特売フイギュアワゴンの中に手を入れたら、人生変わるので注意してください。

木mori

文字の大きさ
40 / 70
第三章

第十一話

しおりを挟む
「では、残念だけど、敗者のお兄ちゃんには、バツゲームだよ。」
桃羅は手袋の中で動いていた節足動物門ムカデ綱を大悟・楡浬の胸に挿入した。

「ぎゃあああ、虫だ!きゃあああ、ムカデよ!」「きゃあああ、ムカデだ!」「きゃあああ、ムカデじゃ!」
「ぎゃあああ!はお兄ちゃんの悲鳴だね。きゃあああ!が3つあるのは、楡浬、委員長、支配人先生だね。あ~、気持ち悪かった。あたしは虫が大っ嫌いなんだから、この特殊ゴム手袋がなかったら、掴むことなんてできなかったからね。特にアンちゃん委員長にはお礼参りの意味も込めているからね。」
桃羅は当たりくじ言葉のふたりにも賞品を与えていたのであった。

「「約束が違う!」」
委員長と三輪車支配人教師の抵抗は虚しかった。強者の約束は破られるために存在するのである。

「みんな安心してね。ムカデじゃなく、ゲジ目だから。」

「「「ほとんど一緒だ!」」」
三人がゲジゲジと格闘している間に、次の競技へシフトした。

「さあ、次は反復横っ跳びだよ。」

「その小さな『っ』が気になりますわ。

「大丈夫だよ、お兄ちゃん。地球とみんなにやさしいプログラムだからね。」

「反復横っ跳びはそのままの意味でやってもらえばいいから。三本のラインを跳ぶだけのシンプル設計だよ。」
三人はラインの真ん中に立って、始動に向けて準備している。

「また何か良からぬことを考えてなければよいのじゃが。」

「そんな人聞きの悪いことなんか、考えてないよ。第一、あたしの大好きなお兄ちゃんが出てるんだからね。お兄ちゃんが嫌がるようなことはしないよう・・・に努力するよ。じゅる。」

「信憑性に極めて乏しい輩じゃ。」

「お兄ちゃんへの愛のカタチはいろいろなんだよ。それではゲーム開始~。」
三人は真ん中のラインから右に移動し、すぐに真ん中経由で横っ跳びで真ん中に戻った。三輪車は意外にも左右への動きは俊敏で、三人は完全に互角の勝負である。いい勝負をしていることを示すように、三人は活発に動いているが、表情はひどく険しい。

「これは左右にはほんの一瞬のワンタッチしかできませんわ。」

「そうだよ。すぐに真ん中に戻るしかない。人生に迷える子羊は、牧場の真ん中でもがくのが似合ってるよ。てへへへ。」

「左右のトラとライオンは放し飼いじゃないか!綱をつけろ。絶対に刺激してはならん。触れるなど、もってのほかじゃ!」

(そもそもトラとライオン、どこの動物園から持ってきたのよ?)
桃羅はニヤリとした。

「動物園?そんな不自然なことはしないよ。自然がいちばん。つまり野生だけど。」

(危険過ぎるわ!)

トラとライオンはつまらなさそうに寝そべっていた。それが幸いして三人には悲劇の幕は上がっていない。

「じゃあ、そろそろガソリン注入しようかな?ビッグバンにも最初の火力が必要だったからね。」
桃羅は手にタンクを持って動き出した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

側妃契約は満了しました。

夢草 蝶
恋愛
 婚約者である王太子から、別の女性を正妃にするから、側妃となって自分達の仕事をしろ。  そのような申し出を受け入れてから、五年の時が経ちました。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~

菱沼あゆ
キャラ文芸
 突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。  洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。  天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。  洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。  中華後宮ラブコメディ。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

処理中です...