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今日もギルドでクダを巻く
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ここはイチノ。王都から2ヶ月ほど船で揺られてようやく到着できる、小さな港町である。
昨年、勇者パーティが魔王を倒すという快挙を成し遂げたため、
船の行き来もしやすくなり、一時の不景気を取り戻すかのように、商売船が行き交う様子が、
あちこちで見られるようになった。
商売船は、まだ残った魔物から身を守るために、冒険者を雇う。
このため、イチノには、剣士、魔法使い、武闘家、賢者といったありとあらゆる冒険者が、
移動手段や一時の職を求めて集まってくる。
こういった冒険者の取りまとめと、クエスト受注を請け負うのが、ギルド組織である。
冒険者の登録や管理、クエストの管理、戦利品の買取、クエストで儲けたゴールドをアテにした
酒場までが経営され、いつも人が賑わっている。
そのイチノの町のギルド。入り口近くには、女子供なら思わず目をそらしてしまいそうな、
ガラの悪い集団がたむろしている。
まあ、ギルドならばよく見られる光景だと言えるだろう。
「すみません、冒険者登録をしたいのですが……」
「おい、見かけない奴がやってきたぜ」
冒険者希望者は、ギルドで、冒険者登録をして、初めてクエストを受注して、活動できる。
しかし、肝心のそのギルドの入り口で、まず邪魔が入る。
「なんだぁ、やけにひょろっちぃ奴がやってきたな」
「おい、ニイちゃん、ここは子供の遊び場じゃないんだ。ママに怒られないうちにトットと出て行きな」
「こいつ、いっちょ前に、オンナを連れてやがるぜ。おい、ねえちゃん。こんな奴放っておいてオレたちと遊ぼうぜ」
下品な言葉が情け容赦なく浴びせられ、冒険者希望者の心を折りにくるのだ。
「なんだ、キミたちは。ボクはここに冒険者登録を……」
「おうおう、お上品なことだな」
「冒険者登録ならオレが試してやるよ、ほら、俺を倒してみな。そしたら、話ぐらい聞いてやるよ。」
理不尽な言いがかり、そしてカラミ。
「くそっ、このギルドの職員はなにをしているんだ。誰かぁ!誰か、話を聞いてもらえませんかぁ!?」
「ねぇ、もうこのギルドはやめておきましょうよ。王都まで行ったら、もっとちゃんとしたギルドで登録できるわよ」
「全く何てギルドだ。」
そして、冒険者登録をあきらめるものも出てくる始末である。
「ヒャッハー!おぼっちゃん、お嬢ちゃん、二度とくるなよー!!」
そして後に残る俺たちの嘲るような笑い声。このギルドは、だいたい、いつもこんな感じだ。
「おう、みんな、おつかれ」
「マッシュさんも、おつかれさまでした」
このギルドの入り口で、たむろっている、俺たち。別に、ギルドの邪魔をしているわけではない。
これもギルドから依頼された、れっきとした仕事なのだ。
俺は、昨年、魔王を倒したパーティの一人で、武道家のマッシュ。
このイチノの町のギルドで、新人にカラむ仕事をしています。マジで、どうしてこうなった。
昨年、勇者パーティが魔王を倒すという快挙を成し遂げたため、
船の行き来もしやすくなり、一時の不景気を取り戻すかのように、商売船が行き交う様子が、
あちこちで見られるようになった。
商売船は、まだ残った魔物から身を守るために、冒険者を雇う。
このため、イチノには、剣士、魔法使い、武闘家、賢者といったありとあらゆる冒険者が、
移動手段や一時の職を求めて集まってくる。
こういった冒険者の取りまとめと、クエスト受注を請け負うのが、ギルド組織である。
冒険者の登録や管理、クエストの管理、戦利品の買取、クエストで儲けたゴールドをアテにした
酒場までが経営され、いつも人が賑わっている。
そのイチノの町のギルド。入り口近くには、女子供なら思わず目をそらしてしまいそうな、
ガラの悪い集団がたむろしている。
まあ、ギルドならばよく見られる光景だと言えるだろう。
「すみません、冒険者登録をしたいのですが……」
「おい、見かけない奴がやってきたぜ」
冒険者希望者は、ギルドで、冒険者登録をして、初めてクエストを受注して、活動できる。
しかし、肝心のそのギルドの入り口で、まず邪魔が入る。
「なんだぁ、やけにひょろっちぃ奴がやってきたな」
「おい、ニイちゃん、ここは子供の遊び場じゃないんだ。ママに怒られないうちにトットと出て行きな」
「こいつ、いっちょ前に、オンナを連れてやがるぜ。おい、ねえちゃん。こんな奴放っておいてオレたちと遊ぼうぜ」
下品な言葉が情け容赦なく浴びせられ、冒険者希望者の心を折りにくるのだ。
「なんだ、キミたちは。ボクはここに冒険者登録を……」
「おうおう、お上品なことだな」
「冒険者登録ならオレが試してやるよ、ほら、俺を倒してみな。そしたら、話ぐらい聞いてやるよ。」
理不尽な言いがかり、そしてカラミ。
「くそっ、このギルドの職員はなにをしているんだ。誰かぁ!誰か、話を聞いてもらえませんかぁ!?」
「ねぇ、もうこのギルドはやめておきましょうよ。王都まで行ったら、もっとちゃんとしたギルドで登録できるわよ」
「全く何てギルドだ。」
そして、冒険者登録をあきらめるものも出てくる始末である。
「ヒャッハー!おぼっちゃん、お嬢ちゃん、二度とくるなよー!!」
そして後に残る俺たちの嘲るような笑い声。このギルドは、だいたい、いつもこんな感じだ。
「おう、みんな、おつかれ」
「マッシュさんも、おつかれさまでした」
このギルドの入り口で、たむろっている、俺たち。別に、ギルドの邪魔をしているわけではない。
これもギルドから依頼された、れっきとした仕事なのだ。
俺は、昨年、魔王を倒したパーティの一人で、武道家のマッシュ。
このイチノの町のギルドで、新人にカラむ仕事をしています。マジで、どうしてこうなった。
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