魔法少女はダンプカー運転手?

木mori

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第一章

第二十一部分

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「いや合格だ。」
「そんなんじゃ、理解できないわ。」
「仕方ないな。じゃあ、コースに戻ろうか。」
「そう、それでいいのよ。再試験なら受けて立つわ。」
五竜は自分で教習車を運転してバーティをコースに連れていく。
「ちょっと、運転するのはあたしじゃないの?ま、まさか、あたしをどこかへ連れてって、あんなことやそんなことをする気じゃないでしょうね?」
「あんなことやそんなことはしないけど。」
「ふう。良かったわ。ザンネン。」
「何か言ったか。」
「何でもないわ。」
「あんなことはしないけど、こんなことはするよ。」
「えっ!やっぱりケダモノだったの?」
『バタン。』
ドアを開いた五竜は、ヴァーティの手を取った。
「きゃあああ。お・か・さ・れ・る・わ。」
ヴァーティは怯えているのか、喜んでいるのか、わからないリアクションを公明正大に示した。
「あれ?こんなところで、ナニをするの?」
ふたりは実技コースのクランクのところに立っていた。
試験中に、ヴァーティがポールに当たったところである。五竜は曲がって折れかかったポールを触っている。
「これは取り替えないといけないな。ポールが古くなって曲がっていたんだよな。
まさか、だからあたしの車に当たったっていうこと?」
五竜は何も言わずに、校舎にゆっくりと歩いていった。
取り残されたヴァーティは、後ろ姿の五竜に聞こえないような声で、『ありがとう。』と言った。
ヴァーティが夕陽の眩しさに気づかず、五竜の背中を見つめていた。

仮免合格の翌日。駐車場のヴァーティの前には、五竜が立っていた。
「どうしてあんたがあたしの教官なの。」
「路上コースはオレが担当する。これからのこともあるしな。」
「これから?」
「早くエンジンをかけろ。時間がもったいない。」
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