魔境放眼は地獄へ行く

木mori

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エピローグ

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 騒がしい教室のいちばん前の席に座っている女子生徒。天体望遠鏡を背負い、双眼鏡、顕微鏡を首にぶら下げる、おとなしそうな彼女は思いに耽っていた。


(ご先祖の織田信長様は、人間界の宗教勢力制圧したあと、魔法伝家を潰して、地獄に行くという計画であったが、道半ばで挫折してしまった。以後、織田家は没落の一途。織田家に取って代わった徳川幕府が宗教勢力を打破した結果、現代に残るのは魔法伝家の血筋。

あたしに課せられた使命は、魔法伝家から魔境放眼を奪い取ること。魔境放眼所持が魔法伝家本流の証し。魔法伝家のトップに立ったら、永年の悲願を達成する。それは地獄を潰すこと。織田家の始祖吉備桃太郎様が地獄へのレジスタンスを行った際に、地獄を潰しにストップがかかり、和平交渉へと移行して、イニシアチブが軍部から文民へ移されてしまい、地獄を滅ぼすことが、宿願として残った。
後世、織田信長様が、桃太郎様から続く宿願を果たそうとしたが、憎っくき明智光秀に計略を悟られて、阻止された。

魔境放眼がそばにある今が最大のチャンス。この機会を逃す手はない。天体望遠鏡、双眼鏡、顕微鏡は世界を広くかつ小さく見通すための魔道具。 これから存分に活躍してもらうよ。)



 桃羅の幼馴染、織田信忍(しのぶ)はこぼれそうになる笑いを必死にこらえていた。


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