1 / 44
僕たちは友達…(望編)
1.友達
しおりを挟む
ෆ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ෆ
6年放置していた想いが動き出す
だけどそれは悦びと共に
苦しみも連れてきた
ෆ┈┈┈┈┈┈ ෆ ┈┈┈┈┈┈ෆ
僕、平和 望 は
高1の7月……夏休みから
近所の映画館やゲームコーナーのある
娯楽施設でアルバイトを始めた
1個上で高2の 櫻坂 千遥 は
僕より3ヶ月あとの
10月から入って来て
たったの3ヶ月で辞めていった
理由は受験がヤバそう、だったかな
そもそもバイト始めるのが遅いんだよ
結局すぐ辞めちまうし……
正直、迷惑な奴だった
バイト先では僕が先輩
ほぼ毎日入っていた僕は
週4シフトの千遥の教育係だった
千遥は覚えは悪くないけど動きが遅い
いつも何か考えていて挙動不審
あまり教えやすいタイプではなかった
見た目の特徴は丸い大きなメガネ
腰まであるストレートの長い黒髪
涼し気な目元が印象的な和顔
色が白くて照れると全身赤くなる
正直、年上なのに可愛いと思ってた
だけど僕たちは友達
友達?
そう 友達
それ以上でも
それ以下でもない
僕たちは 友達
「千遥、バイト辞めても
僕たち友達なんだから……
またこうやって…みんなで遊ぼう」
── 本当は
友達だなんて思ってなかったけど
臆病な僕はそう言って予防線を張った
ෆ┈┈┈┈┈┈ ෆ ┈┈┈┈┈┈ෆ
千遥は四年制の大学へ進み
僕は高校卒業を機にバイトは辞めて
美容師見習いとして働きながら
美容専門学校の通信部へ進んだ
千遥は高校の卒業式に来てくれた
大学生っていうだけで
手の届かない大人になってる気がした
──それから約6年会っていない
高校卒業したらもっと遊べるとか
そんなのは夢のまた夢で
僕は毎日とにかく忙しかった
同じ美容師見習い同士で
遊んでる奴も いるにはいたけど
僕はそんな余裕はなかった……
恋人がいた時期もあったけど
勉強と練習で精一杯で
両立は無理だねって
誰とも長続きはしなかった
資格取得までの約3年は
技術を身につけるのに必死で
毎日早朝から深夜まで
躍起になって学んで練習に励んで
なんとか最短で資格を取った!
僕は不器用で
この美容の厳しい世界で
生き残るためには
人より一体でも多く髪に触れて
腕を上げるしかなかった
美容師の資格を取得し
アシスタントとして店に就職し
それから約2年半で
スタイリストに昇格出来た!
ようやく1人で
お客様を見ることが出来る!
毎日が緊張とワクワクの連続
お客様を最初から最後まで
自分が見られるという優越感と
仕上がりを喜んでもらえた時の悦びは
何ものにも代え難いものだった
それが嬉しくて
スタイリストになってからも
もっともっとと強欲に技術を磨いた
その間、他の友達もそうだけど
もちろん千遥とも
お互いのSNSに反応を残すくらいで
会うことはなかった──
そしてスタイリスト昇格から
約半年過ぎた7月のある日
千遥からSNSにDMが入った
僕の毎日あげていた練習動画や
最近ようやく指名がついて
切らせてもらった写真を見たんだろう
『私の髪もやってよ』
と言ってきた……
千遥からの久々の連絡にニヤける
──メッセージをやり取りする
返事はもちろん
「いいよ、いつ?」
『マジ?土日祝ならいつでも!
あ、平日でもなんとかする!
望に合わせる!』
「いつでも…って
彼氏と会ったりしないのか?」
わざと聞いてみる
『いないもん』
ほんの少しだけ
期待した答えが返ってきた
「ふーん…
じゃあ明日の夜、店に来れる?」
『行く!やった!』
久しぶりの友達との再会に
ワクワクするのは普通だよな?
なんて、誰にでもない
自分の心に言い訳していた
千遥は大学時代に髪傷めてないかな?
ほとんどは高校卒業すると同時に
パーマや色を抜いたり入れたりで
髪をボロボロにする
千遥は僕が高校卒業するまでは
ナチュラルなままだったけど
その後のことは分からないし
いくらケアしていても
多少は傷んでしまうから
「あいつの髪……
綺麗だったんだよなぁ」
今思えば……
僕の美容師を目指したきっかけは
千遥の髪に触りたい
僕の手で千遥を変えたい
なんて……
告白も出来ない臆病な僕の
ささやかな下心だった……
ෆ┈┈┈┈┈┈ ෆ ┈┈┈┈┈┈ෆ
6年放置していた想いが動き出す
だけどそれは悦びと共に
苦しみも連れてきた
ෆ┈┈┈┈┈┈ ෆ ┈┈┈┈┈┈ෆ
僕、平和 望 は
高1の7月……夏休みから
近所の映画館やゲームコーナーのある
娯楽施設でアルバイトを始めた
1個上で高2の 櫻坂 千遥 は
僕より3ヶ月あとの
10月から入って来て
たったの3ヶ月で辞めていった
理由は受験がヤバそう、だったかな
そもそもバイト始めるのが遅いんだよ
結局すぐ辞めちまうし……
正直、迷惑な奴だった
バイト先では僕が先輩
ほぼ毎日入っていた僕は
週4シフトの千遥の教育係だった
千遥は覚えは悪くないけど動きが遅い
いつも何か考えていて挙動不審
あまり教えやすいタイプではなかった
見た目の特徴は丸い大きなメガネ
腰まであるストレートの長い黒髪
涼し気な目元が印象的な和顔
色が白くて照れると全身赤くなる
正直、年上なのに可愛いと思ってた
だけど僕たちは友達
友達?
そう 友達
それ以上でも
それ以下でもない
僕たちは 友達
「千遥、バイト辞めても
僕たち友達なんだから……
またこうやって…みんなで遊ぼう」
── 本当は
友達だなんて思ってなかったけど
臆病な僕はそう言って予防線を張った
ෆ┈┈┈┈┈┈ ෆ ┈┈┈┈┈┈ෆ
千遥は四年制の大学へ進み
僕は高校卒業を機にバイトは辞めて
美容師見習いとして働きながら
美容専門学校の通信部へ進んだ
千遥は高校の卒業式に来てくれた
大学生っていうだけで
手の届かない大人になってる気がした
──それから約6年会っていない
高校卒業したらもっと遊べるとか
そんなのは夢のまた夢で
僕は毎日とにかく忙しかった
同じ美容師見習い同士で
遊んでる奴も いるにはいたけど
僕はそんな余裕はなかった……
恋人がいた時期もあったけど
勉強と練習で精一杯で
両立は無理だねって
誰とも長続きはしなかった
資格取得までの約3年は
技術を身につけるのに必死で
毎日早朝から深夜まで
躍起になって学んで練習に励んで
なんとか最短で資格を取った!
僕は不器用で
この美容の厳しい世界で
生き残るためには
人より一体でも多く髪に触れて
腕を上げるしかなかった
美容師の資格を取得し
アシスタントとして店に就職し
それから約2年半で
スタイリストに昇格出来た!
ようやく1人で
お客様を見ることが出来る!
毎日が緊張とワクワクの連続
お客様を最初から最後まで
自分が見られるという優越感と
仕上がりを喜んでもらえた時の悦びは
何ものにも代え難いものだった
それが嬉しくて
スタイリストになってからも
もっともっとと強欲に技術を磨いた
その間、他の友達もそうだけど
もちろん千遥とも
お互いのSNSに反応を残すくらいで
会うことはなかった──
そしてスタイリスト昇格から
約半年過ぎた7月のある日
千遥からSNSにDMが入った
僕の毎日あげていた練習動画や
最近ようやく指名がついて
切らせてもらった写真を見たんだろう
『私の髪もやってよ』
と言ってきた……
千遥からの久々の連絡にニヤける
──メッセージをやり取りする
返事はもちろん
「いいよ、いつ?」
『マジ?土日祝ならいつでも!
あ、平日でもなんとかする!
望に合わせる!』
「いつでも…って
彼氏と会ったりしないのか?」
わざと聞いてみる
『いないもん』
ほんの少しだけ
期待した答えが返ってきた
「ふーん…
じゃあ明日の夜、店に来れる?」
『行く!やった!』
久しぶりの友達との再会に
ワクワクするのは普通だよな?
なんて、誰にでもない
自分の心に言い訳していた
千遥は大学時代に髪傷めてないかな?
ほとんどは高校卒業すると同時に
パーマや色を抜いたり入れたりで
髪をボロボロにする
千遥は僕が高校卒業するまでは
ナチュラルなままだったけど
その後のことは分からないし
いくらケアしていても
多少は傷んでしまうから
「あいつの髪……
綺麗だったんだよなぁ」
今思えば……
僕の美容師を目指したきっかけは
千遥の髪に触りたい
僕の手で千遥を変えたい
なんて……
告白も出来ない臆病な僕の
ささやかな下心だった……
ෆ┈┈┈┈┈┈ ෆ ┈┈┈┈┈┈ෆ
40
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。
カレンと晴人はその後、どうなる?
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる