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第三章 嘘の幸せと真実の絶望と
67 属性と特性と秘めたる思いと
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「あいつら一体何者だったんでしょうかね?」
「さぁな。ただ、これからはゆっくりしてるわけにはいかないってことは確かだな」
倉庫を後にして俺達は帰路につく。色々聞きたいことがあるのだが、大丈夫なのか心配でもあった。
海から聞こえる波の音は、先程の戦いに全く関知せず立っていたはずなのに、どこか心を落ち着かせてくれる。
「今の二人、いや三人か。所長だったら勝ててました?」
「どうだろうな。全開じゃないって言ってたから、王ってのが復活したら何故、力が全開になるか知らんが、想像を超えてたら勝てないかもな」
逆に取れば、今の状態だったら勝てるということだろうか。しかも三人同時でも?全開になっても想像の範囲内だったら……甘い考えはやめておこう。
ただ、所長の力はまだ全然底を見せてくれてないってことは確かだ。
「四大明王って他に三人いるってことですか?」
「あぁ、いつからか勝手に言ってるだけで大したことないんだよ。言葉が勝手に独り歩きしてるだけだ。こないだ来た、火傘車もその一人だ。だから大したことないんだよ。後の二人もまたいずれ会うことになるだろうよ」
火傘車さんが入ってるから、大したことないって意味なのか?それとも火傘車さんも所長レベルの強さだけど、大したことないって意味なのだろうか?
やる気はある。俺はニートを卒業して晴れて就職をして順調に生活しているわけだが、もしかしたらとんでもない世界に足を踏み入れたのかもしれない。
逃げる?逃げるなら早いうちが良いだろう。
何処へ?逃げてもニートの生活が待ってるだけなんだ。
死んだようにニートで生きてるよりも、死ぬかもしれないけど今の生活を俺は選びたい。だけど易々と死ぬわけにはいかないから死なない努力を積み重ねることしかない。
「先の大戦って、以前にも大きな戦いがあったのですか?」
「あぁ、大昔な。俺がまだ入りたてのぺーぺーだった頃だからな。もう忘れたよ……」
大きな戦いを忘れるはずがない。忘れたくても忘れられないんじゃないかと思ったが、思い出したくないこともあるのだなと思って、大戦の事を聞いたのを後悔した。
「それよりウタル、最後の集中は良かったぞ。あの状態なら俺の技も出せただろうに」
「ありがとうございます。ただ、あれは無意識になれた状態でして意識的になろうとしたんじゃないっていうか、上手く説明できないんですけどね」
口で説明もできなければ、今すぐやってみろと言われてもできる自信はなかった。
ピンチだから、自然とあの状態になれたのだろうか?
だけど所長も後ろにいたし、ピンチという程でもなかったかもしれない。少なくとも所長に頼り切っていたあの時は。
無我夢中でもなかった。
「ただ、心を落ち着かせるのに集中してるうちにあの状態になったんです。意識はあるのに、心の中に無意識の自分がもう一人いて、そのもう一人の自分が戦っているような……」
やはり、口で説明は難しかった。
「さぁな。ただ、これからはゆっくりしてるわけにはいかないってことは確かだな」
倉庫を後にして俺達は帰路につく。色々聞きたいことがあるのだが、大丈夫なのか心配でもあった。
海から聞こえる波の音は、先程の戦いに全く関知せず立っていたはずなのに、どこか心を落ち着かせてくれる。
「今の二人、いや三人か。所長だったら勝ててました?」
「どうだろうな。全開じゃないって言ってたから、王ってのが復活したら何故、力が全開になるか知らんが、想像を超えてたら勝てないかもな」
逆に取れば、今の状態だったら勝てるということだろうか。しかも三人同時でも?全開になっても想像の範囲内だったら……甘い考えはやめておこう。
ただ、所長の力はまだ全然底を見せてくれてないってことは確かだ。
「四大明王って他に三人いるってことですか?」
「あぁ、いつからか勝手に言ってるだけで大したことないんだよ。言葉が勝手に独り歩きしてるだけだ。こないだ来た、火傘車もその一人だ。だから大したことないんだよ。後の二人もまたいずれ会うことになるだろうよ」
火傘車さんが入ってるから、大したことないって意味なのか?それとも火傘車さんも所長レベルの強さだけど、大したことないって意味なのだろうか?
やる気はある。俺はニートを卒業して晴れて就職をして順調に生活しているわけだが、もしかしたらとんでもない世界に足を踏み入れたのかもしれない。
逃げる?逃げるなら早いうちが良いだろう。
何処へ?逃げてもニートの生活が待ってるだけなんだ。
死んだようにニートで生きてるよりも、死ぬかもしれないけど今の生活を俺は選びたい。だけど易々と死ぬわけにはいかないから死なない努力を積み重ねることしかない。
「先の大戦って、以前にも大きな戦いがあったのですか?」
「あぁ、大昔な。俺がまだ入りたてのぺーぺーだった頃だからな。もう忘れたよ……」
大きな戦いを忘れるはずがない。忘れたくても忘れられないんじゃないかと思ったが、思い出したくないこともあるのだなと思って、大戦の事を聞いたのを後悔した。
「それよりウタル、最後の集中は良かったぞ。あの状態なら俺の技も出せただろうに」
「ありがとうございます。ただ、あれは無意識になれた状態でして意識的になろうとしたんじゃないっていうか、上手く説明できないんですけどね」
口で説明もできなければ、今すぐやってみろと言われてもできる自信はなかった。
ピンチだから、自然とあの状態になれたのだろうか?
だけど所長も後ろにいたし、ピンチという程でもなかったかもしれない。少なくとも所長に頼り切っていたあの時は。
無我夢中でもなかった。
「ただ、心を落ち着かせるのに集中してるうちにあの状態になったんです。意識はあるのに、心の中に無意識の自分がもう一人いて、そのもう一人の自分が戦っているような……」
やはり、口で説明は難しかった。
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