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馬並みですか?それ以上ですか?

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 しばらくブラブラして時間を潰したところで、馬を手配していた商人が呼びに来た。

「お待たせしました」

 手を揉み揉みしながら顔は笑っているが腹の中は何考えているかわからないようなオヤジだ。こういう奴は大抵信用ならないイメージを持っている。

 昔、一人の坊主が将軍相手に休憩しながらトンチで戦うアニメがあった。

 その坊主のトンチがかなりチートで将軍含めた全てを無双する内容だった。その中に物凄くスケベな名前の商人がいたのだが、性格糞悪のざまぁ展開ポジション。店の名前はエッチGOや!  みたいなヤリチンの元祖みたいな卑猥な感じだった。

 その商人に似ているのだが、テレビの印象植え付けって恐ろしいものだと改めて思う。

「丁度一番人気のがおりましたので、クラッチロウ様は運が宜しくて」

 早速おべっかを使ってくるところは期待を裏切らない。売りつけて請求は国にするのだから高額でもお構い無しなのだろう。逆にケチっても駄目なのだから性能を重視したいところだ。

 そこへ、少し場を離れていたスペンサーも戻ってくる。

「期待に応えられる良い馬が居ましたか。余り物を売りつけてはいけませんよ」

「なんだお前は!  シッシッ!  コスプレ野郎は向こう行ってろ!」

 どうやらスペンサーの事はただの冷やかし野郎と思っているようだ。

 確かに神には到底見えないが、クラッチロウの付き人にも見えないのでこの商人は間違ってはいないが、それでも正体表したなってところか。

 商人を叱ろうとしたクラッチロウを手で遮って待たす合図を送る。クラッチロウの我慢の勉強か、スペンサーのご加護か。

 馬が待機している商人の店に戻る際、スペンサーは遠慮して距離を取ってついてくる。まるでコスプレ野郎は他人ですを演じているように。

「こちらです」

 店の裏に通され自慢の馬を指差した。

「かなり良質のゴリラウロスです」

「ケンタウロスじゃないんかよ!」

 上半身がゴリラで下半身が馬の生物を指差した商人にすかさず突っ込んでしまったが、まさかの異世界、ケンタウロスが居ても不思議じゃないが上半身ゴリラって。

「そりゃ強そうだけど言うこと聞くのか?  ってか人間の部分がゴリラに変わってゴリラウロス?  あの人ケンタって名前だったのか?  フライドチキン屋さんじゃないんだし」

「品種改良しましてかなりの人気ですよ。少々気が荒いですが」

「かなり気が荒くて持て余してるのですね?」

「お前!  まだいたのか!  商売の邪魔するんじゃねえ!」

 再び遠目から登場しながら言ったスペンサーに剣幕をたてる。

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