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小児性愛に効く薬毒9
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「さあさあ、うちは六時で閉店なんだ。もう帰ってもらおうか。親子げんかは家でしてくれ。そうだ、武士の情けだ。こいつをやるから、これを飲んで今夜はゆっくり眠るんだ」
と店主が母親に一包みの薬包を渡した。
「お嬢ちゃん達ももうお帰り」
「はい」
美優は素直に店の扉を開いて杏里と一緒に外へ出た。
母親もブツブツ文句を言いながらもその後から出てきたが、美優を一睨みしてからさっさと歩いて行ってしまった。
「あ、ハナちゃんにお礼を言っていない……」
美優はもう一度薬毒店の開き戸を開いた。
「あの……あれ?」
店内には店主がいたがハナの姿はなかった。
代わりに美優に薬毒をくれた老婆が立っていた。
「まだ何か?」
老婆が咎める様な声で言った。
「あ、あの、ハナちゃんにお礼を……言いに来たんですが……」
「ああ、伝えておくよ」
老婆は素っ気なくそう言い、扉の奥へ入って行ってしまった。
美優は杏里の手を握ったままで、
「あの、ありがとうございました。二人で飲んだ薬のお金は必ず払います……」
と店主へ言った。
「ああ、まあ、気にすんな。ハナの気まぐれだからな。お前さんたち未来は変えられそうかい?」
「夢にみたあの恐ろしい未来は絶対嫌ですから……」
「そうだな。がんばんなよ」
「あ、ありがとうございました! お邪魔しました!」
大きく頭を下げてから杏里の手を引いて扉から外に出た。
「お姉ちゃん……」
「ん?」
「お母さん、怒ってるよね?」
「怒っててもいいよ。もう怖くない。あの男さえ部屋にいなけりゃお母さんなんか怖くないよ。お姉ちゃんが杏里を守ってあげるからね」
美優がそう言うと杏里は安心したように笑った。
美優と杏里を見送って扉の鍵を閉め、店内の灯りを消してからハヤテは奥の扉から屋内へ入った。ハナが夕餉の支度をしているのか、味噌のよい匂いが漂う。
「土産のお味噌で今夜は美味しい味噌汁が食べられるよ」
と老婆の姿のハナが言った。
「ああ、里の方へ行かなきゃ手に入らないからなぁ、この味噌は」
とハヤテが新聞を広げながら、台所の椅子に座った。
「にゃーお」
と出汁を取った後の煮干し目当てで黒猫ドゥも顔を出す。
ハナは煮干しをドゥの専用皿に入れてやってから、テーブルへおかずの皿や味噌汁の椀を置いた。
「お前、ガキに薬毒を売るなって言ってるだろ?」
箸を持ってからハヤテがハナを睨んだ。
「いいじゃない、別に。クズは死んでめでたしめでたしだよ。ハヤテだって最後にあの母親に渡したの夢見の薬毒でしょ? どんな悲惨な未来が見えるのか、覗いてみたいわ」
老婆の姿のハナがけっけっけと笑った。
「少しは懲りて真面目になればいいけどな。あの娘達の為に」
とハヤテが言った。
「ならないと思うよ。ああいう女が次に考えるのは己の保身だよ。何の反省もないだろうしね」
とハナがきつい口調で言った。
「やれやれ、嫌な世の中だ」
とハヤテは肩をすくめた。
と店主が母親に一包みの薬包を渡した。
「お嬢ちゃん達ももうお帰り」
「はい」
美優は素直に店の扉を開いて杏里と一緒に外へ出た。
母親もブツブツ文句を言いながらもその後から出てきたが、美優を一睨みしてからさっさと歩いて行ってしまった。
「あ、ハナちゃんにお礼を言っていない……」
美優はもう一度薬毒店の開き戸を開いた。
「あの……あれ?」
店内には店主がいたがハナの姿はなかった。
代わりに美優に薬毒をくれた老婆が立っていた。
「まだ何か?」
老婆が咎める様な声で言った。
「あ、あの、ハナちゃんにお礼を……言いに来たんですが……」
「ああ、伝えておくよ」
老婆は素っ気なくそう言い、扉の奥へ入って行ってしまった。
美優は杏里の手を握ったままで、
「あの、ありがとうございました。二人で飲んだ薬のお金は必ず払います……」
と店主へ言った。
「ああ、まあ、気にすんな。ハナの気まぐれだからな。お前さんたち未来は変えられそうかい?」
「夢にみたあの恐ろしい未来は絶対嫌ですから……」
「そうだな。がんばんなよ」
「あ、ありがとうございました! お邪魔しました!」
大きく頭を下げてから杏里の手を引いて扉から外に出た。
「お姉ちゃん……」
「ん?」
「お母さん、怒ってるよね?」
「怒っててもいいよ。もう怖くない。あの男さえ部屋にいなけりゃお母さんなんか怖くないよ。お姉ちゃんが杏里を守ってあげるからね」
美優がそう言うと杏里は安心したように笑った。
美優と杏里を見送って扉の鍵を閉め、店内の灯りを消してからハヤテは奥の扉から屋内へ入った。ハナが夕餉の支度をしているのか、味噌のよい匂いが漂う。
「土産のお味噌で今夜は美味しい味噌汁が食べられるよ」
と老婆の姿のハナが言った。
「ああ、里の方へ行かなきゃ手に入らないからなぁ、この味噌は」
とハヤテが新聞を広げながら、台所の椅子に座った。
「にゃーお」
と出汁を取った後の煮干し目当てで黒猫ドゥも顔を出す。
ハナは煮干しをドゥの専用皿に入れてやってから、テーブルへおかずの皿や味噌汁の椀を置いた。
「お前、ガキに薬毒を売るなって言ってるだろ?」
箸を持ってからハヤテがハナを睨んだ。
「いいじゃない、別に。クズは死んでめでたしめでたしだよ。ハヤテだって最後にあの母親に渡したの夢見の薬毒でしょ? どんな悲惨な未来が見えるのか、覗いてみたいわ」
老婆の姿のハナがけっけっけと笑った。
「少しは懲りて真面目になればいいけどな。あの娘達の為に」
とハヤテが言った。
「ならないと思うよ。ああいう女が次に考えるのは己の保身だよ。何の反省もないだろうしね」
とハナがきつい口調で言った。
「やれやれ、嫌な世の中だ」
とハヤテは肩をすくめた。
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