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記録 【入社試験】
再試験
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「はい、じゃあこれで面接を終わります。」
向かいの机に座るスーツの男が冷たい口調で話す。
(あぁ‥また落ちたな‥)
椅子に座る早紀は面接官に頭を下げてお礼を言いながら心の中で呟く。
大学3回生の春前から始まった就活。早紀は書類選考をクリアしてもいつも面接で上手く話せずに落とされてしまう。
周りの友人が次々に内定を勝ち取り、最後の大学生活を楽しんでる間も採用試験を1人受け続ける日々が続く。
引っ込み思案、人前で話すことも苦手、意見は他人任せで同意だけ。そんな早紀の性格が面接でいつも脚を引っ張る。
ここが最後の大手企業‥この建物に入るまで呪文のように繰り返した志望動機や想定問答も緊張で上手く話せなかった。眉間にシワを寄せて聞く面接官の顔を見るとすぐ頭が真っ白になる。
「少しお話があるんですが‥」
唐突に面接官が早紀に声をかける
「え?あ、はい‥」
早紀は驚いて顔を上げる。
「えーっと‥申し上げにくいんですが不採用通知をこの後にお送りすることになると思います。」
申し訳無さそうな顔をして話すが内容は重い
「あ、えっと‥はい‥‥わかりました‥」
早紀が小さな声で返事すると‥面接官が続ける
「実は別部署の採用募集がありまして‥オープンにはせずにこちらで選抜した方だけに採用試験を受けて頂いています。」
面接官の説明はこうだった
・別部署の受験候補に早紀が入っている
・受けるか受けないかはこの場で早紀が判断する
・受けるなら事前ヒアリングをこのまま行う
大手企業の候補が消えかけてた早紀には飛びつきたい話ではあったが‥あまりに不明点が多すぎて返事に困る。
「あの‥他の部署とはどのようなお仕事なんでしょう?
それと採用試験は面接が中心でしょうか?」
早紀は疑問に思うことを聞いてみる
「部署は秘書課ですね。弊社の役員の様々な身の回りのお世話‥というのが業務内容になります。
採用試験は‥同意書を記入頂いた後で順次説明しますが、面接と実務能力の試験になります」
「実務能力の試験‥。あの、同意書というのは?」
「こちらになります」
面接官は立ち上がって早紀に歩み寄り1枚の紙を渡す
【同意書】
①下記について他者に口外しないこと
・本採用試験の存在
・本採用試験を受験したこと
・採用試験の内容のすべて
②本採用試験において当社が収集した受験者の情報等について当社が保管すること
以上について同意致します。
最後に日付と署名欄が設けられている。
「あの、この書類に署名しないと試験内容も公表できないということでしょうか?」
面接官は答える
「そうなります。但し採用試験は複数回ありますが、途中で辞退頂くことはもちろん可能です。本日このまま受験して事前ヒアリングをした後に辞退‥という結果でも構いません。」
面接官は続ける
「もう四回生の秋‥時期的にも大手企業の採用試験は順次終了していると思われますので‥悪いお話ではないと思うのですがいかがでしょう?
お誘いするのはこの場限りですのでご判断をお願い致します。」
早紀は迷う‥が面接官の最後の言葉が頭に響く。確かにここを逃すと大手企業は極端に減っていく。
途中で辞退も可能であれば日程も負担にならないはず‥
早紀は面接官に向き直して答えた
「受けさせて頂きます」
同意書を記入すると立ち上がり面接官の机に歩き出す。同意書を受け取った面接官はにこやかに笑いながら早紀に話す。
「お受け頂いてありがとうございます。では、服を脱いで下さい」
向かいの机に座るスーツの男が冷たい口調で話す。
(あぁ‥また落ちたな‥)
椅子に座る早紀は面接官に頭を下げてお礼を言いながら心の中で呟く。
大学3回生の春前から始まった就活。早紀は書類選考をクリアしてもいつも面接で上手く話せずに落とされてしまう。
周りの友人が次々に内定を勝ち取り、最後の大学生活を楽しんでる間も採用試験を1人受け続ける日々が続く。
引っ込み思案、人前で話すことも苦手、意見は他人任せで同意だけ。そんな早紀の性格が面接でいつも脚を引っ張る。
ここが最後の大手企業‥この建物に入るまで呪文のように繰り返した志望動機や想定問答も緊張で上手く話せなかった。眉間にシワを寄せて聞く面接官の顔を見るとすぐ頭が真っ白になる。
「少しお話があるんですが‥」
唐突に面接官が早紀に声をかける
「え?あ、はい‥」
早紀は驚いて顔を上げる。
「えーっと‥申し上げにくいんですが不採用通知をこの後にお送りすることになると思います。」
申し訳無さそうな顔をして話すが内容は重い
「あ、えっと‥はい‥‥わかりました‥」
早紀が小さな声で返事すると‥面接官が続ける
「実は別部署の採用募集がありまして‥オープンにはせずにこちらで選抜した方だけに採用試験を受けて頂いています。」
面接官の説明はこうだった
・別部署の受験候補に早紀が入っている
・受けるか受けないかはこの場で早紀が判断する
・受けるなら事前ヒアリングをこのまま行う
大手企業の候補が消えかけてた早紀には飛びつきたい話ではあったが‥あまりに不明点が多すぎて返事に困る。
「あの‥他の部署とはどのようなお仕事なんでしょう?
それと採用試験は面接が中心でしょうか?」
早紀は疑問に思うことを聞いてみる
「部署は秘書課ですね。弊社の役員の様々な身の回りのお世話‥というのが業務内容になります。
採用試験は‥同意書を記入頂いた後で順次説明しますが、面接と実務能力の試験になります」
「実務能力の試験‥。あの、同意書というのは?」
「こちらになります」
面接官は立ち上がって早紀に歩み寄り1枚の紙を渡す
【同意書】
①下記について他者に口外しないこと
・本採用試験の存在
・本採用試験を受験したこと
・採用試験の内容のすべて
②本採用試験において当社が収集した受験者の情報等について当社が保管すること
以上について同意致します。
最後に日付と署名欄が設けられている。
「あの、この書類に署名しないと試験内容も公表できないということでしょうか?」
面接官は答える
「そうなります。但し採用試験は複数回ありますが、途中で辞退頂くことはもちろん可能です。本日このまま受験して事前ヒアリングをした後に辞退‥という結果でも構いません。」
面接官は続ける
「もう四回生の秋‥時期的にも大手企業の採用試験は順次終了していると思われますので‥悪いお話ではないと思うのですがいかがでしょう?
お誘いするのはこの場限りですのでご判断をお願い致します。」
早紀は迷う‥が面接官の最後の言葉が頭に響く。確かにここを逃すと大手企業は極端に減っていく。
途中で辞退も可能であれば日程も負担にならないはず‥
早紀は面接官に向き直して答えた
「受けさせて頂きます」
同意書を記入すると立ち上がり面接官の机に歩き出す。同意書を受け取った面接官はにこやかに笑いながら早紀に話す。
「お受け頂いてありがとうございます。では、服を脱いで下さい」
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