魔境放眼は地獄へ行く

木mori

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第二章

第七十三話・赤裸々な事実認定

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「お兄ちゃん。けっこう素早く再構成できたね。」


 バイトを終えた桃羅がコンビニの外で大悟に話しかけている。


「冗談はやめろ。本当に死にかけたんだぞ。地獄に舞い戻ってしまうところだったんだぞ。桃羅。楡浬の姿が見えないが、ここにいないのか。」


「愛人二号饅頭はシフト入ってないので、家にいるよ。それとお兄ちゃん。さっきからすごく気になってることがあるんだけど。ダルマが一緒に帰ってきたのはまだいいとして、もう一個UMAが存在するのはどうして。」


「お前もそう呼ぶのか!妾は白弦というれっきとした美少女じゃ。幼女スキルはレベル高いぞ。」


「UMAがしゃべった!名前はつるぺた?そのおっぱいによく似合ってる。」


「こら、そちまでまったく同じことを言いおる。まさか、こやつは宇佐鬼大悟の。」


「ああ、実の妹だ。顔、性格、全然似てないだろ。」


「性格のひねたとこなど、そっくりじゃ。  血は争えんのう。こんな遺伝子兄を妾が受け入れたとは嘆かわしいのう。」


 桃羅は眉毛を逆ヘの字に湾曲させた。


「つ、つるぺたさん。聞き捨てならない、いやガン聞きしたいフレーズを発したよね?」


「ガン聞きとはなんじゃ。妾はなんら疚しいことはしとらんぞ。そちの兄貴が妾を抱いただけじゃ。」


「お兄ちゃん~。」


《宇佐鬼大悟~。》


 桃羅と騙流がひきつらせた笑顔を大悟に大接近させる。


「ちょっと待て。騙流はオレと一緒にいたんだから、無実を証明する立場だろ。つるぺたを抱いたとか、そんなヤバいこと、オレがするわけないだろう。抱いた・・・そういや、抱いたな。」


「お兄ちゃんが赤裸々な事実を軽く認めた!」


《宇佐鬼大悟、破廉恥極めた。だんまり制御不能!》


「ほれ、宇佐鬼大悟本人にも思い当たるフシがあるんじゃ。あの時のことを思い出すにつれ、妾、恥ずかしくて顔から火が出そうじゃ。ぽっ。」


 すっかり赤土化したほっぺたを撫でる白弦。
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