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第十六話 3
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【エクソシスト】
様々な魔法や道具、技術などを使い、悪魔や魔族、悪霊に立ち向かう、対悪魔及び悪霊専門のクラス。
悪魔や悪霊に対してのみ、有効な技術や技を使うため、冒険者になることはあまりなく、主に審議会やギルドの依頼を受けている。
祓魔師(ふつまし)とも言われる。
クフィンが、ヴァベルの事について魔女に話した。
「あそこには、今はほとんど人はいないみたいだぞ」
「なんでだい?」
「黒い霧が晴れたために、皆、一族の悲願である、ヴァベルの塔を探しているらしいんです」
「……ああ、そう言えばそんな事言ってたね……」
「……あの、他には何か対処する方法はないんですか?」
エルディアに尋ねられたメディアは、目を閉じると、右手で目頭を押さえ、考えていた。
「……そうだねぇ……確か、遥か前に読んだ祓魔法典には、紫の頸垂帯(ストール)を首にかければいいとか、書いてあったねぇ……あとは、十字架に弱いとか、銀製品にも弱いと聞いたね。まあ、ヴァベルの教会に行って借りてくればいいさ」
「なるほど……」
「分かりました。そうしてみます」
「しかし、またヴァベルの人ですか……」
カーリオは、先ほど会ったアコライトの女を思い出していた。
(またしても、ヴァベルですか……何か運命のようなものでもあるのでしょうか……エクソシスト……いるといいんですが……それと……その方も魅力的な方だと……ふふっ)
そんな彼の顔を見た魔女は、エルディアたちと出会ったことを悟ったようだった。
「あんた達も、ゼグレムの仲間と会ったみたいだね」
「はい、ここから帰る途中の2人に会いました」
「そうか……丁度ここに、あの2人が持ってきた物があってね。これを使って、あんたを見てやるよ。そのためについでに持ってきたんだ」
魔女はエルディアを見つめると、淡い青色の布で包まれた物を見せていた。
エルディアは、魔女の手元にあるその布に包まれたものを見ていた。
(一体何が中にあるの……)
そんな、彼女を見たメディアは、机を軽く叩いた。
「なーに、ぼけっと突っ立ってんだい!この机にある物を全部片付けるのを手伝いな。そうじゃないと、やってやらないよ!」
3人は何のことだか一瞬分からなかったが、すぐにカーリオがその意味を理解し、魔女に尋ねていた。
「……と言うことは魔女メディア、自ら、占って下さると?」
「当たり前だよ。わかったのなら、さっさとおし!」
魔女は会ったときから、ずっと面倒くさそうに話していたように見えただけに、エルディアは、なぜ見てくれる気になったのか分からなかった。
そして思わず、彼女に聞いていた。
「……あの、なぜ私だけ……?」
エルディアが聞くと、すぐにカーリオも自分も占って欲しいと頼もうとしていた。
「私も、恋などの占いを……」
それを聞いたメディアは、彼をジロリと睨んだ。
「あんたは今まで通り、適当にやってればいいんだよ」
運命の人を知りたかったバルガの魔道師は、ここまではっきりと断られるとは思わなかったのか、驚いていた。
「ま、魔女さま……そんな、ご無体な……」
呆然としているカーリオにクフィンは近づき、彼の肩に手を置いた。
「……だ、そうだ。カーリオ、諦めろ。早く片付けるぞ」
そんなカーリオを見たメディアは、ふんっと鼻を鳴らし、エルディアに話しかけた。
「話は後だよ。このメディア様、直々に見てやるんだ。しかもただで。気が変わらないうちに、やりな」
そして、彼らは魔女に言われるがまま、机の上を片付けた。
結構な数の本や資料があった。
しかも、埃をかぶっているものもあったため、少し咳き込みながらの作業だった。
そして、ある程度片付いたところで、メディアは満足したようだった。
「よし!こんなもんでいいよ……そこに座りな」
エルディアは、言われた席に着いた。
すると魔女は、先ほど持ってきていた包みを解いた。
淡い青色の布の中から出てきたのは、手のひらに収まるほどの大きさの水晶球だった。
メディアは、それを両手で包み込むように持ち、そのまま机に敷かれた淡い青色の布の上に置いた。
「この水晶は、ただの水晶じゃないんだよ……この深く青みがかった色は、通常の物じゃ出ないんだ」
その説明を聞き、3人はそのクリスタルの玉を見た。
「確かに見たことのない色ですね……普通は無色透明が多いですからね……」
「カーリオ、お前でもわからんのか?」
「今、記憶を辿っているところです……うーん」
カーリオは腕を組み、眉を寄せ、天井を見上げながら考えていた。
そして、そんな彼らを待ちきれなかったのか、メディアはこの水晶について話した。
「知らないのかい……女ばっかり追っかけてるからだよ、全く……いいかい、これはね、北東の新大陸で発見されたもんなんだ」
「北東の……」
「そうさ、そして、これは『レムリアン・クリスタル』って言うんだ。これで見ると、もう他のは使えないね……非常に魔力や霊力を投影させるのに抜群の力を持っているんだ」
その名称を聞いたカーリオは、ようやく気づいたようだった。
「……なるほど、これがそうなんですか……本でしか読んだことがないので、実物は初めて見ました……そうですか……これが……」
「どうやら、鉱山もあって、そこでもこの水晶が採れるって話さ」
魔女は顔を綻ばせ、そのクリスタルの玉を手でさすっていた。
「それで、あの北東の大陸は『レムリア大陸』と、これからは呼ばれるらしいよ」
「レムリア……」
「そして、西の新大陸の方は、エルフが見つかったことから『エルフィニア大陸』と審議会の連中が名づけたって、あの2人がここに来た時に話していたね」
どうやら2つの新大陸は、それぞれ名が付いたようだった。
ユラト達のいる、西の大陸を『エルフィニア大陸』と呼び、北東の新たに発見された場所を『レムリア大陸』とこれからは、呼ばれることになりそうだった。
「それじゃ、見るかね……ああ、そうだ。言っておくけど、あたしのは未来を見るものじゃないからね」
通常、占いと言えば、未来を見るものではないのか?
しかし、魔女はそうではないと言った。
そのことにエルディアは困惑し、彼女に尋ねた。
「……え、どういうことですか?」
「あたしのは 未来を占うものじゃないのさ。その者の現在の立ち位置を見るんだ」
「……立ち位置?」
「人によってその立ち位置は様々さ。男と女、若人と老人、富む者と貧しき者、知者と愚者、美しき者、醜き者、幸運、不運の者、その者が住んでいる場所、目指す先、どんな経験をし、何を思い、何を感じ、積み重ねてきたか。実に多種多様なのさ」
「なるほど……」
「そう言った人の現在の立ち位置を、あたしは漠然とだが、ある程度見ることができるんだ……あたしの夫は占い師として未来を。そして、あたしは現在を見ることができるのさ」
未来・現在ときたので、カーリオは魔女に尋ねた。
「では過去は誰が?」
若き魔道師の問いに、魔女は珍しく笑顔で答えた。
「ん……ふふっ、そりゃあ、決まってるじゃないか。今もこの暗黒世界で旅をしている者達さ」
エルディアは、すぐにユラトのことが頭に浮かんだ。
「……冒険者……」
「ふふ、そう言うことさ。何もあたしは神じゃないのさ。3つの内一つぐらい、他人がやってもいいだろうよ……それに彼らは中々優秀だ……」
そう言って笑みを浮かべた魔女は、レムリアンクリスタルで出来た水晶球を撫でていた。
そして、すぐに表情を元に戻し、エルディアを見つめた。
「……じゃあ見るかね」
魔女は、レムリアン・クリスタルで出来た玉を両手で持ち上げた。
「エルディア、両手を広げて、机の上に置きな」
エルディアが言われたとおりにすると、魔女は水晶球を彼女の手の上に乗せた。
そして、自分の両手を玉に触れるか触れないかのところで止めると、今度はクリスタルを静かに見つめ、何かを強く念じているようだった。
「うーむぅ……見えてきたよ……一本の光の柱が見えるね……小さな光だ……恐らく、これはあんただ」
そして、今度は水晶球の近くで両手を強く握り締めた。
どうやら、魔力を送り込んでいるようだった。
「……色々浮かび上がってきてるねぇ……」
水晶球の中に、光の粒がたくさん現れてきていた。
そして、中心辺りに強い光を放ち、闇を飲み込むような渦が出来始めた。
メディアは、それを見て驚いていた。
「……ほう……こいつは、凄いね……あんたをラウルスを通して見たときから、普通じゃない何かを感じたんだが……それは、あんたじゃなかったんだね……」
エルディアには、何が起きているかさっぱり分からなかった。
(どう言う事?……)
「水晶球の中を見てみな……一際大きい光の渦があるだろ?」
「はい……」
「あんたには、大切な人がいるね?」
唐突な質問に彼女は、ややうろたえた。
「え……(ユラトのこと?)」
魔女は、急かすように聞いてきた。
「どっちだい」
エルディアは、少し恥ずかしそうに答えた。
「います……」
彼女の表情から、メディアは感づいた。
「それは男だね……」
そう言われた彼女の頬に、僅かだが紅がさした。
そしてエルディアは、無言で頷いた。
そんなエルディアの顔を見たクフィンは気になり、誰なのか考えているようだった。
(手紙を出していた……故郷の者か?……俺では……ないのだろうな……)
そしてメディアは占いを続けた。
「……ん、この渦は、奇妙だねぇ……」
魔女の言うとおり、よく見るとその渦は、光と闇を吸い込み、そして両方を生み出してもいた。
「こんな渦……見たこともないよ……しかも、この大きさだ……これは世界に影響を及ぼすほどの何かを持っている大きさだ……ここでは何が起きても不思議じゃないよ。多くの命が奪われることだってあり得る場所さ」
それを聞いたエルディアは驚いた。
「えっ……彼は、ただの冒険者です……ちょっと好奇心が旺盛なだけの……(もしかして、ユラトじゃない、誰かってこと?……)」
「あんたの言う者と、この人物が同じかどうかは、直接会って視て見ないと分からないね……だけど、この人物は、かなりのものになる可能性があるね」
しばらく黙って聞いていたカーリオが、気になった事があったのか魔女に尋ねていた。
「可能性ですか?」
「そうさ、この渦はまだ不完全だ。つまり、こいつはまだ決めていないんだ……そこまで到達していないのさ……だけど、もうすぐさ……もう、ほんの少し歩けば、どうするか……まあ、どこを歩くにしろ、相当変わった道を歩むことになるだろうね……」
「そんな……」
平凡な冒険者としての日々を想像していた彼女は、暗澹たる思いになった。
そして、彼女は彼の左手の甲にあった呪いの事を思い出した。
(もしかして……あの模様が関係あるの?……ユラト……)
そんなエルディアの思いを知ることの無い魔女は話を続けていた。
「一本の糸がその大きな渦とあんたを繋いでいる……その者にあんたは、引っ張られて……いや……そうじゃあないね……あんたから、そこへ行こうってんだ……かぁー!泣かせるねぇ……良い女じゃないか!」
メディアは、なぜかエルディアの事が気に入ったようだった。
「この水晶に映っている、あんたの光は小さいが、早々折れることの無い、真っ直ぐな光だ。それはあんたが強い信念を持った女であることを示すものでもあるんだ……一途な強い女だ……まるで、若いころのあたしを見てるようだよ……あたしゃ、この娘が気に入ったね!いいかい男ども、良く聞きな。嫁にするならこんな女がいいのさ。汚い色気ばっかりの女なんかに惑わされるんじゃないよ!とくにバルガのあんただよ、いいね?」
そう言って、メディアはカーリオをぎろりと睨んだ。
魔女の気迫にカーリオは、慌てて返事を返していた。
「―――は、はい。肝に銘じておきます……」
クフィンはそれを聞き、腕を組みながら嬉しそうにしていた。
(エルディアの魅力を理解するとは……流石、魔女と言われるだけのことはある。分かっているな……このばあさん……ふふっ)
魔女は水晶球を楽しげに見ていた。
「なるほど、それで今日、あんた達に会わなければならない、占いの結果が出たんだね……何となく分かったよ……(これは、きっとあたしにも繋がっているんだ……ふふふっ……面白そうな、絵じゃないか……)」
そしてメディアは、優しい顔になり、エルディアに話しかけた。
「あたしゃ、いつか4人目の賢者になるつもりだ。そうなれば、ここを離れることになる。だからどうだい、あたしの後を継ぐつもりはないかい?」
「……えっ、わたしがですか?」
「ああ、そうだ。あたしはね、あんたが気に入ったってだけじゃないんだ。あんたには、才能がありそうだ……あたしにゃあ、わかるんだ」
メディアは、真顔で真っ直ぐ彼女を見つめていた。
突然のことでエルディアは驚いたが、自分の目的をすぐに思い出していた。
「……私には行く場所が……」
彼女の言葉を遮る様に、魔女は話した。
「それは、わかっているさ。それが終わったらでいいよ……まあ、ゆっくり考えな」
魔女の気分をこれ以上害したくないと思ったエルディアは、考えるだけなら構わないと思い、すぐに答えた。
「……はい、一応考えておきます……」
そんな彼女を見たメディアは、嬉しそうにしていた。
「そうかい、そうかい……ふふっ……気長に考えな。まあ、ダメでもいいさ……他にも候補はいるからね」
そして、魔女メディアは水晶球を包んでいた布を手に取ると、再び包み直していた。
どうやら、占いはここまでのようだった。
「今日はもう1人、最後のお客さんが来るんでね。あんた達にはそろそろ、ここから出て行ってもらうよ」
自分たち3人で最後だと思っていただけに、意外に思ったカーリオは尋ねていた。
「……ほう、まだここに来る方がいらっしゃると?」
「あたしも会うのは初めてさ。まあ、これ以上は喋らないよ。ここに、しかもこんな時間に、あたしに会い来るってことは、普通じゃない奴だろうからね」
魔女にそう言われ、益々気になるカーリオだった。
(その言い方……気になりますねぇ……だけど、見せては頂けないんでしょうね……)
魔女は椅子から立ち上がった。
それを見たエルディアたちは、部屋から出ることにした。
そして、帰り際にメディアはエルディアに話しかけていた。
「あたしは、あんたが気に入ったよ。だから、何か困難に出会ったのなら、ここに来な。あんたは、下らない事で人に頼るような女じゃないからね。あんたがもし来たのなら、その時は会ってやるよ。覚えておきな、若く優秀な魔道師よ」
エルディアは、お辞儀をして礼を言った。
「色々、教えてくださって本当に感謝しています……ありがとうございました。ビルハッドさんにも、感謝していたと、お伝えください」
「ああ、わかったよ。さあ、行っておくれ」
クフィンとカーリオも礼を言い、エルディアと共に部屋を出た。
その時、後方から魔女の独り言が聞こえた。
「さっさと、もう一つも終わらせて……大地の迷宮の攻略に……戻るか……あいつをどうにか……しなきゃ……だねぇ……」
どうやら、魔女メディアは4人目の賢者を目指し、再び大地の迷宮に挑むようだった。
そしてエルディア達は、人々から占いの館と言われる場所から出た。
辺りは、まだ暗い夜だったが、あと少し時間が経てば朝になりそうな時刻だった。
来た道を帰り、3人はここに来るまで出会った人物のことを考えていた。
(考えてみれば、ほんの少し移動しただけなのに、凄い人たちと会う事が出来たわ……どれも大切な出会い……)
彼女の言うとおり、どの人物もなかなか会うことの出来ない者達だった。
(……後は、ラドラー学院長に報告をして終りよね……そしたら、私も西のエルフィニアへ……)
クフィンは、考え事をしているエルディアを見つめていた。
(とりあえず、エルディアに何も無くて良かった……それに悪魔の事は聞けたから、よしとするか……)
カーリオは、船から腕を出し、湖面に指先をつけながら考えていた。
(もう少し、色のある出会いが私としては、欲しかったですかね……それにしても、少し眠くなってきました……)
そして、彼らが帰りの船の中で、今後についてどうするか話し合っていた時、ジャック・オー・ランタンのジャックが、突然何かに気づき、空の方を指差していた。
「ちょっと、お客さん!あれなんだろ!あれ!」
しかし、3人はジャックの言葉をすぐには信用しなかった。
先ほど、驚かされたからだった。
エルディア達は、彼の指差す方向を見ることなく、疑いの眼差しを彼に向けていた。
「ジャック……」
「また、私達を驚かすつもりですか?」
「おい、ガキ、その手には乗らんぞ」
しかし、ジャックは必死になって、彼らに話しかけていた。
「いや、本当だって!あれって魔物じゃないの!?」
魔物と聞いた3人は、見ないわけにはいかないと思い、渋々彼の指差す方向を見た。
「はあ、ちょっとだけ、付き合ってあげますか……」
すると、エルディア達がいる、湖の上空を大きな翼を持った何かが、かなりの速度で飛んでいった。
3人は驚いた。
「―――あれは!?」
それはすぐに後方へ移動していた。
そして夜空に出ている月に、その謎のものが重なった。
シルエットが見えた。
それを見た3人は驚いた。
「あれって……」
「まさか、しかし……」
「ワイバーンか!?」
クフィンが叫んだ通り、それは大きな翼を持った飛竜に見えた。
そして、さらにエルディアが何かに気づいた。
「人が……乗っている……?」
彼女の言葉を聞き、クフィンとカーリオも、目を凝らして月を見た。
「……本当だ。誰かいるな……何だあれは……」
(人?……そんな……どうやって……?)
呆然と飛竜を見つめているエルディア達とは違い、ジャックは興奮気味に叫んでいた。
「あっちって、ビルの爺様の館がある方向だよ!もしかして、会いに行ったのかな?」
ジャックの話しから、エルディア達は魔女メディアの言葉を思い出した。
「確か、私達以外にも今日はもう1人来るって言ってた……」
「そんな事を言っていたな……」
「この島の住人ではないでしょうね……聞いたことがありませんよ……飛竜を駆る者なんて……」
エルディアは、今回の学院からのクエストによって、普段見ることの無い大きな力をたくさん見たために、それが心に大きな不安となって現れていた。
(あの占いといい、何か大きなことが起き始めているのかな?……何もないといいけど……)
そして飛竜は、魔女のいる島へ向かって飛んでいった。
「とにかく、私達は報告に行こう……」
「ああ、そうだな。これ以上は、考えても無駄だ」
「ええ、早く帰って……ぐっすり眠りたいものです……」
エルディア達は、クエスト達成のため、レイアークの町へ向かった。
暗黒世界は、今、何か大きな力が現れ始めたのだろうか?
エルディアは、何も起こらないことを祈りながら、ユラトの元へ辿り付く事を考えていた。
様々な魔法や道具、技術などを使い、悪魔や魔族、悪霊に立ち向かう、対悪魔及び悪霊専門のクラス。
悪魔や悪霊に対してのみ、有効な技術や技を使うため、冒険者になることはあまりなく、主に審議会やギルドの依頼を受けている。
祓魔師(ふつまし)とも言われる。
クフィンが、ヴァベルの事について魔女に話した。
「あそこには、今はほとんど人はいないみたいだぞ」
「なんでだい?」
「黒い霧が晴れたために、皆、一族の悲願である、ヴァベルの塔を探しているらしいんです」
「……ああ、そう言えばそんな事言ってたね……」
「……あの、他には何か対処する方法はないんですか?」
エルディアに尋ねられたメディアは、目を閉じると、右手で目頭を押さえ、考えていた。
「……そうだねぇ……確か、遥か前に読んだ祓魔法典には、紫の頸垂帯(ストール)を首にかければいいとか、書いてあったねぇ……あとは、十字架に弱いとか、銀製品にも弱いと聞いたね。まあ、ヴァベルの教会に行って借りてくればいいさ」
「なるほど……」
「分かりました。そうしてみます」
「しかし、またヴァベルの人ですか……」
カーリオは、先ほど会ったアコライトの女を思い出していた。
(またしても、ヴァベルですか……何か運命のようなものでもあるのでしょうか……エクソシスト……いるといいんですが……それと……その方も魅力的な方だと……ふふっ)
そんな彼の顔を見た魔女は、エルディアたちと出会ったことを悟ったようだった。
「あんた達も、ゼグレムの仲間と会ったみたいだね」
「はい、ここから帰る途中の2人に会いました」
「そうか……丁度ここに、あの2人が持ってきた物があってね。これを使って、あんたを見てやるよ。そのためについでに持ってきたんだ」
魔女はエルディアを見つめると、淡い青色の布で包まれた物を見せていた。
エルディアは、魔女の手元にあるその布に包まれたものを見ていた。
(一体何が中にあるの……)
そんな、彼女を見たメディアは、机を軽く叩いた。
「なーに、ぼけっと突っ立ってんだい!この机にある物を全部片付けるのを手伝いな。そうじゃないと、やってやらないよ!」
3人は何のことだか一瞬分からなかったが、すぐにカーリオがその意味を理解し、魔女に尋ねていた。
「……と言うことは魔女メディア、自ら、占って下さると?」
「当たり前だよ。わかったのなら、さっさとおし!」
魔女は会ったときから、ずっと面倒くさそうに話していたように見えただけに、エルディアは、なぜ見てくれる気になったのか分からなかった。
そして思わず、彼女に聞いていた。
「……あの、なぜ私だけ……?」
エルディアが聞くと、すぐにカーリオも自分も占って欲しいと頼もうとしていた。
「私も、恋などの占いを……」
それを聞いたメディアは、彼をジロリと睨んだ。
「あんたは今まで通り、適当にやってればいいんだよ」
運命の人を知りたかったバルガの魔道師は、ここまではっきりと断られるとは思わなかったのか、驚いていた。
「ま、魔女さま……そんな、ご無体な……」
呆然としているカーリオにクフィンは近づき、彼の肩に手を置いた。
「……だ、そうだ。カーリオ、諦めろ。早く片付けるぞ」
そんなカーリオを見たメディアは、ふんっと鼻を鳴らし、エルディアに話しかけた。
「話は後だよ。このメディア様、直々に見てやるんだ。しかもただで。気が変わらないうちに、やりな」
そして、彼らは魔女に言われるがまま、机の上を片付けた。
結構な数の本や資料があった。
しかも、埃をかぶっているものもあったため、少し咳き込みながらの作業だった。
そして、ある程度片付いたところで、メディアは満足したようだった。
「よし!こんなもんでいいよ……そこに座りな」
エルディアは、言われた席に着いた。
すると魔女は、先ほど持ってきていた包みを解いた。
淡い青色の布の中から出てきたのは、手のひらに収まるほどの大きさの水晶球だった。
メディアは、それを両手で包み込むように持ち、そのまま机に敷かれた淡い青色の布の上に置いた。
「この水晶は、ただの水晶じゃないんだよ……この深く青みがかった色は、通常の物じゃ出ないんだ」
その説明を聞き、3人はそのクリスタルの玉を見た。
「確かに見たことのない色ですね……普通は無色透明が多いですからね……」
「カーリオ、お前でもわからんのか?」
「今、記憶を辿っているところです……うーん」
カーリオは腕を組み、眉を寄せ、天井を見上げながら考えていた。
そして、そんな彼らを待ちきれなかったのか、メディアはこの水晶について話した。
「知らないのかい……女ばっかり追っかけてるからだよ、全く……いいかい、これはね、北東の新大陸で発見されたもんなんだ」
「北東の……」
「そうさ、そして、これは『レムリアン・クリスタル』って言うんだ。これで見ると、もう他のは使えないね……非常に魔力や霊力を投影させるのに抜群の力を持っているんだ」
その名称を聞いたカーリオは、ようやく気づいたようだった。
「……なるほど、これがそうなんですか……本でしか読んだことがないので、実物は初めて見ました……そうですか……これが……」
「どうやら、鉱山もあって、そこでもこの水晶が採れるって話さ」
魔女は顔を綻ばせ、そのクリスタルの玉を手でさすっていた。
「それで、あの北東の大陸は『レムリア大陸』と、これからは呼ばれるらしいよ」
「レムリア……」
「そして、西の新大陸の方は、エルフが見つかったことから『エルフィニア大陸』と審議会の連中が名づけたって、あの2人がここに来た時に話していたね」
どうやら2つの新大陸は、それぞれ名が付いたようだった。
ユラト達のいる、西の大陸を『エルフィニア大陸』と呼び、北東の新たに発見された場所を『レムリア大陸』とこれからは、呼ばれることになりそうだった。
「それじゃ、見るかね……ああ、そうだ。言っておくけど、あたしのは未来を見るものじゃないからね」
通常、占いと言えば、未来を見るものではないのか?
しかし、魔女はそうではないと言った。
そのことにエルディアは困惑し、彼女に尋ねた。
「……え、どういうことですか?」
「あたしのは 未来を占うものじゃないのさ。その者の現在の立ち位置を見るんだ」
「……立ち位置?」
「人によってその立ち位置は様々さ。男と女、若人と老人、富む者と貧しき者、知者と愚者、美しき者、醜き者、幸運、不運の者、その者が住んでいる場所、目指す先、どんな経験をし、何を思い、何を感じ、積み重ねてきたか。実に多種多様なのさ」
「なるほど……」
「そう言った人の現在の立ち位置を、あたしは漠然とだが、ある程度見ることができるんだ……あたしの夫は占い師として未来を。そして、あたしは現在を見ることができるのさ」
未来・現在ときたので、カーリオは魔女に尋ねた。
「では過去は誰が?」
若き魔道師の問いに、魔女は珍しく笑顔で答えた。
「ん……ふふっ、そりゃあ、決まってるじゃないか。今もこの暗黒世界で旅をしている者達さ」
エルディアは、すぐにユラトのことが頭に浮かんだ。
「……冒険者……」
「ふふ、そう言うことさ。何もあたしは神じゃないのさ。3つの内一つぐらい、他人がやってもいいだろうよ……それに彼らは中々優秀だ……」
そう言って笑みを浮かべた魔女は、レムリアンクリスタルで出来た水晶球を撫でていた。
そして、すぐに表情を元に戻し、エルディアを見つめた。
「……じゃあ見るかね」
魔女は、レムリアン・クリスタルで出来た玉を両手で持ち上げた。
「エルディア、両手を広げて、机の上に置きな」
エルディアが言われたとおりにすると、魔女は水晶球を彼女の手の上に乗せた。
そして、自分の両手を玉に触れるか触れないかのところで止めると、今度はクリスタルを静かに見つめ、何かを強く念じているようだった。
「うーむぅ……見えてきたよ……一本の光の柱が見えるね……小さな光だ……恐らく、これはあんただ」
そして、今度は水晶球の近くで両手を強く握り締めた。
どうやら、魔力を送り込んでいるようだった。
「……色々浮かび上がってきてるねぇ……」
水晶球の中に、光の粒がたくさん現れてきていた。
そして、中心辺りに強い光を放ち、闇を飲み込むような渦が出来始めた。
メディアは、それを見て驚いていた。
「……ほう……こいつは、凄いね……あんたをラウルスを通して見たときから、普通じゃない何かを感じたんだが……それは、あんたじゃなかったんだね……」
エルディアには、何が起きているかさっぱり分からなかった。
(どう言う事?……)
「水晶球の中を見てみな……一際大きい光の渦があるだろ?」
「はい……」
「あんたには、大切な人がいるね?」
唐突な質問に彼女は、ややうろたえた。
「え……(ユラトのこと?)」
魔女は、急かすように聞いてきた。
「どっちだい」
エルディアは、少し恥ずかしそうに答えた。
「います……」
彼女の表情から、メディアは感づいた。
「それは男だね……」
そう言われた彼女の頬に、僅かだが紅がさした。
そしてエルディアは、無言で頷いた。
そんなエルディアの顔を見たクフィンは気になり、誰なのか考えているようだった。
(手紙を出していた……故郷の者か?……俺では……ないのだろうな……)
そしてメディアは占いを続けた。
「……ん、この渦は、奇妙だねぇ……」
魔女の言うとおり、よく見るとその渦は、光と闇を吸い込み、そして両方を生み出してもいた。
「こんな渦……見たこともないよ……しかも、この大きさだ……これは世界に影響を及ぼすほどの何かを持っている大きさだ……ここでは何が起きても不思議じゃないよ。多くの命が奪われることだってあり得る場所さ」
それを聞いたエルディアは驚いた。
「えっ……彼は、ただの冒険者です……ちょっと好奇心が旺盛なだけの……(もしかして、ユラトじゃない、誰かってこと?……)」
「あんたの言う者と、この人物が同じかどうかは、直接会って視て見ないと分からないね……だけど、この人物は、かなりのものになる可能性があるね」
しばらく黙って聞いていたカーリオが、気になった事があったのか魔女に尋ねていた。
「可能性ですか?」
「そうさ、この渦はまだ不完全だ。つまり、こいつはまだ決めていないんだ……そこまで到達していないのさ……だけど、もうすぐさ……もう、ほんの少し歩けば、どうするか……まあ、どこを歩くにしろ、相当変わった道を歩むことになるだろうね……」
「そんな……」
平凡な冒険者としての日々を想像していた彼女は、暗澹たる思いになった。
そして、彼女は彼の左手の甲にあった呪いの事を思い出した。
(もしかして……あの模様が関係あるの?……ユラト……)
そんなエルディアの思いを知ることの無い魔女は話を続けていた。
「一本の糸がその大きな渦とあんたを繋いでいる……その者にあんたは、引っ張られて……いや……そうじゃあないね……あんたから、そこへ行こうってんだ……かぁー!泣かせるねぇ……良い女じゃないか!」
メディアは、なぜかエルディアの事が気に入ったようだった。
「この水晶に映っている、あんたの光は小さいが、早々折れることの無い、真っ直ぐな光だ。それはあんたが強い信念を持った女であることを示すものでもあるんだ……一途な強い女だ……まるで、若いころのあたしを見てるようだよ……あたしゃ、この娘が気に入ったね!いいかい男ども、良く聞きな。嫁にするならこんな女がいいのさ。汚い色気ばっかりの女なんかに惑わされるんじゃないよ!とくにバルガのあんただよ、いいね?」
そう言って、メディアはカーリオをぎろりと睨んだ。
魔女の気迫にカーリオは、慌てて返事を返していた。
「―――は、はい。肝に銘じておきます……」
クフィンはそれを聞き、腕を組みながら嬉しそうにしていた。
(エルディアの魅力を理解するとは……流石、魔女と言われるだけのことはある。分かっているな……このばあさん……ふふっ)
魔女は水晶球を楽しげに見ていた。
「なるほど、それで今日、あんた達に会わなければならない、占いの結果が出たんだね……何となく分かったよ……(これは、きっとあたしにも繋がっているんだ……ふふふっ……面白そうな、絵じゃないか……)」
そしてメディアは、優しい顔になり、エルディアに話しかけた。
「あたしゃ、いつか4人目の賢者になるつもりだ。そうなれば、ここを離れることになる。だからどうだい、あたしの後を継ぐつもりはないかい?」
「……えっ、わたしがですか?」
「ああ、そうだ。あたしはね、あんたが気に入ったってだけじゃないんだ。あんたには、才能がありそうだ……あたしにゃあ、わかるんだ」
メディアは、真顔で真っ直ぐ彼女を見つめていた。
突然のことでエルディアは驚いたが、自分の目的をすぐに思い出していた。
「……私には行く場所が……」
彼女の言葉を遮る様に、魔女は話した。
「それは、わかっているさ。それが終わったらでいいよ……まあ、ゆっくり考えな」
魔女の気分をこれ以上害したくないと思ったエルディアは、考えるだけなら構わないと思い、すぐに答えた。
「……はい、一応考えておきます……」
そんな彼女を見たメディアは、嬉しそうにしていた。
「そうかい、そうかい……ふふっ……気長に考えな。まあ、ダメでもいいさ……他にも候補はいるからね」
そして、魔女メディアは水晶球を包んでいた布を手に取ると、再び包み直していた。
どうやら、占いはここまでのようだった。
「今日はもう1人、最後のお客さんが来るんでね。あんた達にはそろそろ、ここから出て行ってもらうよ」
自分たち3人で最後だと思っていただけに、意外に思ったカーリオは尋ねていた。
「……ほう、まだここに来る方がいらっしゃると?」
「あたしも会うのは初めてさ。まあ、これ以上は喋らないよ。ここに、しかもこんな時間に、あたしに会い来るってことは、普通じゃない奴だろうからね」
魔女にそう言われ、益々気になるカーリオだった。
(その言い方……気になりますねぇ……だけど、見せては頂けないんでしょうね……)
魔女は椅子から立ち上がった。
それを見たエルディアたちは、部屋から出ることにした。
そして、帰り際にメディアはエルディアに話しかけていた。
「あたしは、あんたが気に入ったよ。だから、何か困難に出会ったのなら、ここに来な。あんたは、下らない事で人に頼るような女じゃないからね。あんたがもし来たのなら、その時は会ってやるよ。覚えておきな、若く優秀な魔道師よ」
エルディアは、お辞儀をして礼を言った。
「色々、教えてくださって本当に感謝しています……ありがとうございました。ビルハッドさんにも、感謝していたと、お伝えください」
「ああ、わかったよ。さあ、行っておくれ」
クフィンとカーリオも礼を言い、エルディアと共に部屋を出た。
その時、後方から魔女の独り言が聞こえた。
「さっさと、もう一つも終わらせて……大地の迷宮の攻略に……戻るか……あいつをどうにか……しなきゃ……だねぇ……」
どうやら、魔女メディアは4人目の賢者を目指し、再び大地の迷宮に挑むようだった。
そしてエルディア達は、人々から占いの館と言われる場所から出た。
辺りは、まだ暗い夜だったが、あと少し時間が経てば朝になりそうな時刻だった。
来た道を帰り、3人はここに来るまで出会った人物のことを考えていた。
(考えてみれば、ほんの少し移動しただけなのに、凄い人たちと会う事が出来たわ……どれも大切な出会い……)
彼女の言うとおり、どの人物もなかなか会うことの出来ない者達だった。
(……後は、ラドラー学院長に報告をして終りよね……そしたら、私も西のエルフィニアへ……)
クフィンは、考え事をしているエルディアを見つめていた。
(とりあえず、エルディアに何も無くて良かった……それに悪魔の事は聞けたから、よしとするか……)
カーリオは、船から腕を出し、湖面に指先をつけながら考えていた。
(もう少し、色のある出会いが私としては、欲しかったですかね……それにしても、少し眠くなってきました……)
そして、彼らが帰りの船の中で、今後についてどうするか話し合っていた時、ジャック・オー・ランタンのジャックが、突然何かに気づき、空の方を指差していた。
「ちょっと、お客さん!あれなんだろ!あれ!」
しかし、3人はジャックの言葉をすぐには信用しなかった。
先ほど、驚かされたからだった。
エルディア達は、彼の指差す方向を見ることなく、疑いの眼差しを彼に向けていた。
「ジャック……」
「また、私達を驚かすつもりですか?」
「おい、ガキ、その手には乗らんぞ」
しかし、ジャックは必死になって、彼らに話しかけていた。
「いや、本当だって!あれって魔物じゃないの!?」
魔物と聞いた3人は、見ないわけにはいかないと思い、渋々彼の指差す方向を見た。
「はあ、ちょっとだけ、付き合ってあげますか……」
すると、エルディア達がいる、湖の上空を大きな翼を持った何かが、かなりの速度で飛んでいった。
3人は驚いた。
「―――あれは!?」
それはすぐに後方へ移動していた。
そして夜空に出ている月に、その謎のものが重なった。
シルエットが見えた。
それを見た3人は驚いた。
「あれって……」
「まさか、しかし……」
「ワイバーンか!?」
クフィンが叫んだ通り、それは大きな翼を持った飛竜に見えた。
そして、さらにエルディアが何かに気づいた。
「人が……乗っている……?」
彼女の言葉を聞き、クフィンとカーリオも、目を凝らして月を見た。
「……本当だ。誰かいるな……何だあれは……」
(人?……そんな……どうやって……?)
呆然と飛竜を見つめているエルディア達とは違い、ジャックは興奮気味に叫んでいた。
「あっちって、ビルの爺様の館がある方向だよ!もしかして、会いに行ったのかな?」
ジャックの話しから、エルディア達は魔女メディアの言葉を思い出した。
「確か、私達以外にも今日はもう1人来るって言ってた……」
「そんな事を言っていたな……」
「この島の住人ではないでしょうね……聞いたことがありませんよ……飛竜を駆る者なんて……」
エルディアは、今回の学院からのクエストによって、普段見ることの無い大きな力をたくさん見たために、それが心に大きな不安となって現れていた。
(あの占いといい、何か大きなことが起き始めているのかな?……何もないといいけど……)
そして飛竜は、魔女のいる島へ向かって飛んでいった。
「とにかく、私達は報告に行こう……」
「ああ、そうだな。これ以上は、考えても無駄だ」
「ええ、早く帰って……ぐっすり眠りたいものです……」
エルディア達は、クエスト達成のため、レイアークの町へ向かった。
暗黒世界は、今、何か大きな力が現れ始めたのだろうか?
エルディアは、何も起こらないことを祈りながら、ユラトの元へ辿り付く事を考えていた。
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