19 / 138
混浴風呂
19
しおりを挟む
「ちょっと約束の時間、何時だと思っているの?」
「ゴメン、マヌガレータちゃん。お兄ちゃんにトイレの仕方教えてたからギリギリになちゃったね」
機関車の入り口で仁王立ちしている、超ミニスカートを穿いたマヌガレータと呼ばれる女は、俺達が入り口に差し掛かったと同時にまくし立ててきた。
「もう少しマシな言い訳できないわけ?」
そりゃ確かにごもっともな意見だが、事実なのだから仕方ない。その上ふんどしの仕方まで教わっていたのだから。
おかげで無事用を足すことができたわけなのだから。
怒るマヌガレータを横目に俺とミゼルは機関車に飛び乗った。既に発車の汽笛が駅構内に鳴り響いている。入り口の前に立っているマヌガレータに中から問う。
「乗らないのか?」
「ちょ、乗るに決まっているでしょ!」
慌てて駆け上がり、進みだした機関車に飛び乗った拍子にミニスカートがひらりと浮く。
「委員長として全員の点呼を取って貴方達がいないから待ってたのに、なんで貴方達が先に乗って私の心配をするのよ!」
かなりの御立腹である。マヌガレータというこの女、整った顔立ちだが性格に合ったような少し吊り上がった目が特徴的だ。低い身長にコンプレックスでもあるような感じの強がった物言いは威圧的である。組んだ両腕に乗っかっかるような巨乳はかなりの大きさであると服の上からでもわかるようだ。
この世界の成長は一体どうなっているのだ。
「どこジロジロ見てんのよ?」
マヌガレータに指摘され、ドキッとする。慌てて目線を下に向けて誤魔化したが、
「だいたい車内でも騒ぎすぎですわ。バナナなんて何本も食べれないでしょうに! 歳の離れたお兄さんがいるからって皆が皆羨ましいと思ったら大間違いですわ!」
「はぁ、なんだかすいません」
十歳と言えど見た目高校生、いやマヌガレータは巨乳の中学生だが、委員長だからってやけに上から目線だなと思いながら謝った。
ミゼルも横でシュンとなっていた。
「家に帰るまで大人しくしててもらいたいもんですわ、まったく。今度迷惑かけたら先生に言って途中で帰ってもらいますからね!」
怒りは収まらないままこの場を立ち去ろうとしたマヌガレータだったが、飛び乗った拍子にミニスカートがどうやら引っ掛かっていたようで、一歩踏み出した途端にうつ伏せで転んでしまった。
脱げてしまったミニスカートはひらひらと引っ掛かっていたので、飛んでいってはマズイと思い取ってあげた。
俺はこの異世界の女性もふんどしなのだということをマヌガレータのプリンとした可愛らしいお尻から学んだ。
乗客席に渡る車輌の通路に俺達三人はいたので、幸いにもふんどしで倒れているマヌガレータを見ているのは俺とミゼルだけだった。
「マヌガレータちゃん、大丈夫?」
心配そうに言えば良かったのだが、ミゼルが半分笑いながら声を掛けたのが悪かったのだろう。
プライドが邪魔をするのか、直ぐには起き上がらず、ワナワナと振り返って俺を見上げてくる。
「あんた達が早く帰ってこないからこうなったのよ」
もの凄いこじ付けだが、あながち間違いでもない気もする。そんなミニスカートでなければ引っ掛かっていないのではないかと思ったが、火に油を注ぐような気がしたので、言葉を呑み込んだ。
「ゴメン、マヌガレータちゃん。お兄ちゃんにトイレの仕方教えてたからギリギリになちゃったね」
機関車の入り口で仁王立ちしている、超ミニスカートを穿いたマヌガレータと呼ばれる女は、俺達が入り口に差し掛かったと同時にまくし立ててきた。
「もう少しマシな言い訳できないわけ?」
そりゃ確かにごもっともな意見だが、事実なのだから仕方ない。その上ふんどしの仕方まで教わっていたのだから。
おかげで無事用を足すことができたわけなのだから。
怒るマヌガレータを横目に俺とミゼルは機関車に飛び乗った。既に発車の汽笛が駅構内に鳴り響いている。入り口の前に立っているマヌガレータに中から問う。
「乗らないのか?」
「ちょ、乗るに決まっているでしょ!」
慌てて駆け上がり、進みだした機関車に飛び乗った拍子にミニスカートがひらりと浮く。
「委員長として全員の点呼を取って貴方達がいないから待ってたのに、なんで貴方達が先に乗って私の心配をするのよ!」
かなりの御立腹である。マヌガレータというこの女、整った顔立ちだが性格に合ったような少し吊り上がった目が特徴的だ。低い身長にコンプレックスでもあるような感じの強がった物言いは威圧的である。組んだ両腕に乗っかっかるような巨乳はかなりの大きさであると服の上からでもわかるようだ。
この世界の成長は一体どうなっているのだ。
「どこジロジロ見てんのよ?」
マヌガレータに指摘され、ドキッとする。慌てて目線を下に向けて誤魔化したが、
「だいたい車内でも騒ぎすぎですわ。バナナなんて何本も食べれないでしょうに! 歳の離れたお兄さんがいるからって皆が皆羨ましいと思ったら大間違いですわ!」
「はぁ、なんだかすいません」
十歳と言えど見た目高校生、いやマヌガレータは巨乳の中学生だが、委員長だからってやけに上から目線だなと思いながら謝った。
ミゼルも横でシュンとなっていた。
「家に帰るまで大人しくしててもらいたいもんですわ、まったく。今度迷惑かけたら先生に言って途中で帰ってもらいますからね!」
怒りは収まらないままこの場を立ち去ろうとしたマヌガレータだったが、飛び乗った拍子にミニスカートがどうやら引っ掛かっていたようで、一歩踏み出した途端にうつ伏せで転んでしまった。
脱げてしまったミニスカートはひらひらと引っ掛かっていたので、飛んでいってはマズイと思い取ってあげた。
俺はこの異世界の女性もふんどしなのだということをマヌガレータのプリンとした可愛らしいお尻から学んだ。
乗客席に渡る車輌の通路に俺達三人はいたので、幸いにもふんどしで倒れているマヌガレータを見ているのは俺とミゼルだけだった。
「マヌガレータちゃん、大丈夫?」
心配そうに言えば良かったのだが、ミゼルが半分笑いながら声を掛けたのが悪かったのだろう。
プライドが邪魔をするのか、直ぐには起き上がらず、ワナワナと振り返って俺を見上げてくる。
「あんた達が早く帰ってこないからこうなったのよ」
もの凄いこじ付けだが、あながち間違いでもない気もする。そんなミニスカートでなければ引っ掛かっていないのではないかと思ったが、火に油を注ぐような気がしたので、言葉を呑み込んだ。
0
あなたにおすすめの小説
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
悪役令嬢の慟哭
浜柔
ファンタジー
前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。
だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。
※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。
※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。
「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。
「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。
ヒロインだと言われましたが、人違いです!
みおな
恋愛
目が覚めたら、そこは乙女ゲームの世界でした。
って、ベタすぎなので勘弁してください。
しかも悪役令嬢にざまあされる運命のヒロインとかって、冗談じゃありません。
私はヒロインでも悪役令嬢でもありません。ですから、関わらないで下さい。
悪徳領主の息子に転生しました
アルト
ファンタジー
悪徳領主。その息子として現代っ子であった一人の青年が転生を果たす。
領民からは嫌われ、私腹を肥やす為にと過分過ぎる税を搾り取った結果、家の外に出た瞬間にその息子である『ナガレ』が領民にデカイ石を投げつけられ、意識不明の重体に。
そんな折に転生を果たすという不遇っぷり。
「ちょ、ま、死亡フラグ立ち過ぎだろおおおおお?!」
こんな状態ではいつ死ぬか分かったもんじゃない。
一刻も早い改善を……!と四苦八苦するも、転生前の人格からは末期過ぎる口調だけは受け継いでる始末。
これなんて無理ゲー??
【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』
ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる