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第三章
第十一話
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「では、残念だけど、敗者のお兄ちゃんには、バツゲームだよ。」
桃羅は手袋の中で動いていた節足動物門ムカデ綱を大悟・楡浬の胸に挿入した。
「ぎゃあああ、虫だ!きゃあああ、ムカデよ!」「きゃあああ、ムカデだ!」「きゃあああ、ムカデじゃ!」
「ぎゃあああ!はお兄ちゃんの悲鳴だね。きゃあああ!が3つあるのは、楡浬、委員長、支配人先生だね。あ~、気持ち悪かった。あたしは虫が大っ嫌いなんだから、この特殊ゴム手袋がなかったら、掴むことなんてできなかったからね。特にアンちゃん委員長にはお礼参りの意味も込めているからね。」
桃羅は当たりくじ言葉のふたりにも賞品を与えていたのであった。
「「約束が違う!」」
委員長と三輪車支配人教師の抵抗は虚しかった。強者の約束は破られるために存在するのである。
「みんな安心してね。ムカデじゃなく、ゲジ目だから。」
「「「ほとんど一緒だ!」」」
三人がゲジゲジと格闘している間に、次の競技へシフトした。
「さあ、次は反復横っ跳びだよ。」
「その小さな『っ』が気になりますわ。
「大丈夫だよ、お兄ちゃん。地球とみんなにやさしいプログラムだからね。」
「反復横っ跳びはそのままの意味でやってもらえばいいから。三本のラインを跳ぶだけのシンプル設計だよ。」
三人はラインの真ん中に立って、始動に向けて準備している。
「また何か良からぬことを考えてなければよいのじゃが。」
「そんな人聞きの悪いことなんか、考えてないよ。第一、あたしの大好きなお兄ちゃんが出てるんだからね。お兄ちゃんが嫌がるようなことはしないよう・・・に努力するよ。じゅる。」
「信憑性に極めて乏しい輩じゃ。」
「お兄ちゃんへの愛のカタチはいろいろなんだよ。それではゲーム開始~。」
三人は真ん中のラインから右に移動し、すぐに真ん中経由で横っ跳びで真ん中に戻った。三輪車は意外にも左右への動きは俊敏で、三人は完全に互角の勝負である。いい勝負をしていることを示すように、三人は活発に動いているが、表情はひどく険しい。
「これは左右にはほんの一瞬のワンタッチしかできませんわ。」
「そうだよ。すぐに真ん中に戻るしかない。人生に迷える子羊は、牧場の真ん中でもがくのが似合ってるよ。てへへへ。」
「左右のトラとライオンは放し飼いじゃないか!綱をつけろ。絶対に刺激してはならん。触れるなど、もってのほかじゃ!」
(そもそもトラとライオン、どこの動物園から持ってきたのよ?)
桃羅はニヤリとした。
「動物園?そんな不自然なことはしないよ。自然がいちばん。つまり野生だけど。」
(危険過ぎるわ!)
トラとライオンはつまらなさそうに寝そべっていた。それが幸いして三人には悲劇の幕は上がっていない。
「じゃあ、そろそろガソリン注入しようかな?ビッグバンにも最初の火力が必要だったからね。」
桃羅は手にタンクを持って動き出した。
桃羅は手袋の中で動いていた節足動物門ムカデ綱を大悟・楡浬の胸に挿入した。
「ぎゃあああ、虫だ!きゃあああ、ムカデよ!」「きゃあああ、ムカデだ!」「きゃあああ、ムカデじゃ!」
「ぎゃあああ!はお兄ちゃんの悲鳴だね。きゃあああ!が3つあるのは、楡浬、委員長、支配人先生だね。あ~、気持ち悪かった。あたしは虫が大っ嫌いなんだから、この特殊ゴム手袋がなかったら、掴むことなんてできなかったからね。特にアンちゃん委員長にはお礼参りの意味も込めているからね。」
桃羅は当たりくじ言葉のふたりにも賞品を与えていたのであった。
「「約束が違う!」」
委員長と三輪車支配人教師の抵抗は虚しかった。強者の約束は破られるために存在するのである。
「みんな安心してね。ムカデじゃなく、ゲジ目だから。」
「「「ほとんど一緒だ!」」」
三人がゲジゲジと格闘している間に、次の競技へシフトした。
「さあ、次は反復横っ跳びだよ。」
「その小さな『っ』が気になりますわ。
「大丈夫だよ、お兄ちゃん。地球とみんなにやさしいプログラムだからね。」
「反復横っ跳びはそのままの意味でやってもらえばいいから。三本のラインを跳ぶだけのシンプル設計だよ。」
三人はラインの真ん中に立って、始動に向けて準備している。
「また何か良からぬことを考えてなければよいのじゃが。」
「そんな人聞きの悪いことなんか、考えてないよ。第一、あたしの大好きなお兄ちゃんが出てるんだからね。お兄ちゃんが嫌がるようなことはしないよう・・・に努力するよ。じゅる。」
「信憑性に極めて乏しい輩じゃ。」
「お兄ちゃんへの愛のカタチはいろいろなんだよ。それではゲーム開始~。」
三人は真ん中のラインから右に移動し、すぐに真ん中経由で横っ跳びで真ん中に戻った。三輪車は意外にも左右への動きは俊敏で、三人は完全に互角の勝負である。いい勝負をしていることを示すように、三人は活発に動いているが、表情はひどく険しい。
「これは左右にはほんの一瞬のワンタッチしかできませんわ。」
「そうだよ。すぐに真ん中に戻るしかない。人生に迷える子羊は、牧場の真ん中でもがくのが似合ってるよ。てへへへ。」
「左右のトラとライオンは放し飼いじゃないか!綱をつけろ。絶対に刺激してはならん。触れるなど、もってのほかじゃ!」
(そもそもトラとライオン、どこの動物園から持ってきたのよ?)
桃羅はニヤリとした。
「動物園?そんな不自然なことはしないよ。自然がいちばん。つまり野生だけど。」
(危険過ぎるわ!)
トラとライオンはつまらなさそうに寝そべっていた。それが幸いして三人には悲劇の幕は上がっていない。
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桃羅は手にタンクを持って動き出した。
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