魔境放眼は地獄へ行く

木mori

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第二章

第六十五話・カメ

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「こうしないと比較できんじゃろ。ほれ。妾のお尻の感触を堪能して果てるんじゃないぞ。」


「こんなお子ちゃま遊びで果てるかっ!しかし、腕がキツい。騙流より小さいはずなのにどうしてこんなに重量があるんだ?それにやけにゴツゴツしているぞ。」


大悟は小さなふたりの重さに耐えかねて、落としてしまった。


「いたたた。」


《痛い。だんまりできない。》


「あの固い触り心地はなんだ?」


大悟は落ちた白弦を起こすため、背中に手を当てた。妙な違和感があったので、少し擦ってみた。


「これって、まるで亀の甲羅じゃないか。」


「見たな~!」


「見てないけど、手の感触でわかるぞ。カメ導師って二つ名はこれか!」


「バレたら仕方ない。そう。妾は亀の化身じゃ。正体がバレたなら、もうそちたちに下界に連れて行ってもらうしかないぞ。」


「ずいぶんとまた脈絡のないことだな。勝敗を決めようにも感触は不明だったぞ。」


「別に勝敗なぞ、どうでもよいのじゃ。妾は下界に降りたいだけじゃし。」


「わかった。オレの背中について来い。」


「いや、どちらかと言えば、お姫様抱っこは、お腹にくっつくぞ。」


「例え話だ!」


こうして三人は下界へ下ることとなった。
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