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3.おかえりのちゅー
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·.⟡┈┈┈┈┈︎┈┈┈┈┈⟡.·
旻と俺が恋人になったのは
3ヶ月半前の9月1日
俺の18歳の誕生日の夜
あの幸せな瞬間を思い出すと
知らぬ間に顔がだらしなく緩む
自分しかいない自分の部屋で
どんな顔しようと自由だけど
おそらく見るに堪えないだろう
「あれから3ヶ月経つんだよなぁ」
そう……3ヶ月も経つんだ
それなのに旻はいまだに
俺が『まだ高校生だから』とか
『受験生だろ!』とか
いっつも くだらない言い訳をして
一向に手を出してこないし
出させてもくれない……
俺たちはまだキス止まりの関係
ちゃんとしたキスもあの日だけ
よく我慢したもんだよな……
その後は俺が迫っても
躱される日々
こんなに触れたいのは俺だけ?
せっかく恋人になれたのに
以前と変わらない関係に
イライラしてんのは俺だけなのか?
あ、以前って
避けられる前って意味ね
避けられてる間は
俺にとって氷河期だったし……
でもそれって俺も旻も
小学生とかそんな時よ?
そんな時と同じってさぁ……
そりゃあ?
避けられるよりはマシ
いや、幸せだけどさぁ
そんな子供の時とは色々とさ
心身ともに違ってんじゃん?
旻ってさ……
可愛いのに色気があるんだよな
いつもいい匂いがするし
そばにいるだけでドキドキする
よく着てる首回りがゆるい服は
首筋から鎖骨にかけてとか
動くとチラ見えする胸元が
なんともエロいんだ
あれは絶対に俺を誘ってる!
『襲え』と言わんばかりなんだよ
「旻に触りてぇ……」
細く見えるけど
筋肉はあって引き締まった体
肌は柔らかくてもちもち
笑いのツボは極浅で
笑い出したら止まらないとか
笑うとなくなる糸目も愛おしい
照れ屋なくせに
キザなことやりたがるし……
「んあ~! 好き!」
旻を想うとキリがない
触りたくて仕方ないし
キスから先に進みたいけど
その辺の知識については詳しくない
女とやるのとどう違うのか?
「……」
いや、女も何も未経験だから
よく知らないけどさ
それなりに勉強はしたよ?
でも男の体には興味ないし?
そっち関係は見たくもないし
調べたこともない
てか旻以外はキモいだけだから
それなのに旻と触り合う?
って考えただけで鼻血もの……
俺って変?
でも好きな人の唇に触れたら
その体にも触れたくなるのは
自然な欲求だろ?
てなわけで俺の理性は暴走寸前
でも旻の言いたいことも
分かる部分もあるから
大人しくしてたけどさ……
もうホンっと正直限界なわけよ
このままじゃ理性ぶっ飛んで
なにするか分かんねーぞ?
って毎日悶々と過ごしていたら
ここへきてチャンス来たーーー!
両親は出張で明後日まで留守
兄貴は彼女と旅行に出かけて
帰ってくるのは明後日の予定
今、この家には俺しかいない!
「こんなチャンス
そうないと思わねぇ?」
多少物音を立てても騒いでも
誰にも咎められることはないんだ
「旻だって俺が好きなんだし
いい加減……いいよな?」
愛しい人と距離を詰めるため
このチャンスを活かさないと!
ソワソワとスマホを手に取り
隣の家にいる旻に電話した
「旻? 勉強教えろ」
コール音が途切れた瞬間に
用件を話す俺に旻は
間髪容れず冷ややかに答えた
「何を企んでる」
チッ……察してんじゃねぇよ
「へぇ? そんなこと言うんだ?
じゃあ、や~めたっ!
せっかくヤル気になったのに
このままじゃ俺ヤバいだろうなぁ?
でも教えてくんないなら?
落ちてもしゃーねぇよなァ?」
言うても違うヤル気ですけど
旻はこう言われて
スルー出来る奴じゃない
「おい……はぁ~ ……わかったよ
もうすぐ帰るから待ってろ」
よしっ!
「え? 帰る? まだ学校?」
「いや、帰り道だよ」
「オケ! 待ってる」
電話を切ると鼻歌を歌いながら
軽く筋トレしてパンプアップさせて
速攻でシャワーを済ませ
気合を入れて恋人を待った
ピンポーン……ガチャ
「来た! 旻!」
玄関扉が閉まりきる前に
旻に飛びつくと
俺を受け止めながら
嫌そうな顔をする
「お前な……鍵かけておけよ」
「うん、おかえり、ちゅー?」
顔を近づけると手で押し返された
「こら……青音は?」
今日両親がいないことは
旻も知っているけど
兄貴の旅行はさっき聞いたから
まだ旻に話してない
俺たちの関係を
知られたくない旻は
焦って聞いてきた
「兄貴なら旅行に行ったよ
明後日帰るって言ってた」
「いないのか……って、おい
お前なんでそんな薄着なんだ?
風邪引くぞ? 勉強するんだろ?」
「筋トレしてたから! それより!
おかえりの ちゅー は?
それくらいいいだろ?」
「ダメ」
「むぅ……なんで?」
「なんででも」
「なんでだよ!
なんでか言わないと
わからないだろ!
ちゅーさせろー!」
「暴れるな! 疲れてるんだよ」
「……ジジィかよ」
「ジジィだよ……勉強しないなら
帰って飯食いたいんだけど?」
「あ! 飯ならもらってきた!」
「じゃあ食いながらでいいか?」
「うん!」
結局おかえりのちゅーならず……
だが、明らかに渋々
という顔をした最愛の恋人を
受験勉強を理由に
部屋に引き入れることには成功した
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旻と俺が恋人になったのは
3ヶ月半前の9月1日
俺の18歳の誕生日の夜
あの幸せな瞬間を思い出すと
知らぬ間に顔がだらしなく緩む
自分しかいない自分の部屋で
どんな顔しようと自由だけど
おそらく見るに堪えないだろう
「あれから3ヶ月経つんだよなぁ」
そう……3ヶ月も経つんだ
それなのに旻はいまだに
俺が『まだ高校生だから』とか
『受験生だろ!』とか
いっつも くだらない言い訳をして
一向に手を出してこないし
出させてもくれない……
俺たちはまだキス止まりの関係
ちゃんとしたキスもあの日だけ
よく我慢したもんだよな……
その後は俺が迫っても
躱される日々
こんなに触れたいのは俺だけ?
せっかく恋人になれたのに
以前と変わらない関係に
イライラしてんのは俺だけなのか?
あ、以前って
避けられる前って意味ね
避けられてる間は
俺にとって氷河期だったし……
でもそれって俺も旻も
小学生とかそんな時よ?
そんな時と同じってさぁ……
そりゃあ?
避けられるよりはマシ
いや、幸せだけどさぁ
そんな子供の時とは色々とさ
心身ともに違ってんじゃん?
旻ってさ……
可愛いのに色気があるんだよな
いつもいい匂いがするし
そばにいるだけでドキドキする
よく着てる首回りがゆるい服は
首筋から鎖骨にかけてとか
動くとチラ見えする胸元が
なんともエロいんだ
あれは絶対に俺を誘ってる!
『襲え』と言わんばかりなんだよ
「旻に触りてぇ……」
細く見えるけど
筋肉はあって引き締まった体
肌は柔らかくてもちもち
笑いのツボは極浅で
笑い出したら止まらないとか
笑うとなくなる糸目も愛おしい
照れ屋なくせに
キザなことやりたがるし……
「んあ~! 好き!」
旻を想うとキリがない
触りたくて仕方ないし
キスから先に進みたいけど
その辺の知識については詳しくない
女とやるのとどう違うのか?
「……」
いや、女も何も未経験だから
よく知らないけどさ
それなりに勉強はしたよ?
でも男の体には興味ないし?
そっち関係は見たくもないし
調べたこともない
てか旻以外はキモいだけだから
それなのに旻と触り合う?
って考えただけで鼻血もの……
俺って変?
でも好きな人の唇に触れたら
その体にも触れたくなるのは
自然な欲求だろ?
てなわけで俺の理性は暴走寸前
でも旻の言いたいことも
分かる部分もあるから
大人しくしてたけどさ……
もうホンっと正直限界なわけよ
このままじゃ理性ぶっ飛んで
なにするか分かんねーぞ?
って毎日悶々と過ごしていたら
ここへきてチャンス来たーーー!
両親は出張で明後日まで留守
兄貴は彼女と旅行に出かけて
帰ってくるのは明後日の予定
今、この家には俺しかいない!
「こんなチャンス
そうないと思わねぇ?」
多少物音を立てても騒いでも
誰にも咎められることはないんだ
「旻だって俺が好きなんだし
いい加減……いいよな?」
愛しい人と距離を詰めるため
このチャンスを活かさないと!
ソワソワとスマホを手に取り
隣の家にいる旻に電話した
「旻? 勉強教えろ」
コール音が途切れた瞬間に
用件を話す俺に旻は
間髪容れず冷ややかに答えた
「何を企んでる」
チッ……察してんじゃねぇよ
「へぇ? そんなこと言うんだ?
じゃあ、や~めたっ!
せっかくヤル気になったのに
このままじゃ俺ヤバいだろうなぁ?
でも教えてくんないなら?
落ちてもしゃーねぇよなァ?」
言うても違うヤル気ですけど
旻はこう言われて
スルー出来る奴じゃない
「おい……はぁ~ ……わかったよ
もうすぐ帰るから待ってろ」
よしっ!
「え? 帰る? まだ学校?」
「いや、帰り道だよ」
「オケ! 待ってる」
電話を切ると鼻歌を歌いながら
軽く筋トレしてパンプアップさせて
速攻でシャワーを済ませ
気合を入れて恋人を待った
ピンポーン……ガチャ
「来た! 旻!」
玄関扉が閉まりきる前に
旻に飛びつくと
俺を受け止めながら
嫌そうな顔をする
「お前な……鍵かけておけよ」
「うん、おかえり、ちゅー?」
顔を近づけると手で押し返された
「こら……青音は?」
今日両親がいないことは
旻も知っているけど
兄貴の旅行はさっき聞いたから
まだ旻に話してない
俺たちの関係を
知られたくない旻は
焦って聞いてきた
「兄貴なら旅行に行ったよ
明後日帰るって言ってた」
「いないのか……って、おい
お前なんでそんな薄着なんだ?
風邪引くぞ? 勉強するんだろ?」
「筋トレしてたから! それより!
おかえりの ちゅー は?
それくらいいいだろ?」
「ダメ」
「むぅ……なんで?」
「なんででも」
「なんでだよ!
なんでか言わないと
わからないだろ!
ちゅーさせろー!」
「暴れるな! 疲れてるんだよ」
「……ジジィかよ」
「ジジィだよ……勉強しないなら
帰って飯食いたいんだけど?」
「あ! 飯ならもらってきた!」
「じゃあ食いながらでいいか?」
「うん!」
結局おかえりのちゅーならず……
だが、明らかに渋々
という顔をした最愛の恋人を
受験勉強を理由に
部屋に引き入れることには成功した
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