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第三章
第五話・D
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「そういうことじゃ。ただマンションを管理しているのはその娘であって、娘ではない。どうやら、饅頭人居住区の支配者がその娘を食ったらしい。その饅頭人に楡浬を助ける手がかりがあると見てるのじゃ。まずはその饅頭人に会わないといけない。しかし、ライトも付けずに引きこもっているらしいし、オートロックのマンションじゃから中に入ることもできず、どの部屋に住んでいるのかもわからないんじゃ。」
「それは困ったにゃ。どこにいるのかすらわからないんなら交渉の余地がないにゃ。」
ショタイゴちゃんと白弦は、鉄棒を恨めしく見つめる逆上がりのできない女子中学生のように、固まっていた。
ふたりはマンションの出入りをずっと観察していたが、娘が出てくることはなく、ただ時間だけが過ぎていき、夕暮れになった。季節は深まる肌寒い秋。ポツリポツリと雨が降り、車のヘッドライトに雨が線のように見える。
「これだじょ!」
ショタイゴちゃんは手をたたき、ついでに白弦のアタマを叩いた。不思議と叩きたくなるアタマはどこの世界にも存在するのである。
「なにをするんじゃ。幼女の頭をなでなでするのはグローバルスタンダードじゃが、叩くのは虐待じゃ、DVDじゃ!」
「Dがひとつ多いじょ。閃いたじょ。明日、朝早くここに来よう。」
「朝は苦手なんじゃが。幼女は寝起きが悪くて、目覚まし時計十個鳴らしても起きなくて、お兄ちゃんのキスでやっと目が開くというのが定番じゃからのう。」
「お兄ちゃんならここにいるじょ。」
「ショタイゴちゃんは兄じゃが、お兄ちゃんカテゴリーからコースアウトしてるではないか。」
「そうだったじょ。これじゃ、明日朝つるぺたを起こすことが不可能だじょ!って、そんなお兄ちゃん属性は捨ててしまえ!」
こうして、次の日の夜明け前。楡浬は完全に腐敗してしまう2日前で、ほとんど口をきかなくなっていた。
「それは困ったにゃ。どこにいるのかすらわからないんなら交渉の余地がないにゃ。」
ショタイゴちゃんと白弦は、鉄棒を恨めしく見つめる逆上がりのできない女子中学生のように、固まっていた。
ふたりはマンションの出入りをずっと観察していたが、娘が出てくることはなく、ただ時間だけが過ぎていき、夕暮れになった。季節は深まる肌寒い秋。ポツリポツリと雨が降り、車のヘッドライトに雨が線のように見える。
「これだじょ!」
ショタイゴちゃんは手をたたき、ついでに白弦のアタマを叩いた。不思議と叩きたくなるアタマはどこの世界にも存在するのである。
「なにをするんじゃ。幼女の頭をなでなでするのはグローバルスタンダードじゃが、叩くのは虐待じゃ、DVDじゃ!」
「Dがひとつ多いじょ。閃いたじょ。明日、朝早くここに来よう。」
「朝は苦手なんじゃが。幼女は寝起きが悪くて、目覚まし時計十個鳴らしても起きなくて、お兄ちゃんのキスでやっと目が開くというのが定番じゃからのう。」
「お兄ちゃんならここにいるじょ。」
「ショタイゴちゃんは兄じゃが、お兄ちゃんカテゴリーからコースアウトしてるではないか。」
「そうだったじょ。これじゃ、明日朝つるぺたを起こすことが不可能だじょ!って、そんなお兄ちゃん属性は捨ててしまえ!」
こうして、次の日の夜明け前。楡浬は完全に腐敗してしまう2日前で、ほとんど口をきかなくなっていた。
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