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第八話 続き2
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ユラトは辺りを見た。
(ぼろぼろだな……あんまり期待は出来ないかもしれないな……)
廃屋は2つあり、両方とも一階建ての平屋で一つは人が住むための建物、もう一つの建物は規模は大きく住居の方と比べると2倍から3倍ほどの大きさがあった。
建物の屋根は朽ちていて、草のツルが壁から屋根かけて撒きついて茂っており、屋根の残骸が室内に入っているほどであった。
リュシアの声を聞いたジルメイダが大きな方の建物から姿を現した。
白く束ねられた長い髪を頭だけ動かすことで軽く振り、体についた埃を手で払いながら、話し掛けてきた。
「やっと来たかい、住居と思われる場所の方の調べは済んだよ。めぼしい物は何も無いね」
辺りを調べていたダリオが、建物から出てきたジルメイダに顔を向け、尋ねていた。
「もう一つの建物はなんの建物なんだ?」
「さあね、なんか木製の樽とかそういうのがあっただけだね。奥に地下室があるみたいなんだ、こっちに来ておくれ」
ユラト達は建物の中へ入った。
所々、苔が生えている場所があった。
ダリオが見たまま、感じたままを素直に呟いた。
「汚ねぇし、カビ臭えな……長居はしたくないぜ……」
辺りはジルメイダの言った通り、木製の樽に大きな平べったい石の真ん中をくり抜いた物などがあった。
それらを見た、レクスが軽く説明をした。
「ここは、恐らく葡萄酒を造る場所だな。圧搾機や貯蔵する樽がある」
ウッドエルフ達は葡萄酒を作っているのでどうやら、この建物がどういったものなのか、分かるようだった。
ユラトは、道具を見ながら納得していた。
「へぇ、そうなんだ」
そして、ユラト達は奥へと進んだ。
奥の真ん中辺りに来たところでジルメイダが止った。
そして、顎でその場所を指し、皆に話し掛けた。
「ここが、さっき言っていた場所さ」
そこには地下へ続く階段があった。
リュシアが恐る恐る階段の奥を見ようとするが暗くて見えない。
「真っ暗……」
「こりゃ、明かりがないと無理だね。ダリオ、頼むよ」
「おう、まかせろ」
ジルメイダがダリオに、武器や道具に明かりを灯す『マナトーチ』の魔法を頼むとダリオのロッドとリュシアのメイスに魔法の青白い明かりが灯った。
リュシアは少し嬉しそうだった。
「わあ、明るい!」
光るメイスをクルクル回していた。
それを見たダリオがリュシアを叱っていた。
「遊ぶんじゃねぇよ!ガキんちょめ……」
そして、パーティーは階段を慎重に下りていった。
その時、小さなネズミが階段を凄い速さで駆け上っていった。
一瞬、リュシアとユラトは驚いたが、ネズミだと分かると胸を撫で下ろした。
ダリオがネズミを一瞥し、2人に言った。
「ただのネズミだ、安心しろ」
ジルメイダも、動じることなく話していた。
「目が真っ赤だったから、恐らく霧の邪気がまだ抜けていないみたいだけどね。まあ、あの程度じゃ害はないさ」
そして気を取り直し、再び階段を下りていく。
地下の空気にユラト達は、次々触れていった。
進むにつれ、地下の空間が冷たい空気で満たされているのが分かる。
そして全員が地下へと下り、ダリオがロッドを高くかざすと少しだが部屋の様子がうかがえた。
「―――ここは……やはりワインの貯蔵庫だな」
声が少し木霊していた。
そして、木の樽が辺りにたくさんあったが、全て朽ちていたり、壊れていた。
ユラトは少しの間、顔をしかめ、鼻を押さえた。
(さっきより、カビ臭いな……)
ダリオは辺りを見回すと残念そうに呟いていた。
どうやら飲めるワインがあるかもしれないと、期待していたようだった。
「……ちっ、飲めそうなものは、全くなさそうだな……ちょっとは期待したんだがな」
ジルメイダもこの匂いのせいで顔を少ししかめ、周りを見ながらパーティーに呼びかけた。
「奥の方も一応調べるよ、まだサーチで感じた物は見つけてないんだからね」
そして、光るメイスを持ったリュシアが奥に向おうとしたとき、奥の暗闇にぼんやりと、白い人のような形のものが見える。
それは、ゆらゆらと不安定な状態で、たたずんでいるように見えた。
リュシアは詳しく確認しようと少し近づいた。
(あれ、なんだろ……)
それは、リュシアを見つけるや否や、こちらに向って走りだしてきた。
「ひぃぃ、骸骨!」
それは人間の骨だけで出来た魔物であった。
そして、短剣を武器としてリュシアに向け、振り下ろしてきた。
ガンッ!
それをすぐに察知したレクスが、リュシアと骨の魔物の間に入り、槍でそれを受け止めた。
攻撃が阻まれた骨の魔物は、すぐに後ろへ後退し、再び突撃しようと武器を構え、その機会を伺っているようだった。
レクスは表情を変えずに敵を見ながら、リュシアの安全を確認した。
「大丈夫か?」
「は、はい!ありがとうございます!」
リュシアはレクスの後ろへまわった。
ユラトとジルメイダも剣を抜き放ち、敵の前へ向った。
ユラトはその姿を見て、冒険者学校で学んだ本の中に書いてあった魔物の名前を叫んだ。
「『スケルトン』か!」
スケルトン
骨で出来た魔物。
人間の骨だけではなく、他にも鳥や獣など骨と魂を持っている生き物が死を迎え、その後、供養や埋葬されることなく放置されていると、その場に留まっている魂と悪霊などが結びつき、その骨に宿るとスケルトンになると言われている。
光の魔法に弱い。
種類も様々あり、スケルトンアーチャー、スケルトンメイジなど、生前のものが、どういったものであったかで、その能力は変わる。
スケルトンを目にしたダリオは、特に驚いた様子はなかった。
「こいつは、よく遭遇する敵だからな、なんの新鮮味もねぇな……」
レクスはスケルトンを見るのは初めてであったため、対処の方法を求め
た。
「どうやって倒せばいいんだ?」
「こいつは、バラバラに砕いてやるか、魔力の宿ってる場所をだな……」
ダリオの説明を待てなかったジルメイダが攻撃を仕掛けた。
「こうやりゃあ、いいのさ!」
ジルメイダはスケルトンに側面から近づくと押すように蹴り、スケルトンがよろめき体勢を崩したところで力を込めて剣を振り、切るのではなくスケルトンの頭蓋骨を叩いた。
剣を振ったときに生じた風がユラトの頬をかすめた。
ユラトは彼女の剣の力強さに驚くと同時に自分もあのようになりたいと思った。
(ジルメイダの力は凄いな……正確な剣、しかも剣を振るのに迷いが無い、俺もあれぐらい強くなりたい……)
頭蓋骨が地面に音を立て、叩きつけられ転がった。
ガンッ!コロコロ…コロ…
そして、ジルメイダがリュシアに光の魔法で止めを刺すように促した。
「こいつは、砕いても魂を浄化してやらないと辺りを彷徨って他の骨なんかに取り憑いてしまうのさ。だからリュシア、光の浄化の魔法を頼むよ、これも経験の一つさ」
リュシアは魔物に触れることさえ、したくは無かったが、これも経験だと思い渋々承諾した。
「…う、うん、やってみる……(凄く、嫌だけど……)」
リュシアが使う光の魔法はアンデッドと言われる不死の魔物に特に良く効く魔法であった。
そのとき、スケルトンの頭蓋骨以外の部分が動き出し、落ちた頭を取りにいこうとしたのをレクスは察知し、槍を使って壁の方へ追いやった。
ダリオは怖そうにしているリュシアを見て呟いた。
「頭を砕いちまった方が、いいんだがな……しょうがねぇか」
ジルメイダには思うところがあるようだった。
「同じ事を言わせるんじゃないよ、ダリオ。必要なことさ(この子にも、前へ出る勇気や経験を少しずつでもいいから、積ませてやらないとね……)」
ジルメイダは普段とは違う、少しやさしい表情をしていた。
ユラトはジルメイダの顔を見て考えていた。
(また、あの表情だ……俺も村でジルメイダに鍛えてもらっている時に、たまに見せるんだ……いつもと違う、どこかやさしい顔……どこかで見たことがあるんだ、随分前に……暖かい……そう、どこかで……)
ユラトは思い出せないでいた。
それはユラトの両親が彼に向けていた、我が子を思う、やさしい眼差しだったのかもしれない。
だが今の彼には、冒険者としてリュシアを鍛えているのだろうということしか思い浮かばなかったようだった。
(まあ、クレリックとして、敵と対峙する事と浄化してやることの両方ってことなのかな……)
リュシアは心を落ち着かせメイスを両手で持ち、祈るようにアンデッドを浄化させる魔法を唱えていた。
「(あたし……頑張ります……ファルバーン様……お母さん……)……浄化の光を与えたまえ!……」
リュシアの右手が光りを帯びる。
そして、その光る手で頭蓋骨を掴もうとする。
すると、頭蓋骨は切り離されているにもかかわらず、カタカタと音を出し、下あごの部分を動かし威嚇してきた。
(―――ひっ!……大丈夫、これくらい……こんなことじゃ母さんの頼みも果たせないし、ヴァベルの塔だって探さないとだめなんだから、こんなことぐらいで!)
一瞬リュシアは驚き、中断しそうになったが、なんとか恐怖に耐え、一気に頭蓋骨のこめかみの部分を光る手で掴んだ。
そして魔法を発動させた。
「『グレアハンド』!」
すると一瞬、頭蓋骨が強く光ると、今度は小さい音を立てながら濃い紫色の煙が骨から出現し、それはすぐに天上に上がる前に、光の粒子となって消え去った。
ジュゥゥゥ……
光の粒子がリュシアに触れた。
その時、リュシアの脳裏に映像が流れてくる。
それは、このスケルトンの生前の記憶であった。
だが、それは断片的で良くは分からなかった。
分かったのは、このスケルトンは、かつてこの家の住人であったものだった。
豊かな実りある森のなか、声が響いていた。
家族がいて、みな仲が良く、額に汗をかき一生懸命、葡萄酒を造る。
笑い声が絶えることはなく、時間が過ぎて行く。
家族は成長し、森の木々も大きくなっていった。
そして、そんな中なぜか家族は1人になっていた。
この幸せな一家に何があったのか、理由は分からない。
1人この家に残ったのは父親だった。
彼は葡萄酒作りを止めていた。
毎日、酒を浴びるように飲み、椅子に座り外の景色を眺め、涙を流していた。
その時の切なく、そしてどうしようもないと言う思いが、その映像を見ていたリュシアにも伝わり、彼女の頬にも同じものが流れていた。
そして彼は、居なくなった家族を思い、地下室へ入った。
そこで映像は終わっていた。
スケルトンの頭蓋骨の部分は灰となり、それ以外の部分は活動を停止し、その場で垂直に崩れ落ちた。
涙を突然流したリュシアに驚いたユラトは、すぐに駆け寄っていた。
「どうしたんだい、リュシア?」
リュシアは自分が見た映像の内容をユラト達に説明した。
「……という訳なんです。……この魔法、実戦で使ったの初めてで、何がなんだか……」
リュシアの話を聞いていたダリオが呟いた。
「『ソウルメモリー』……」
ジルメイダはそれを聞き驚いた。
(流石はヴァベルの娘だ。死者の記憶を感じることが出来るなんてね……)
ダリオもリュシアの持つ才能に驚いていた。
(ソウルメモリーは、人並みはずれた感受性と高い魔力を持った者が、死者や強い思いのある物に触れたときに、稀に感じることがあるという……そうそうあるもんじゃねぇぞ。俺もこの稼業それなりにやってるが、こんなこと今回が始めてだ……。高い感受性は魔法のセンスの高さの現れ。それに、こいつには高い魔力もある。……クレリックにしておくには惜しいな。こいつは鍛えれば相当の使い手になるぞ……面白しれぇぜ!)
『グレアハンド』の魔法
対アンデッド用魔法。
アンデッド(幽霊やスケルトンなど、かつて生命を持っていたものが死を迎え、すでに生命が失われているにも関わらず様々な姿で活動をすることが出来る存在になったもの)などに対して威力を発揮する浄化の光を生み出し、術者の手に光を宿らせ、不死の魔物に宿った闇の存在を消し去ることが出来る、光の魔法。
手で直接対象に触れなければならないのが、この魔法の難しいところである。
恐怖に打ち勝ったリュシアをジルメイダは誉めた。
「よくやったよ、その調子だ!」
涙を拭き、リュシアは立ち上がった。
「うん、ありがとう……ちょっと泣いちゃったけど……(今度は泣かないようにしよう……)」
ユラトは感心し、羨ましくも思った。
(リュシアは凄いんだな……そんなことがあるなんて……俺もがんばろう)
ダリオが内心を隠し、澄ました顔で発言していた。
「ま、後方にいるだけじゃ、だめだからな。優秀な奴はメイスとかでバシバシ敵を攻撃するからな」
ジルメイダが、それに答えた。
「リュシアはクレリックだよ、『アコライト』じゃないんだから、それでいいのさ」
『アコライト』
光の神ファルバーンに仕える侍者。
メイスや棍棒などの打撃武器を得意とし、光の魔法もそれなりに使えることが出来、魔物との戦闘においては戦士や剣士と同じく前衛も兼ねることができるクラス。
「はい!……今度は1人で出来るようにがんばります!」
話を聞いていたレクスがアコライトになったリュシアを想像しようとしたが出来なかったようだった。
腕を組み考えるような動作をし、呟いていた。
「リュシアが雄たけびをあげ、棍棒を振り回している姿は想像できん……」
ダリオはそれを聞いて、珍しく素直に笑っていた。
「ハハッ、そうだなレクス、ちげえねぇや」
ユラトも想像できなかった。
(ふふっ、本当だよ)
パーティーに軽い笑いが起こった。
リュシアだけが、きょとんとした表情で、なぜ笑いが起こったのか分からないでいた。
(え、どういうことだろ……?)
その後、ユラト達は地下室全体を調べた。
広さは、上の建物と同じぐらいの面積であった為、すぐに調べ終えることが出来た。
そして、ユラト達は地下室の奥に生まれたての赤ん坊が入る程の大きさの蓋付きの木の箱を見つけた。
箱の表面は生命の果実(フルーツ・オブ・ライフ 13個の円で構成されていて9つの円で×を作り、その×に4つの円を縦に上と下に2つづつ追加した模様 端的に言えばアスタリスク『*』を13個の円で表現したようなもの)と言われる幾何学模様が彫られていた。
また箱の表面全体は火で焼かれていたため、真っ黒であった。
レクスの説明によると虫食いや腐ることを防ぐ為にする加工であるとのことであった。
ジルメイダが箱をのまわりをじっくり観察し、罠が仕掛けられていないか調べていた。
箱を木の枝で突付き、触っても安全なのを確認すると、箱をゆっくりと持ち上げ、裏側を調べたり、蓋との継ぎ目をゆっくり舐めるように見ていた。
ジルメイダは簡単な罠判定と解除技術を持っていた。
冒険を進める中で冒険者は宝の入った箱などを見つけることがある。
その箱を開ける際には注意が必要な場合がある。
箱に罠が仕込まれている場合があるのだ。
罠の種類は様々で酷い場合だと死に至ることもあるので注意しなければならない。
ユラトは冒険者学校で、初歩の罠判別しか習っていなかった為、実際の罠判定を興味深く見ていた。
(基本的には、教えてもらった事と同じなんだな……何もないといいけど……)
リュシアは、この冒険で見るもの全てが新鮮に映り、初めての事が多かった。
そして好奇心も相まって、ジルメイダの近くでメイスを両手でしっかり握りながら、目を輝かせて箱を見ていた。
ジルメイダが、それに気づき、下がるように促した。
「リュシア、危険かもしれないから少し下がってな」
ジルメイダに下がるように言われたリュシアは、残念そうな表情で少し下がって見ていた。
「う、うん……」
「これは、恐らくハッグのお宝だね……罠は……無いみたいだね、ダリオも一応見てくれるかい?」
一通り調べ終えたジルメイダは、ダリオにも箱を調べるように頼んだ。
「ああ、いいぜ……」
ダリオも木の箱を調べたが特に警戒すべき魔力は感じなかったようだ。
「じゃあ、あたしが開けるよ」
安全であるのを確認したジルメイダが箱をゆっくり開けた。
すると、中には大量の銀貨が入っていた。
それを見たダリオが、喜びの声をあげた。
「おおっ!銀貨だが結構あるじゃねぇかよ!」
ジルメイダもやっと報酬らしい報酬を手に入れられたので嬉しそうだった。
「みんなで分けたとしても、なかなかいい収入になりそうだね」
そして、箱から銀貨を取り出していると、箱の底に魔法のスクロールがあるのをダリオは見つけた。
「……ん、なんだこれは!……スクロール!新しい魔法の発見か!」
ダリオは嬉しそうにスクロールを手に取り、広げてみる。
しかし、そこには何も書いていなかった。
「ありゃ、なんにも書いてねぇぞ……どうなってるんだ?」
それを聞いたユラトは思うところがあった。
(―――何も書いていないスクロールって……まさか!)
(ぼろぼろだな……あんまり期待は出来ないかもしれないな……)
廃屋は2つあり、両方とも一階建ての平屋で一つは人が住むための建物、もう一つの建物は規模は大きく住居の方と比べると2倍から3倍ほどの大きさがあった。
建物の屋根は朽ちていて、草のツルが壁から屋根かけて撒きついて茂っており、屋根の残骸が室内に入っているほどであった。
リュシアの声を聞いたジルメイダが大きな方の建物から姿を現した。
白く束ねられた長い髪を頭だけ動かすことで軽く振り、体についた埃を手で払いながら、話し掛けてきた。
「やっと来たかい、住居と思われる場所の方の調べは済んだよ。めぼしい物は何も無いね」
辺りを調べていたダリオが、建物から出てきたジルメイダに顔を向け、尋ねていた。
「もう一つの建物はなんの建物なんだ?」
「さあね、なんか木製の樽とかそういうのがあっただけだね。奥に地下室があるみたいなんだ、こっちに来ておくれ」
ユラト達は建物の中へ入った。
所々、苔が生えている場所があった。
ダリオが見たまま、感じたままを素直に呟いた。
「汚ねぇし、カビ臭えな……長居はしたくないぜ……」
辺りはジルメイダの言った通り、木製の樽に大きな平べったい石の真ん中をくり抜いた物などがあった。
それらを見た、レクスが軽く説明をした。
「ここは、恐らく葡萄酒を造る場所だな。圧搾機や貯蔵する樽がある」
ウッドエルフ達は葡萄酒を作っているのでどうやら、この建物がどういったものなのか、分かるようだった。
ユラトは、道具を見ながら納得していた。
「へぇ、そうなんだ」
そして、ユラト達は奥へと進んだ。
奥の真ん中辺りに来たところでジルメイダが止った。
そして、顎でその場所を指し、皆に話し掛けた。
「ここが、さっき言っていた場所さ」
そこには地下へ続く階段があった。
リュシアが恐る恐る階段の奥を見ようとするが暗くて見えない。
「真っ暗……」
「こりゃ、明かりがないと無理だね。ダリオ、頼むよ」
「おう、まかせろ」
ジルメイダがダリオに、武器や道具に明かりを灯す『マナトーチ』の魔法を頼むとダリオのロッドとリュシアのメイスに魔法の青白い明かりが灯った。
リュシアは少し嬉しそうだった。
「わあ、明るい!」
光るメイスをクルクル回していた。
それを見たダリオがリュシアを叱っていた。
「遊ぶんじゃねぇよ!ガキんちょめ……」
そして、パーティーは階段を慎重に下りていった。
その時、小さなネズミが階段を凄い速さで駆け上っていった。
一瞬、リュシアとユラトは驚いたが、ネズミだと分かると胸を撫で下ろした。
ダリオがネズミを一瞥し、2人に言った。
「ただのネズミだ、安心しろ」
ジルメイダも、動じることなく話していた。
「目が真っ赤だったから、恐らく霧の邪気がまだ抜けていないみたいだけどね。まあ、あの程度じゃ害はないさ」
そして気を取り直し、再び階段を下りていく。
地下の空気にユラト達は、次々触れていった。
進むにつれ、地下の空間が冷たい空気で満たされているのが分かる。
そして全員が地下へと下り、ダリオがロッドを高くかざすと少しだが部屋の様子がうかがえた。
「―――ここは……やはりワインの貯蔵庫だな」
声が少し木霊していた。
そして、木の樽が辺りにたくさんあったが、全て朽ちていたり、壊れていた。
ユラトは少しの間、顔をしかめ、鼻を押さえた。
(さっきより、カビ臭いな……)
ダリオは辺りを見回すと残念そうに呟いていた。
どうやら飲めるワインがあるかもしれないと、期待していたようだった。
「……ちっ、飲めそうなものは、全くなさそうだな……ちょっとは期待したんだがな」
ジルメイダもこの匂いのせいで顔を少ししかめ、周りを見ながらパーティーに呼びかけた。
「奥の方も一応調べるよ、まだサーチで感じた物は見つけてないんだからね」
そして、光るメイスを持ったリュシアが奥に向おうとしたとき、奥の暗闇にぼんやりと、白い人のような形のものが見える。
それは、ゆらゆらと不安定な状態で、たたずんでいるように見えた。
リュシアは詳しく確認しようと少し近づいた。
(あれ、なんだろ……)
それは、リュシアを見つけるや否や、こちらに向って走りだしてきた。
「ひぃぃ、骸骨!」
それは人間の骨だけで出来た魔物であった。
そして、短剣を武器としてリュシアに向け、振り下ろしてきた。
ガンッ!
それをすぐに察知したレクスが、リュシアと骨の魔物の間に入り、槍でそれを受け止めた。
攻撃が阻まれた骨の魔物は、すぐに後ろへ後退し、再び突撃しようと武器を構え、その機会を伺っているようだった。
レクスは表情を変えずに敵を見ながら、リュシアの安全を確認した。
「大丈夫か?」
「は、はい!ありがとうございます!」
リュシアはレクスの後ろへまわった。
ユラトとジルメイダも剣を抜き放ち、敵の前へ向った。
ユラトはその姿を見て、冒険者学校で学んだ本の中に書いてあった魔物の名前を叫んだ。
「『スケルトン』か!」
スケルトン
骨で出来た魔物。
人間の骨だけではなく、他にも鳥や獣など骨と魂を持っている生き物が死を迎え、その後、供養や埋葬されることなく放置されていると、その場に留まっている魂と悪霊などが結びつき、その骨に宿るとスケルトンになると言われている。
光の魔法に弱い。
種類も様々あり、スケルトンアーチャー、スケルトンメイジなど、生前のものが、どういったものであったかで、その能力は変わる。
スケルトンを目にしたダリオは、特に驚いた様子はなかった。
「こいつは、よく遭遇する敵だからな、なんの新鮮味もねぇな……」
レクスはスケルトンを見るのは初めてであったため、対処の方法を求め
た。
「どうやって倒せばいいんだ?」
「こいつは、バラバラに砕いてやるか、魔力の宿ってる場所をだな……」
ダリオの説明を待てなかったジルメイダが攻撃を仕掛けた。
「こうやりゃあ、いいのさ!」
ジルメイダはスケルトンに側面から近づくと押すように蹴り、スケルトンがよろめき体勢を崩したところで力を込めて剣を振り、切るのではなくスケルトンの頭蓋骨を叩いた。
剣を振ったときに生じた風がユラトの頬をかすめた。
ユラトは彼女の剣の力強さに驚くと同時に自分もあのようになりたいと思った。
(ジルメイダの力は凄いな……正確な剣、しかも剣を振るのに迷いが無い、俺もあれぐらい強くなりたい……)
頭蓋骨が地面に音を立て、叩きつけられ転がった。
ガンッ!コロコロ…コロ…
そして、ジルメイダがリュシアに光の魔法で止めを刺すように促した。
「こいつは、砕いても魂を浄化してやらないと辺りを彷徨って他の骨なんかに取り憑いてしまうのさ。だからリュシア、光の浄化の魔法を頼むよ、これも経験の一つさ」
リュシアは魔物に触れることさえ、したくは無かったが、これも経験だと思い渋々承諾した。
「…う、うん、やってみる……(凄く、嫌だけど……)」
リュシアが使う光の魔法はアンデッドと言われる不死の魔物に特に良く効く魔法であった。
そのとき、スケルトンの頭蓋骨以外の部分が動き出し、落ちた頭を取りにいこうとしたのをレクスは察知し、槍を使って壁の方へ追いやった。
ダリオは怖そうにしているリュシアを見て呟いた。
「頭を砕いちまった方が、いいんだがな……しょうがねぇか」
ジルメイダには思うところがあるようだった。
「同じ事を言わせるんじゃないよ、ダリオ。必要なことさ(この子にも、前へ出る勇気や経験を少しずつでもいいから、積ませてやらないとね……)」
ジルメイダは普段とは違う、少しやさしい表情をしていた。
ユラトはジルメイダの顔を見て考えていた。
(また、あの表情だ……俺も村でジルメイダに鍛えてもらっている時に、たまに見せるんだ……いつもと違う、どこかやさしい顔……どこかで見たことがあるんだ、随分前に……暖かい……そう、どこかで……)
ユラトは思い出せないでいた。
それはユラトの両親が彼に向けていた、我が子を思う、やさしい眼差しだったのかもしれない。
だが今の彼には、冒険者としてリュシアを鍛えているのだろうということしか思い浮かばなかったようだった。
(まあ、クレリックとして、敵と対峙する事と浄化してやることの両方ってことなのかな……)
リュシアは心を落ち着かせメイスを両手で持ち、祈るようにアンデッドを浄化させる魔法を唱えていた。
「(あたし……頑張ります……ファルバーン様……お母さん……)……浄化の光を与えたまえ!……」
リュシアの右手が光りを帯びる。
そして、その光る手で頭蓋骨を掴もうとする。
すると、頭蓋骨は切り離されているにもかかわらず、カタカタと音を出し、下あごの部分を動かし威嚇してきた。
(―――ひっ!……大丈夫、これくらい……こんなことじゃ母さんの頼みも果たせないし、ヴァベルの塔だって探さないとだめなんだから、こんなことぐらいで!)
一瞬リュシアは驚き、中断しそうになったが、なんとか恐怖に耐え、一気に頭蓋骨のこめかみの部分を光る手で掴んだ。
そして魔法を発動させた。
「『グレアハンド』!」
すると一瞬、頭蓋骨が強く光ると、今度は小さい音を立てながら濃い紫色の煙が骨から出現し、それはすぐに天上に上がる前に、光の粒子となって消え去った。
ジュゥゥゥ……
光の粒子がリュシアに触れた。
その時、リュシアの脳裏に映像が流れてくる。
それは、このスケルトンの生前の記憶であった。
だが、それは断片的で良くは分からなかった。
分かったのは、このスケルトンは、かつてこの家の住人であったものだった。
豊かな実りある森のなか、声が響いていた。
家族がいて、みな仲が良く、額に汗をかき一生懸命、葡萄酒を造る。
笑い声が絶えることはなく、時間が過ぎて行く。
家族は成長し、森の木々も大きくなっていった。
そして、そんな中なぜか家族は1人になっていた。
この幸せな一家に何があったのか、理由は分からない。
1人この家に残ったのは父親だった。
彼は葡萄酒作りを止めていた。
毎日、酒を浴びるように飲み、椅子に座り外の景色を眺め、涙を流していた。
その時の切なく、そしてどうしようもないと言う思いが、その映像を見ていたリュシアにも伝わり、彼女の頬にも同じものが流れていた。
そして彼は、居なくなった家族を思い、地下室へ入った。
そこで映像は終わっていた。
スケルトンの頭蓋骨の部分は灰となり、それ以外の部分は活動を停止し、その場で垂直に崩れ落ちた。
涙を突然流したリュシアに驚いたユラトは、すぐに駆け寄っていた。
「どうしたんだい、リュシア?」
リュシアは自分が見た映像の内容をユラト達に説明した。
「……という訳なんです。……この魔法、実戦で使ったの初めてで、何がなんだか……」
リュシアの話を聞いていたダリオが呟いた。
「『ソウルメモリー』……」
ジルメイダはそれを聞き驚いた。
(流石はヴァベルの娘だ。死者の記憶を感じることが出来るなんてね……)
ダリオもリュシアの持つ才能に驚いていた。
(ソウルメモリーは、人並みはずれた感受性と高い魔力を持った者が、死者や強い思いのある物に触れたときに、稀に感じることがあるという……そうそうあるもんじゃねぇぞ。俺もこの稼業それなりにやってるが、こんなこと今回が始めてだ……。高い感受性は魔法のセンスの高さの現れ。それに、こいつには高い魔力もある。……クレリックにしておくには惜しいな。こいつは鍛えれば相当の使い手になるぞ……面白しれぇぜ!)
『グレアハンド』の魔法
対アンデッド用魔法。
アンデッド(幽霊やスケルトンなど、かつて生命を持っていたものが死を迎え、すでに生命が失われているにも関わらず様々な姿で活動をすることが出来る存在になったもの)などに対して威力を発揮する浄化の光を生み出し、術者の手に光を宿らせ、不死の魔物に宿った闇の存在を消し去ることが出来る、光の魔法。
手で直接対象に触れなければならないのが、この魔法の難しいところである。
恐怖に打ち勝ったリュシアをジルメイダは誉めた。
「よくやったよ、その調子だ!」
涙を拭き、リュシアは立ち上がった。
「うん、ありがとう……ちょっと泣いちゃったけど……(今度は泣かないようにしよう……)」
ユラトは感心し、羨ましくも思った。
(リュシアは凄いんだな……そんなことがあるなんて……俺もがんばろう)
ダリオが内心を隠し、澄ました顔で発言していた。
「ま、後方にいるだけじゃ、だめだからな。優秀な奴はメイスとかでバシバシ敵を攻撃するからな」
ジルメイダが、それに答えた。
「リュシアはクレリックだよ、『アコライト』じゃないんだから、それでいいのさ」
『アコライト』
光の神ファルバーンに仕える侍者。
メイスや棍棒などの打撃武器を得意とし、光の魔法もそれなりに使えることが出来、魔物との戦闘においては戦士や剣士と同じく前衛も兼ねることができるクラス。
「はい!……今度は1人で出来るようにがんばります!」
話を聞いていたレクスがアコライトになったリュシアを想像しようとしたが出来なかったようだった。
腕を組み考えるような動作をし、呟いていた。
「リュシアが雄たけびをあげ、棍棒を振り回している姿は想像できん……」
ダリオはそれを聞いて、珍しく素直に笑っていた。
「ハハッ、そうだなレクス、ちげえねぇや」
ユラトも想像できなかった。
(ふふっ、本当だよ)
パーティーに軽い笑いが起こった。
リュシアだけが、きょとんとした表情で、なぜ笑いが起こったのか分からないでいた。
(え、どういうことだろ……?)
その後、ユラト達は地下室全体を調べた。
広さは、上の建物と同じぐらいの面積であった為、すぐに調べ終えることが出来た。
そして、ユラト達は地下室の奥に生まれたての赤ん坊が入る程の大きさの蓋付きの木の箱を見つけた。
箱の表面は生命の果実(フルーツ・オブ・ライフ 13個の円で構成されていて9つの円で×を作り、その×に4つの円を縦に上と下に2つづつ追加した模様 端的に言えばアスタリスク『*』を13個の円で表現したようなもの)と言われる幾何学模様が彫られていた。
また箱の表面全体は火で焼かれていたため、真っ黒であった。
レクスの説明によると虫食いや腐ることを防ぐ為にする加工であるとのことであった。
ジルメイダが箱をのまわりをじっくり観察し、罠が仕掛けられていないか調べていた。
箱を木の枝で突付き、触っても安全なのを確認すると、箱をゆっくりと持ち上げ、裏側を調べたり、蓋との継ぎ目をゆっくり舐めるように見ていた。
ジルメイダは簡単な罠判定と解除技術を持っていた。
冒険を進める中で冒険者は宝の入った箱などを見つけることがある。
その箱を開ける際には注意が必要な場合がある。
箱に罠が仕込まれている場合があるのだ。
罠の種類は様々で酷い場合だと死に至ることもあるので注意しなければならない。
ユラトは冒険者学校で、初歩の罠判別しか習っていなかった為、実際の罠判定を興味深く見ていた。
(基本的には、教えてもらった事と同じなんだな……何もないといいけど……)
リュシアは、この冒険で見るもの全てが新鮮に映り、初めての事が多かった。
そして好奇心も相まって、ジルメイダの近くでメイスを両手でしっかり握りながら、目を輝かせて箱を見ていた。
ジルメイダが、それに気づき、下がるように促した。
「リュシア、危険かもしれないから少し下がってな」
ジルメイダに下がるように言われたリュシアは、残念そうな表情で少し下がって見ていた。
「う、うん……」
「これは、恐らくハッグのお宝だね……罠は……無いみたいだね、ダリオも一応見てくれるかい?」
一通り調べ終えたジルメイダは、ダリオにも箱を調べるように頼んだ。
「ああ、いいぜ……」
ダリオも木の箱を調べたが特に警戒すべき魔力は感じなかったようだ。
「じゃあ、あたしが開けるよ」
安全であるのを確認したジルメイダが箱をゆっくり開けた。
すると、中には大量の銀貨が入っていた。
それを見たダリオが、喜びの声をあげた。
「おおっ!銀貨だが結構あるじゃねぇかよ!」
ジルメイダもやっと報酬らしい報酬を手に入れられたので嬉しそうだった。
「みんなで分けたとしても、なかなかいい収入になりそうだね」
そして、箱から銀貨を取り出していると、箱の底に魔法のスクロールがあるのをダリオは見つけた。
「……ん、なんだこれは!……スクロール!新しい魔法の発見か!」
ダリオは嬉しそうにスクロールを手に取り、広げてみる。
しかし、そこには何も書いていなかった。
「ありゃ、なんにも書いてねぇぞ……どうなってるんだ?」
それを聞いたユラトは思うところがあった。
(―――何も書いていないスクロールって……まさか!)
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