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けど、事態は私をそっとしておいてくれなかった。
「だからぁ、え? あ、今、買い物中、達雄兄さんのおばさんと。欲しい物買ってくれるって言うし、あの女追い出すのに、協力したし、あの女? 嫁よ、嫁。おばさん、嫁をめっちゃ嫌ってたんだ。追い出したかったみたい。娘がいたんだけどね。そうよ! その娘が火事で焼けて死んだのよ。で、嫁が出て行っちゃって喜んでるの。あのおばさんもやばいよねぇ、孫だよ? 男の子でなかったから興味ないらしいわ。あは、焼け死んでくれて良かったってさ。それで家も建て替えるし、達雄兄さんと結婚するんだぁ、あたし。式には来てね! 火事? わざとじゃないもん。だって達雄兄さんがいけないんだよ? あの女がいないから一緒に過ごせるって言ってたのに、急に仕事だって出かけちゃうんだもん! そしたらなんであたしが子供なんか見てなきゃならない?ってなるじゃん。それで買い物に行こうっておばさんが言うから、レンチンしてるの忘れて出かけちゃってさ。火が出るなんて思わないじゃん。レンジが古かったからじゃない? え? レンチンしたらダメな物とかあるの? そうなんだ、新居では気をつけるよ。燃えたら大変だし~あ、おばさんがトイレから戻ったからじゃね~」
そこまで聞いて目眩がした。
「青島達雄と島崎理沙の関係を探ろうとして、探偵を雇い彼女に尾行をつけたのよ」
と香織さんは言った。
「愛衣ちゃんが亡くなって、まだいくらもたってないのに彼らからは十分な証拠が取れたわ。ラブホテルへ通うのも、正々堂々としたものだったわ。これで離婚を突きつけて請求する用意は出来てるわ。でも、これは……あんまりだと思って。あなたに聞かせるかどうか悩んだんだけど。私なら、全て知りたいから」
「電子レンジが古かったんじゃなくて、あの女が爆発するまで使ったって事?」
「さらにレンジを使っているのを忘れて出かけてしまったんでしょうね。だからレンジから火が出た事を知らなかった。十五分も設定すれば物によってはレンジは簡単に火を出すわ。彼らが家にいたら火事は小火で済んだでしょうね」
「じゃあ、あの女のうっかりで愛衣は死んだって事?」
「そうね」
「理沙が殺したって事よね?」
「意図はしていない、でも間接的にはそうなるわ。けど、どこまでの罪にもっていけるかは分からないわ」
「あの女が殺した……」
「美咲さん、あなたの怒りは十分に分かる。でもあなたが手を汚しては何もならない。あなたが復讐するのなら手を貸すけど、あなたが刑務所に入る事を私も健司さんも望まないわ」
「復讐? ええ、そうね……復讐は必要だ……大丈夫よ……私があいつらを殺すとでも? そんな事しない……簡単にそんな安らぎを与えるもんか……」
「秋山さんのおかげで青島と密会していた会社の女も掴んだわ。派遣社員で28歳、この女は青島が既婚者だと知っていたから、もちろん慰謝料も請求出来るわ」
「香織さん……いろいろとありがとうございます。離婚の手続きはこのままお願いします。私は……そうね、やる事がたくさんあるみたい」
「無理はしないでね、私は弁護士として最大限の事をやるから」
と香織さんが言った。
「だからぁ、え? あ、今、買い物中、達雄兄さんのおばさんと。欲しい物買ってくれるって言うし、あの女追い出すのに、協力したし、あの女? 嫁よ、嫁。おばさん、嫁をめっちゃ嫌ってたんだ。追い出したかったみたい。娘がいたんだけどね。そうよ! その娘が火事で焼けて死んだのよ。で、嫁が出て行っちゃって喜んでるの。あのおばさんもやばいよねぇ、孫だよ? 男の子でなかったから興味ないらしいわ。あは、焼け死んでくれて良かったってさ。それで家も建て替えるし、達雄兄さんと結婚するんだぁ、あたし。式には来てね! 火事? わざとじゃないもん。だって達雄兄さんがいけないんだよ? あの女がいないから一緒に過ごせるって言ってたのに、急に仕事だって出かけちゃうんだもん! そしたらなんであたしが子供なんか見てなきゃならない?ってなるじゃん。それで買い物に行こうっておばさんが言うから、レンチンしてるの忘れて出かけちゃってさ。火が出るなんて思わないじゃん。レンジが古かったからじゃない? え? レンチンしたらダメな物とかあるの? そうなんだ、新居では気をつけるよ。燃えたら大変だし~あ、おばさんがトイレから戻ったからじゃね~」
そこまで聞いて目眩がした。
「青島達雄と島崎理沙の関係を探ろうとして、探偵を雇い彼女に尾行をつけたのよ」
と香織さんは言った。
「愛衣ちゃんが亡くなって、まだいくらもたってないのに彼らからは十分な証拠が取れたわ。ラブホテルへ通うのも、正々堂々としたものだったわ。これで離婚を突きつけて請求する用意は出来てるわ。でも、これは……あんまりだと思って。あなたに聞かせるかどうか悩んだんだけど。私なら、全て知りたいから」
「電子レンジが古かったんじゃなくて、あの女が爆発するまで使ったって事?」
「さらにレンジを使っているのを忘れて出かけてしまったんでしょうね。だからレンジから火が出た事を知らなかった。十五分も設定すれば物によってはレンジは簡単に火を出すわ。彼らが家にいたら火事は小火で済んだでしょうね」
「じゃあ、あの女のうっかりで愛衣は死んだって事?」
「そうね」
「理沙が殺したって事よね?」
「意図はしていない、でも間接的にはそうなるわ。けど、どこまでの罪にもっていけるかは分からないわ」
「あの女が殺した……」
「美咲さん、あなたの怒りは十分に分かる。でもあなたが手を汚しては何もならない。あなたが復讐するのなら手を貸すけど、あなたが刑務所に入る事を私も健司さんも望まないわ」
「復讐? ええ、そうね……復讐は必要だ……大丈夫よ……私があいつらを殺すとでも? そんな事しない……簡単にそんな安らぎを与えるもんか……」
「秋山さんのおかげで青島と密会していた会社の女も掴んだわ。派遣社員で28歳、この女は青島が既婚者だと知っていたから、もちろん慰謝料も請求出来るわ」
「香織さん……いろいろとありがとうございます。離婚の手続きはこのままお願いします。私は……そうね、やる事がたくさんあるみたい」
「無理はしないでね、私は弁護士として最大限の事をやるから」
と香織さんが言った。
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