令嬢である妹と一緒に寝ても賢者でいられる方法を試してたらチート能力が備わった件

つきの麻友

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馬並みですか?それ以上ですか?

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「では簡単に言いますと、神としての力が薄れてしまっているのではないかと思うのです」

「神の力が?」

「はい。全てかどうかはわかりませんが、恐らく……。長らく不在だった為に神の称号を剥奪され、同時に能力も抹消されたと考えるのがわかりやすいかもしれませんね」

 簡単に説明されるが、それが本当ならかなり落ち込む問題のような内容ではある。

「現世にも神は当然必要ですし、代わりが出来れば私は用無しになるのは自然よね」

「そんなことってあるのですか!」

 無理もない驚き、受け入れがたい事であろうが本人が言うのであれば間違いの可能性は恐らく低い。

「これからは人間界で今までの罪を償うために神の力無しで生活するのが、元神としての使命という意味なのかもしれません」

「まぁあんまり気にするなって。日本には八百以上の神様がいるみたいだしな。長期不在してたら若手が出てくるのは世の自然な摂理かもしんないよ。新陳代謝って考えよ」

 そうかもしれませんね、ってニコやかにポジティブな返事を期待していたのだがそうでもなかった。

「え? ちょっと待ってください。八百って何の話ですか? 私は天上天下唯我独尊ですよ?」

「まぁ言い伝えだから見たわけではないし」

「私だって人間の前には滅多に姿を見せませんよ」

「そうか、んー。あれじゃね?各々場所というか部署担当の神様ってのがあるとか? トイレにも神様が居るって言うくらいだし」

「トイレ!! この世界で言うスライムにも神がいるというみたいな?」

 だいぶ驚いて我を失っている様子だ。これが元神かと、この星の人間を絶滅させようと息巻いていた元魔王か?

 ウケるんですけど。

「私は神の力を失った。つまりトイレの神以下の存在か……」

「あの、そこはトイレの神様って言ってくれないと、聞いてる方はトイレの紙以下の存在って思っちゃうと、随分下位層の人間になっちゃうから」

 元神がトイレットペーパー以下の人間に成り下がるのは、あまりにも可哀想である。

「おぉぉぉぉ」

「スペンサー様。私は一生ついていきますよ」

 うさぷーの着ぐるみを着て蹲るスペンサーを慰めるクラッチロウ。

 事情を知らない者が見たら滑稽であるのは間違いない。

 その後、スペンサーの命令でクラッチロウは商人の店を閉業し、動物愛護団体に生涯を捧げることになった。

 実験的な品種改良をした罪であると言っていたが、着ぐるみを着て随分バカにされた為でもトイレットペーパー以下の存在になった八つ当たりでもないとは絶対ないと言ってはいたが。

 どちらにしても、ざまぁである末路には違いない。品種改良された生き物達は良心的な人々によって全うに生きることになった。
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