魔法少女はダンプカー運転手?

木mori

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第一章

第二十二部分

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「ちょっと、あたしの教官になった理由は何なの?」
五竜が特に答えないまま、ヴァーティは路上へと出た。
ヴァーティにとっては人間界の道を車で走るのは、初体験であった。
「これが人間界の風景ね。こっちに来た時に少し見ていたけど、車で見ると違う風景に見えるわね。人はいないけど、のどかでいい眺めだわ。」
緑を堪能する遠足気分に浸りつつあったヴァーティを五竜が制した。
「無駄口はワキ見運転に繋がるぞ。」
「わかってるわよ。田舎村の深夜アニメ好き物知りジイサンみたいにうるさいわね。」
「どこにそんなジイサンがいる?」
人がほとんどいない場所なので、路上コースと言っても、教習車敷地内とあまり変わらない上に、五竜の適切なアドバイスもあり路上は順調。
「思ったよりうまいな。雨でも降らなきゃいいが。」
「またバカにして!」
ヴァーティは思わずアクセル強く踏み過ぎて教習車が揺れた。
「いつもの通りに運転すればいいんだ。仮免合格したんだろ。」
「わかってるわよ。あんたが余計なちゃちゃを入れるからよ。」
冷静になるヴァーティ。よしそれでいいんだ。
その後は順調にコースを走るヴァーティ。
「ちょっとスピードが遅いかな。少しスピードアッブしてもいいぞ。」
いいのね。その言葉を待ってたわ。おみくじで大吉を当てたらこんな気分なのかしら。
ヴァーティは真っ直ぐな道で全力でアクセルを踏んだ。教習車はグングンスピードを上げて、闘牛のように唸って疾走する。
「うほほほ~い!ずっと家や女子寮で背負わされていた荷物を空にして投げ飛ばした気分だわ。」
「おいおい、いくらなんでも飛ばし過ぎだ!風景が視認できないレベルだぞ。危ないがキケンだ!」
さすがの五竜も冷静さを後部座席に置き忘れていた。
「すて~き~!夢魔法なんて目じゃないわ。宇宙にも飛び出すようなシビレる感覚、全身に毒キノコが回ったみたいだわ。」
非常にディンジャラスな状態のヴァーティ。真っ直ぐな道もやがては曲がる。
「おい、あそこはカーブで、しかもちょうどバツグンに都合よく、崖に差し掛かってるぞ!スピードを落とせ!」
「わかったわ。一気に大減速するのね。超急ブレーキモードっと。」
『ギギギ~!』
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