魔境放眼は地獄へ行く

木mori

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第二章

第六十六話・下界へ降りる

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「どうやって降りるんだ?」


「カンタンじゃ。こうするのよ。」


白弦は手に持っていた亀の人形をふると、猛烈な風が吹いた。


「妾は亀使いじゃが、風使い。」


「それは幼女ギャグのつもりか!そんな魔法があるなら、いつでもすぐに下界へ降りることができただろうに。」


「それはそうなんじゃが、それができないのが、オトメ心なのじゃ。」


「オトメ心?よくわからないなあ。」


「下界へ降りたら、そちにもわかるじゃろ。オトメな妾をよく観察しておけ。」


「さっきからオトメを連発してるけど、つるぺたはずっと昔からここにいるんだろう。見た目は幼女だけど、いったい何歳なんだ。」


「つるぺた言うな!それにオトメに年齢はないんじゃ。聞くのも大罪じゃぞ。直球ばかりじゃ、そのうち、人生の荒波に打たれるぞい。」


「ごたくはいいからすぐに降りるぞ。」


「願い事をわすれていないか。」


「大丈夫じゃ。下界に降りたら聞いてやるわ。忘れはせんわい。」


「そうか。まだ痴呆症は始まってないんだな。」


「超当たり前じゃ!妾はまだオトメなんじゃから。それではスタンバイじゃ。どっこいしょっと。」


「どっこいしょ、という言葉に重たい年齢の響きがあるなあ。」


「ほっとくのじゃ!早くせい。」


白弦と騙流が大悟にお姫様抱っこされた。無論、人形はもれなく付いている。


「また二人分+甲羅かあ。重たいぞ。」


「今度は降りるだけじゃから、浮力がついて重さは感じなくなるはずじゃ。それ!」


白弦の掛け声と共に三位一体セットがダイブ。


「おおお、これじゃ、これじゃ。妾が夢見していた下界への降り方。」
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