ぎて天に召されそうになった』という事なのだろう。
(幸せかもしれないけど、嫌な死に方だな……)
そんな自分の心配気な思考が顔に出てしまっていたのかは知らないが、エフィさんは苦笑しながら口を開く。
「そんなに心配なさらずとも、ちゃんと普段のお料理は六割から七割程度に抑えますから安心してくださいませ」
「あ、はい。……すみません」
せっかく作ってもらうというのに、少し失礼だったかもしれない。
実際に気付け薬とやらで意識を回復出来た事例もあるわけだし、もし本気の料理を出されたとしても完食して幸せに意識を失うくらいの覚悟でこれからは食事に臨もう。
「はい、そうでございますよ。簡単なものばかりですが、お口の方には合いましたでしょうか?」
自分の質問にエフィさんは柔らかな笑顔で答える。
正直口に合うなどという次元ではないほどに美味しい。
どうにかこの感動とも言えるような気持ちを伝えたいのだが――
「は、はい! その、えっと……凄く美味しかったです!」
相変わらずどうにも"美味しい"以外の感想が出てこない。
キュウも同じ様な気持ちなのか、隣でいつもの様にキュウキュウと鳴いているが、内容はおおよそ『おいしかった』と言っているだけだ。
あまりの美味しさに言葉が出ないといった様な状態なのだとは思うのだが、ここまで自分の意思に行動が反してしまうというのが納得できない。
「はぁ……おいエフィ、いったい何割くらいで作ったんだ? 何も知らねぇもんだからボウズが困惑してんじゃねぇか!」
自分が悩んでいる様子を見てか、ティストさんがそんな事を言い出した。
「何割? 何の事ですか?」
「うふふ。今回はちょっと張り切って八割程で作ってみましたの。満足していただけたようで良かったですわ」
「なっ!? 八割って……。ボウズお前……よく『美味しい』だけでも言えたな……」
自分の疑問も余所に話だけが勝手に進み、エフィさんは笑みを浮かべたままだがティストさんはまるで化け物でも見るかの様な目で自分の事を見てくる。
何が何やらさっぱりだ。
「えっと……どういう事ですか?」
埒が明かないので聞いてみると、ティストさんは少し困った顔で頭を掻きながら答える。
「何て言ったもんか……。まあエフィが本気で料理作ると美味すぎて誰も彼もが言葉を失っちまうっていうかなぁ……。エフィはそういうシエラを持ってんだよ」
「うふふ。分類的には"効率"のシエラと言いましてね。素材の味を引き出しているのですわ」
「な、なるほど……。そんなシエラもあるんですね……。というよりこの美味しさで八割って、もし本気の本気ならどれだけ美味しいんですかね……?」
そんな自分の素朴な疑問に対して返ってきたティストさんの答えは、なかなか衝撃的なもので――
「最悪寝たきりになるな。たぶん」
「えっ……!? 寝たきりですか……?」
「確かに昔そんな事もありましたねぇ。すぐに本気で気付け薬を作って無理矢理飲ませてどうにかなりましてけどね」
「美味に対する感動から感謝を述べたいのにも関わらず、美味しすぎるが故に言葉が出てこないもので、巷では『賛辞殺し』などと呼ばれておりましたなぁ」
エフィさんとハヴァリーさんはやたらほのぼのとした様子でそんな事を言っているが、それはもう一種の兵器なのではないだろうか。
つまり絶賛"賛辞殺し"を受けている自分の様子を見て、ティストさんはエフィさんが来ている事を察したわけだ。
(何だろう……。これからもこんな美味しい物が食べられるっていうのに、素直に喜べない……)
美味しいものが食べられるのはとても嬉しい事なのだが、流石に寝たきりになる可能性があると思うと喜んで良いものかどうか怪しくなってくる。
寝たきりになったというのは恐らく『幸せ過ぎて天に召されそうになった』という事なのだろう。
(幸せかもしれないけど、嫌な死に方だな……)
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「そんなに心配なさらずとも、ちゃんと普段のお料理は六割から七割程度に抑えますから安心してくださいませ」
「あ、はい。……すみません」
せっかく作ってもらうというのに、少し失礼だったかもしれない。
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