魔境放眼は地獄へ行く

木mori

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第二章

第三十四話・男子同士のからだの行き帰はもっとわかってる

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「そう。腐女子化が明らかに進行している。家にいてもこれだけ状況が悪化している。今の腐ったお前をさらに腐らせるわけにはいかない。」


「腐る腐るってうるさいわね。わかったわ。早く行きなさいよ。そして生徒会長の一条華莉奈に会いなさいよ。きっといろいろわかるわ。男子が男子の背中に手を回して、好きだと書いて告白するとか、オイシイ話が聞けるわよ。」


「そんな話、聞きたくない、見たくもない。」


「華莉奈はコンビニオーナーでもあって、地獄の行き帰を管理しているわ。男子同士のからだの行き帰はもっとわかってるかも。」


「わからんでいい!とにかく行ってくるぞ。オレに任せろ。でもひとりじゃ魔法が使えない。魔法使いがいるんだけど。」


《まる、宇佐鬼大悟について行く。だんまり。》


 騙流が大悟の胸にダイブ。大悟は条件反射的にいきなりお姫様抱っこ。


『ゴゴゴ、ゴゴゴ、ゴゴゴ~。』


 騙流ダイブを見て倒れていた桃羅と衣好花が起き上がる。楡浬も一緒に夜の闇よりも真っ黒な気迫オーラが得溢れている。騙流は一触即発な空気の中で、ダルマ会話を継続した。
《これで魔法使ってみる。だんまり。》


 いつもの楡浬大悟とはまったく違う体勢ながら、おんぶズマンスイッチが入り、騙流のからだが光っている。


「どうしてスイッチが入ったんだ?」
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