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第三章 嘘の幸せと真実の絶望と
64 隠密刺客02
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「全滅かぁ?使えねぇぜ」
張り詰めた空気に変化を与えたのは巨漢の言葉だった。
「てめぇらがやったのか?あぁ!?」
こちらを見て巨漢の男は叫んでいるが、乱暴な口調が性格の荒々しさを表していた。
「なんだてめぇら!結婚式帰りか!?」
「聞いてるのはこっちなんだよ!」
所長の問いかけに、今度は小柄な方が叫んできた。
「こっちも聞いてんだよ!先に聞くな!」
「所長、煽っちゃ駄目ですよ」
完全に売り言葉に買い言葉で所長に余裕が見られたが平気なのか?俺はそれどころではない。さっきからこいつら二人のプレッシャーに押されている感覚だった。
「ムカつくなコイツら、殺《や》ってしまおうぜ、セルフィーオ!」
「慌てるな、ダンパー。どうせならなぶり殺しにしてやるか?」
怖ろしい発言を、愉快そうに言うコイツらは、何者なのだろうか?。
麻薬組織の人間にしては何かが違う、そう人間の姿をしているのに人間っぽくない感じを受けるのだ。
特に二人の目が、爬虫類系のような冷たく、常に警戒心を持って臨戦態勢を整えているような感じだった。この状況だからそう思ったのかもしれない。
殺す殺さないって発言が、脅しなのか本気で殺しにくるのかはわからなかったが、俺はさっきの強力な“W”に殺されそうになったのを思い出した。
仮にさっきの“W”が喋れたとしたらと考えると、殺す殺さないって言ってきただろう。
だとしたらコイツらは人型の“W”ってことか、もしくは“W”に関係ある奴等か、どちらにしても味方ではないってことは間違いなさそうだ。
「う、うぅ……」
どうやら倒れていた麻薬組織の連中も段々と意識を取り戻してきたようだ。
「大勢が捕まったとあっちゃ、やりにくくなるんでねぇ。ダンパー!」
「へっへっへー」
巨漢の方が笑いながら両手をだらーんとノーガード戦法のような体勢にしたかと思うと次の瞬間、電気ショックを与えたかのように大きくビクつき、一回り大きくなった。
それが三度繰り返し終わるころには更に大きくなり、しかも首から上の部分が竜のようになっていた。
天井に向かって雄たけびをあげる名はダンパーと呼ばれていた巨漢の男、今度は両手がスルスルと伸びて地面に広がる。
紐状になった腕は先が鋭利になったかと思うと、麻薬組織の連中に狙いを定めるかのようにした後、勢いよく胸を次々と串刺しにしていった。まるで大蛇が獲物を捕獲するように。
半分くらいの連中が串刺しにされただろう、なんとそいつらを竜の大きな口を開けて噛砕き、喰ってしまったのだ。
反対の手でも同じように残りの連中も串刺しにして喰ってしまった。
意識が戻った麻薬組織の奴らの悲鳴はダンパーという竜の化け物の胃袋に消えて行った。
「不味い人間だ」
「よくそんなのが喰えるぜ。おい!お前らも調子に乗ってるとコイツに喰われるぞ!ハッハー!」
おぞましいものを見せられたが、コイツ等にとっては普通のことなのだろうか。
「趣味の悪い奴に喰われたくないもんでね、断っておくよ」
「お前等に断る権利があると思うなよ」
これは完全に殺人体制に入っていることだろうか。そうなったら俺は何ができるのだろうか。所長の足手まといになるだけだったらいない方が良かったのかもと、不安が不安呼んだ。
張り詰めた空気に変化を与えたのは巨漢の言葉だった。
「てめぇらがやったのか?あぁ!?」
こちらを見て巨漢の男は叫んでいるが、乱暴な口調が性格の荒々しさを表していた。
「なんだてめぇら!結婚式帰りか!?」
「聞いてるのはこっちなんだよ!」
所長の問いかけに、今度は小柄な方が叫んできた。
「こっちも聞いてんだよ!先に聞くな!」
「所長、煽っちゃ駄目ですよ」
完全に売り言葉に買い言葉で所長に余裕が見られたが平気なのか?俺はそれどころではない。さっきからこいつら二人のプレッシャーに押されている感覚だった。
「ムカつくなコイツら、殺《や》ってしまおうぜ、セルフィーオ!」
「慌てるな、ダンパー。どうせならなぶり殺しにしてやるか?」
怖ろしい発言を、愉快そうに言うコイツらは、何者なのだろうか?。
麻薬組織の人間にしては何かが違う、そう人間の姿をしているのに人間っぽくない感じを受けるのだ。
特に二人の目が、爬虫類系のような冷たく、常に警戒心を持って臨戦態勢を整えているような感じだった。この状況だからそう思ったのかもしれない。
殺す殺さないって発言が、脅しなのか本気で殺しにくるのかはわからなかったが、俺はさっきの強力な“W”に殺されそうになったのを思い出した。
仮にさっきの“W”が喋れたとしたらと考えると、殺す殺さないって言ってきただろう。
だとしたらコイツらは人型の“W”ってことか、もしくは“W”に関係ある奴等か、どちらにしても味方ではないってことは間違いなさそうだ。
「う、うぅ……」
どうやら倒れていた麻薬組織の連中も段々と意識を取り戻してきたようだ。
「大勢が捕まったとあっちゃ、やりにくくなるんでねぇ。ダンパー!」
「へっへっへー」
巨漢の方が笑いながら両手をだらーんとノーガード戦法のような体勢にしたかと思うと次の瞬間、電気ショックを与えたかのように大きくビクつき、一回り大きくなった。
それが三度繰り返し終わるころには更に大きくなり、しかも首から上の部分が竜のようになっていた。
天井に向かって雄たけびをあげる名はダンパーと呼ばれていた巨漢の男、今度は両手がスルスルと伸びて地面に広がる。
紐状になった腕は先が鋭利になったかと思うと、麻薬組織の連中に狙いを定めるかのようにした後、勢いよく胸を次々と串刺しにしていった。まるで大蛇が獲物を捕獲するように。
半分くらいの連中が串刺しにされただろう、なんとそいつらを竜の大きな口を開けて噛砕き、喰ってしまったのだ。
反対の手でも同じように残りの連中も串刺しにして喰ってしまった。
意識が戻った麻薬組織の奴らの悲鳴はダンパーという竜の化け物の胃袋に消えて行った。
「不味い人間だ」
「よくそんなのが喰えるぜ。おい!お前らも調子に乗ってるとコイツに喰われるぞ!ハッハー!」
おぞましいものを見せられたが、コイツ等にとっては普通のことなのだろうか。
「趣味の悪い奴に喰われたくないもんでね、断っておくよ」
「お前等に断る権利があると思うなよ」
これは完全に殺人体制に入っていることだろうか。そうなったら俺は何ができるのだろうか。所長の足手まといになるだけだったらいない方が良かったのかもと、不安が不安呼んだ。
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