特売フイギュアワゴンの中に手を入れたら、人生変わるので注意してください。

木mori

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第三章

第十五話

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「ワシは『子泣きジジイ』という者じゃ。ヒトの背中に張り付いて、泣くと空中元素固定装置が作動して、周りの元素を取り込み、体重が増えるんじゃ。そして張り付いた相手を苦しめることを職業としているんじゃ。」

「そんな職業、どこにも分類されませんわ。それに空中元素固定装置は昔アニメの無根拠理論設定ですわ。」

「ほっとけ!当時のアニメじゃ斬新アイデアだったんじゃ。もう容赦せんぞ。このポジションをじっくり、ねっとり堪能するのがシュミなんじゃ。」

「まさかとは思いますが、その枯れ果てたモミジの手を前に伸ばそうとするのでは?あひっ。」
すでに子泣きジジイの手は大悟・楡浬の胸をまさぐっていた。

(きゃあ。アタシの体に何するのよ!)

「女の背中の反対側を夢の船着き場にするのは、ジジイのロマンじゃ。」

(これはただのヘンタイだわ。)

「人形が何かほざいとるな。しかし、この体。スカートを穿いとるが、オトコじゃったな。オッパイのオの字もないわ。」
楡浬のあまりの怒りぶりに、歯軋りが聞こえた。

(ギギギ!失礼の峠を越えてしまったわね。大悟、燃えないゴミだけど、分別せずに棄てなさいよ。永遠の熱さを三食与えてやるのよ!)

『ペチャ、ペチャ。』
何を思ったか、大悟はオッパイを軽く叩いている。

「胸さん、こちら。手の鳴る方へ。」

「おお。そっちにあったのか、アマい水は!」
子泣きジジイの興味は大悟のペチャペチャの方に寄せられた。

「よし。今ですわ!」
大悟はすぐ後ろにあった墓石に背中からぶつかった。墓石には、子泣きジジイという名前が彫られて、そのままこなきじじい本体共々、落下していった。

(やっとスッキリしたわ。アタシの胸を見つけきれないなんて、視野の狭さは世界一だわ。)

「そうですわね?」
子泣きジジイを倒した大悟は、最後の椅子を争う相手である委員長を探した。しかし、大悟の目の高さにはヒットしない。それもそのはず。委員長は怖がってしゃがみこんだまま動かない。

「た、高いの、高いの、他界の飛んでけ~!」
委員長の大脳はすでに故障モードに入っていた。

「委員長。高い所といっても、下が見えるわけでもないですし、割り切ればよろしいのではなくて?」
委員長は震える指で下を示している。
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